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「ふる」「ふくわらい」感想 西加奈子

2013-06-17 | 小説・漫画他

「ふる」
大きな事件が起きるわけではないけれど、花しすという女性(私は好感を持ちました)と、花しすを通して見る色々な人を、興味深く読ませてもらいました。悪人とか出て来ないし、人間愛を感じる小説ですね。
現代の若い女性には、もしかしたら、花しすみたいなタイプの子は結構多いのかも・・・。空気を読む、その場の雰囲気を悪くしたくない、人から嫌われたくない、人を傷つけたくない、自分のキャラというものを守りたい(回りの人から、なごむ存在で居続けたい)・・・。

内容も開始早々のタクシーの運転手さんとの会話からして、引きこまれます。
「今の若い人は、飴をかんじゃう・・・。 映画とか見て泣きたい人が多い・・」うんぬん。
この新田人生は、あらゆる時代、あらゆるところで姿を変えて登場します。

主人公の花しすは、人にくっついている白いふわふわした物が見える。ネコにも見えるようだ。
この白いふわふわは、読んでいて想像すると、とっても優しい気持ちになるサブキャラ?でした。
花しすは、人との会話を録音して、後から聞くという趣味があって、それも最後には辞めます。

花しすとルームメイトの友達、モザイクかけの職場の同僚、寝たきりになってしまった祖母と介護する母。
花しすの母が、夫の母を介護するシーンで、「同じ女同士」というセリフが出て来ます。
この小説全編に渡って、色々な女性を、「同じ女」として包みこむというか・・・同性への応援みたいな・・・そんなのがテーマなのかなぁ~なんて思いました。結構色々な人が登場して、介護の部分とか、モザイクの仕事とか、不倫のこととか、様々なパーツが散らばっているのに、散漫な感じがせず、ちゃんと繋がってる感じがする・・。
西さんって、文章が凄く上手いんだろうなぁ~と、文学とかに無知な私ですが、そう感じました。
読みやすいんだけど、軽く薄っぺらくはない。
偉そうでは全然無いんだけど、ちょっと哲学的な要素も入ってるって感じです。4つ★

【あらすじ】内容(「BOOK」データベースより)
池井戸花しす、28歳。職業はAVへのモザイクがけ。誰にも嫌われないよう、常に周囲の人間の「癒し」である事に、ひっそり全力を注ぐ毎日。だが、彼女にはポケットにしのばせているICレコーダーで、日常の会話を隠し録るという、ちょっと変わった趣味があった―。

ふくわらい

先に読んだのは、こちら。
父は著名な旅行記を書く作家で、幼い時、世界の秘境を一緒に旅した定。
火葬の時、人肉を食べるという行為をしたことが、小説で世間に公になって、変人として扱われる様に・・。

定はちょっと変わった女の子だけど、悪い子じゃないし、小さい頃から、ふくわらいマニア(会う人の顔のパーツをいじって妄想する趣味)とか凄いユニークで面白かったし、読んでいてイラっと来るようなタイプじゃなかったので楽しく読めました。3つ★半

定に一目惚れする、目の見えないイタリア系の男子とのやりとりは、微笑ましかった。
「先っちょ」は、笑った~。
でも、最後のオチ(自ら服を脱いで裸で歩く)は、ピンと来なくて、良く分からなかったな・・・。
初めて友達が出来たところとかは、良かったなぁ~と思いました。

編集者として担当のプロレスラーの人(面白い顔立ちをしている)との交流とか、世界中の女性の性器の違いを表すとか(この後読んだ「ふく」でも、こういう話題が出て来てたので、何か西さんが現実で、この手の事でガツーンと来る事があったんだろうな)

ふくわらい (2012/8/7)
マルキ・ド・サドをもじって名づけられた、書籍編集者の鳴木戸定。
彼女は幼い頃、紀行作家の父に連れられていった旅先で、誰もが目を覆うような特異な体験をした。
その時から、定は、世間と自分を隔てる壁を強く意識するようになる。

しずく
漁港の肉子ちゃん
炎上する君
「あおい」「さくら」感想
きりこについて

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2 コメント

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ふくわらい (こに)
2013-06-19 08:23:13
最後のオチは極端ではないかと思うくらい厳しかったですね。
西さん、本当にプロレスが好きなんですね~。
そこが理解出来ないのが残念です。
こにさん☆ (latifa)
2013-06-19 10:36:21
こんにちは、こにさん
 
ラストシーンは、こにさんが書いていらっしゃるように、今までの自分の殻から解放されて新たな一歩をってところだったのでしょうね。

実は、私もプロレスは、良さがよく解らない人間なんですよ・・・。
凄い昔なんですが(今から30年くらい前)、椎名さんとか、時代屋の女房書いた、村松さんとかが、盛んにプロレス賛歌なエッセイとか書いていて、世間で注目されていた時から、どうもハマれないまま今に至ってしまっています・・・。

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