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「流」東山彰良 感想

2018-02-25 | 小説・漫画他
先日、「僕が殺した人と僕を殺した人」東山彰良を読んで、直木賞受賞の「流」の続編的な内容と知って、それじゃあ、「流」も読んでみようかな?と思いました。

うーん、「僕を殺した人~」は面白かったのだけれど「流」は、あまり好みの内容ではなかったです。
戦争で殺しまくるとか、ヤクザとのバトルとか喧嘩とか、そういう内容は、ちょっと・・・・
もし先に「流」を読んでいたら「僕が殺した~」は読まなかったかもしれません。

とりあえず、せっかく分厚い本を読んだので、あらすじを書いておこうと思います。

舞台は1972年の台北。
葉秋生は、外省人の高校生。
祖父は、かつて中国で戦争中、人を殺しまくった過去があるが、孫には、めっぽう優しい人だった。
祖父には子供が3人と、血がつながっていないが、一緒に逃げて連れ帰って来た宇文がいる。
(祖父が国民党で、共産党と戦争している時に、部隊長だった許二虎の息子)
宇文おじさんは船乗りで、世界各国を回っている。
後に、秋生のために、やくざの事務所に一人で乗り込んでくれたりする、いい人。
また、祖父はわが子よりも、おじさんに特別目をかけて可愛がっていた。

ある日、祖父は、迪化街の店屋の風呂場で、殺されているのを、孫の秋生が発見する。
祖父を殺した犯人を探すのだが、なかなか解らない。

秋生は、幼馴染みのチンピラ趙戦雄ととつるんだり、喧嘩したり
学校を中退したり、軍隊に入ってしごかれたり、また、2個年上の幼馴染の毛毛と恋仲になったり、という生活を送っていた。

★以下ネタバレ★
なんと祖父を殺したのは、宇文おじさんだった。
実は、彼は皆殺しにされた、王一家の息子だったのだ。
(いつ祖父が気がついたのかは解らないけれど)彼が王一族の息子であることに気がついていたことが、ピストルと一緒に隠してあった写真によって解る。祖父は、復讐のため、殺されることをずっと覚悟して生きて来ていたのだった。
最後は、秋生が中国に住むおじさんのところに行って再会、事実が解るが、逆に王一族の子供にピストルでやられてしまう。
命に別状はなく、おじさんがやったことにする。おじさんは、もうどっちみち肺の病気で先行きが無かった。
ちなみに、毛毛は、若い頃淫乱だった母親が、秋生の父とも交渉を持っていたので、まさかとは思うが、血のつながった異母兄弟である可能性があり、泣く泣く毛毛が恋心を封印して、医者と結婚しアメリカに行った事が、後に解る。
うーん、べったり毎日一緒に暮らして来たわけじゃないけれど、長年可愛がってもらったのに、祖父を殺すなんて、ショックでした。
その後数年して、っていうなら解るけど、ずいぶん何年も経ってから・・・なんてね・・・。
以上

当時、中国で、共産党か国民党か、どっちにつくか?という理由が、食事を食べさせてくれたから、とか、兄弟分のつながりから・・とか、なんとなく的な動機で参加した人も多かったり、戦争後も友人とチンピラや、仲間の諍いなども、やられたからやり返す、の繰り返しで、終わらない復讐の連鎖・・・。虚しいですね・・。

驚いたのが、台湾では、兄弟分の義理というのは、何よりも強いようで、自分の妻や子供よりも、先に相手の家族をまっさきに守ったり助けることを優先するんですねー。


「流」 2015/5/13 東山彰良

選考委員満場一致の第153回直木賞受賞作。
「20年に一度の傑作。とんでもない商売敵を選んでしまった」(選考委員・北方謙三氏)
「私は何度も驚き、ずっと幸福だった。これほど幸せな読書は何年ぶりだ?」(選考委員・伊集院静氏)

1975年、台北。偉大なる総統の死の直後、愛すべき祖父は何者かに殺された。
内戦で敗れ、追われるように台湾に渡った不死身の祖父。なぜ? 誰が?
無軌道に生きる17歳のわたしには、まだその意味はわからなかった。
台湾から日本、そしてすべての答えが待つ大陸へ。歴史に刻まれた、一家の流浪と決断の軌跡。

ネタバレ全あらすじ「僕が殺した人と僕を殺した人」東山彰良

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2 コメント

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Unknown (はまかぜ)
2018-03-02 23:18:37
こんばんは。
なかなか凄まじい内容のようですね
私もあまり生々しい殺し合いの描写などは得意ではないです。

ただ選考委員満場一致とあり、北方謙三氏と伊集院静氏のコメントを見ると評価はかなり高いですね。
緊迫した雰囲気と誰が祖父を殺したのかを追う謎解きが読んでいて読みごたえがあるのかも知れないですね。
はまかぜさん☆ (latifa)
2018-03-04 09:29:13
こんにちは、はまかぜさん
ずいぶんここ数日は春めいてきました。

そうなんですよ、選考委員の方々の評判が凄い事に驚きました。
私は、そういう評判とか知らずに読んで、読み終わった後にそれを知ったのですが、先にこの絶賛評価を見て読んだらば、どういう印象を持っただろうか・・・と思いました。

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