東大院生の独り言

東大院生が院試までの道のりをつぶやくブログ。
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5月④6割の壁~目標点数設定~

2021-03-11 01:24:32 | B4

説明会から返って東大の院試を受けることを決めれば後は勉強するだけです。

 

説明会の日に得た情報は研究内容だけではありません。

 

研究室の院生の方や、説明会に参加していた他の人達に声をかけ(皆さんいきなり声かけてきた見ず知らずの不審人物相手に普通に会話してくれてありがたかったです)、僕の進む所では大体5割取れればどこかの研究室には拾ってもらえ、6割取れればほぼ入りたい研究室に入れるという情報を得ました。(※不確定情報なので、もし受けようと思ってる方が居たらご自身で情報収集してみてください。)

 

英語、TOEFL ITPで65%取れれば受かるなと思いました。

 

相関基礎科学系の学力試験は英語と専門科目の2科目のみで、配点は英語が200点、専門科目が600点の計800点で決まります。最悪5割で良いとすれば、英語で65%(130点)取れれば、後は専門科目で45%(270点)取るだけでギリギリ合格します。

 

専門科目は選択問題で、いくつかの大問から3つ選択して解答します。200点×大問3つ=600点です。

 

つまり専門科目は大問一つ当たり90点取れば良いわけです。しかも僕の場合ある分野は得意で、どんなに難しくなっていてもその大問は6割(120点/200点)取れる自信がありました。本番で実際にそれができた場合、残り大問2つは37.5%(75点/200点)ずつ取れればひとまずぎりぎり首の皮一枚繋がります。

 

ここまでしっかり作戦を立てていると、如何にも院試を計画的に突破していそうですが全然そんなことはありませんでした。

 

むしろ、わずか3ヶ月で対策することが不安で仕方ないから、ここまでしっかり計算してどんな問題が来ても大丈夫だという勝算を見出し、自分を落ち着けていました。

 

模試という客観的なデータが存在せず、自分の学力のレベルが分からない院試は、それだけ不安も大きくなります。

 

院試との闘いは不安との闘いでもありました。

 

最終的な目標

英語 130点/200点

専門科目 420点/600点

計 550点/800点

 

------英語についての補足-------

TOEFLはITPとIBTの2種類が受けられます。

IBTは事前に提出できます。内容はリーディング、リスニング、スピーキング、ライティングの4技能です。

ITPは本番勝負です。内容はリーディング、リスニングのみです。

事前にIBTを出して本番で更にITPを受けることもできます。これが一番理想的だと思いますが、僕は時間がないため、スピーキングとライティングを対策する時間を取りたくなかったのでITPのみ受けることにしました。(あとIBTすごく高いです。)

 

英語の点数が高めに設定してあるのは、専門科目は難易度が変わりうるのに比べ、TOEFLの難易度は基本的に変わらないためです。65%取れる実力があれば本番でも取れるだろうと考えました。

 

ちなみに当時の僕の英語力はTOEICで言うと800~850点くらいです。

 

 


5月③説明会当日

2021-03-10 23:43:45 | B4

そうこうしているうちに説明会当日。

 

期待と不安が入り交じったような感覚のまま、電車に揺られて東大の駒場キャンパスに向かいました。

 

東京大学に入るのはそれが初めての経験でした。テレビでしか見たことが無い校舎に少々圧倒されながら、全体説明会の会場に到着しました。

 

相関基礎科学系は、厳密には「総合文化研究科広域科学専攻相関基礎科学系」という位置づけになります。

 

広域科学、の名が示すように、ここではあらゆる科学の分野の横断的な研究、例えば物理と生物の知識を両方必要とするような科学が研究されていました。

 

自分が知らない分野の研究に、こんなに面白そうな研究がされているのかと、すぐに不安は吹き飛びました。

 

全体説明が終わった後、自分が興味を持った研究室に行って、先生方から詳しくお話を聞きました。

 

自分が今まで学んできた学問が、他の科学と融合すると、そんなことができるのかと凄まじいカルチャーショックと感動を受けました。

 

ついでに研究室の新しさや実験器具の豊富さにも圧倒されました。

 

こうして、説明会が終わる頃にはすっかり東大院の受験を決めていました。


5月②間に合う?

2021-03-10 23:20:59 | B4

軽い流れで決まった大学院受験ですが、東大の院に興味が無かったかというと決してそうではありません。

 

僕は大学受験を失敗しているので、後期で受かったレベル的にはそんなに高いわけではない国立大学に進学しています。

 

大学の合格を先生に伝えに行ったとき、何人かの先生に「君は東大の院を目指しなさい」と言われていたこともあり、その時から漠然と興味はありました。

 

(ちなみに、大学から大学院に進学するときに別の大学院を受験することを外部受験と言います。)

 

ただ、大学受験の失敗が若干トラウマになっていたため、外部受験するにしてももう少し受かりやすそうな所を志願していました。

 

そこの試験日程が東大の理学院と被っていたため、東大の院の受験は諦めていました。

 

だから、先輩の話は僕にとって願ってもないチャンスでした。

 

 

とはいえ、志望したから受かるというわけでは当然ありません。

 

大学院の入試は基本的に内部生の方が有利です。院試の問題は、何処の大学でも、結構な割合でその大学の授業で教わる問題が出題されます。逆に言えば、その大学の授業を受けていない者にとってはある程度手探りになるわけです。

 

まして東大の院です。内部生に加え、外部生でもある程度高いレベルを有した学生が受けてくることは間違いありません。

 

そして、東大の院試にはTOEFLが必須ですが、僕はTOEFLを受けたことはありませんでした。

 

受けるとなれば、3ヶ月足らずという短い時間で、TOEFLと専門科目を高い水準で仕上げなくてはいけないというのはなかなか厳しい条件でした。

 

そう考えれば院試を受けるべきかというのは悩むところでしたが、それ以上は考えても仕方ないのでひとまず説明会に行くことにしました。


5月①いともあっさり決まる受験

2021-03-10 22:54:19 | B4

入試と言えば、冬の寒い日に、受験生が机にかじりつきながら、来たるべき日に備えて勉強している様子を想像する様子を思い浮かべる人も多いでしょう。

 

大学院の入試、院試はそのイメージとは大きく異なり、夏に行われます。

相関基礎科学系の場合は、7月下旬から8月の最初に行われます。

 

僕が受験を決めたのは5月のことでした。

 

きっかけは先輩の一言でした。

 

「ラフ、東大の院受けないの?」

 

「いえ、他の大学院と院試の日付被ってるので。」

 

「他の研究科なら被ってないんじゃない? 説明会近いうちにあるから行ってみたら?」

 

「それなら、まあ。」

 

これくらいの軽さで僕の東大院試は始まりました。

 

 


初めまして

2021-03-10 22:46:16 | 日記

初めまして。ラフです。

 

東京大学の大学院の相関基礎科学系というところで大学院生をしています。

 

大学院を受験するときに、攻略法みたいな記事はたくさんあっても、その時のリアルな心境を吐露している記事って少ないなあと感じていました。

 

このブログは備忘録の意味を込めた独り言のつもりで書きます。

 

このブログで人気になりたい気持ちはありません。むしろ院試当時のリアルを書く分、人気になると身バレしそうで困ります。

 

ただ、大学院を受験するに当たって不安な誰かに、また大学院受験という少し特殊な世界に興味がある人にこの記事が届いて、時々コメントが来れば嬉しいです。

 

そんなので良ければどうかお付き合いください。