日々の暮らし*『点と線』(著者:松本 清張)

2022-05-17 | 本が好き
 昔、ビジネス客から「新聞か雑誌が空くまで、何でもいいから活字が読みたい」と所望され、

「あいにく国鉄の時刻表しかございませんが・・・」

「時刻表って登場人物もストーリーも無いからなぁ」

「お客様、松本清張はこれで小説を書き上げますわ」

と苦し紛れに申し上げたところ、雑誌をお持ちするまで熱心にご覧になっていたような??


 今年は、社会派推理小説家 松本清張の没後30年にあたります。

先日 NHK の深夜ドラマ『天城越え』を観て以来、私は氏の作品を読み始めていますが、

ご存知の通り映画化されている作品も多くあり、図書館では DVD も貸し出してくれるので、

原作と共に借りてきては、昭和30年代の映像も併せて楽しんでいます。

また松本清張の作品では犯人も刑事も全国津々浦々、実によく移動するため、

日本地図があれば分かりやすいと思い、『地図で読む松本清張』(帝国書院)も借りてきました。


左から『地図で読む松本清張』 『点と線』(昭和32年) 同 DVD (昭和33年)

 以下、テレビで再生した DVD の映像を撮ったものです。


新幹線が走る前の東京駅 


横須賀線13番ホーム  目撃者として利用される女性二人


昭和33年頃の国鉄函館駅


何年か前にひとり旅で訪れた JR 函館駅


札幌市時計台
私が子どもだったからか、周囲にビルが無かったからか、当時は大きく感じたものです。
(訂正)この真向かいに登場人物が宿泊した「丸惣」という旅館が実際にあったのを記憶しています。


最近の時計台(重要文化財)
「丸惣」は他の町に移築された後に解体されたそうです。

追記
2枚の時計台は建物の形が異なっていますが、昔の写真は南側から撮影したものとご教示いただきました。
現在の写真は西側から撮影したもので、「旅館 丸惣」は時計台の西側に在りました。



札幌駅構内のポスター
これを見て刑事は移動手段を見直しアリバイを崩します。
当時の航空運賃は初任給より高かったので、当初は思い至らなかったのでしょう。


この場面では、ストーリーそっちのけで昔の空港や飛行機に見入ってしまいました


 本のどのページも、そして映像の隅々まで、作り物ではない昭和が満載の清張作品。

いま手元には『眼の壁』と『ゼロの焦点』が控えています

 
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2 コメント

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hirorin さんへ (Juliet)
2022-05-19 08:35:42
hirorin さん、おはようございます

>背景に映る昭和30年代、なつかしいというか、ああ~ってなります。
まだまだ、戦争の影響が残っていますよね。そして高度経済成長期。

戦後十数年ですものね。
画面のどこかに若かりし日の両親が映っているような錯覚を覚えます。

>外資系エアラインのCAさんが、殺害されるの(名前忘れた)あれは、実際にあった事件から起こした作品ですよね。

『黒い福音』ですね。
BOAC(現在は BA=英国航空)といえばこの小説と富士山での事故を連想します。

>ずっと愛される清張作品は、時代やツールが変わっても人の普遍性は、あまり変わらないってことですかね。

連絡がとれないまま待ちぼうけなんてことはなくなりましたが、
待ち人と会えたときの笑顔など、心情は同じですものね。
ただ驚くのは喫煙率の高さ
ストーリーとの必然性など関係なく、いつでもどこでもプカプカですよ

>ツール、変わりましたのに・・・2週間ぶり出勤の上司に頼まれたスペルチェック、紙の辞書使いました。周りの講師は、引いてましたが。

それはそれはお疲れさまでした。
hirorin さんも辞書の紙質はお好きでしょうが、お仕事となれば大変ですよね
返信する
清張作品は (hirorin)
2022-05-18 19:18:05
永遠ですよね~
何度も映画化・ドラマ化されているし~
私は、「砂の器」が大好きです。もちろん、古いのを何度も見て読んでます。(この‘もちろん‘は、古いにかかります)
背景に映る昭和30年代、なつかしいというか、ああ~ってなります。
まだまだ、戦争の影響が残っていますよね。そして高度経済成長期。

外資系エアラインのCAさんが、殺害されるの(名前忘れた)あれは、実際にあった事件から起こした作品ですよね。

ずっと愛される清張作品は、時代やツールが変わっても人の普遍性は、あまり変わらないってことですかね。

ツール、変わりましたのに・・・2週間ぶり出勤の上司に頼まれたスペルチェック、紙の辞書使いました。周りの講師は、引いてましたが。
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