ど～する？ グロソぶ？

暫くぶりに前の会社の先輩から電話が来て「呑みに行かない？」のお誘いかと思ったら、「シカクまめはさ、FPの勉強してるって言ってたけど投資信託についても解るの？知ってたら少し教えて欲しいんだけど、グローバルソブリン（毎月分配型）てあるよね。ちょっと付き合いがあってお金入れてるんだけど、ダイジョブなの？証券会社がもし潰れたりしたらどうなんの？パァ～にならないの？ちょっと纏まった金額を入れてるからさぁ、教えてよ。」

どうやら話のニュアンスからすると1,000万円単位のお金が入ってるようだ。

この先輩は、体調を崩したのとほぼ同時に会社が希望退職を募ったので、これ幸いと真っ先に手を挙げて、割り増し退職金を手に、気分すっきり退社した口。家族は年老いたお母さんと、成人してる息子２人だけ。年季が入っているとはいえ、新宿区に賃貸マンションを所有しているので、今後どうなるのか解らないけれども、公的年金受給年齢まで不動産所得で食いつないで行けば、人生何とかなる。余計なことをしてキャッシュフローを乱れさせることがなけれな。

グロ・ソブに関しては、個人的には興味がなかったので調べたことがなく知識もほとんどなかった。

・毎月（四半期毎、１年毎もある）の配当があり、高齢者に非常に人気がある
・債券に投資しているので、株式のみの投信に比べて基準価格のぶれは大きくない
・配当が毎月あり「儲かっている」ようで、実は「特別配当」であり、自分の拠出した資金を払い戻している部分が大きい
・よって、将来グロソブを解約（買取）した場合　　配当金＋税引後の手取額＜拠出金額　　というケースも充分に考えられる、よなぁ。
まぁ金融商品（リスク資産）ならどれも可能性はあるんだけど、なんかグロソブに関しては「おいしさ」が感じられないぞ。

といったようなことを説明したんだけれども、数字の裏付けのないまま説明してしまったので、これ以上いいかげんなことも言えず、電話をいったん切って調べてみた。

１年程前に書かれた、ある方のブログに分かり易い説明が出ていた。
数字に関しては現在の価格を使っています。

・純資産総額約５.５超円（す・すご杉）
・グロソブの投資先の利率は平均４％（とする）
・配当は１ヶ月４０円。年間４８０円
・基準価格は約8,000円なので、単利計算で６％

・４％でしか回っていないものが、何故６％還元できるの？
・バランス型の投信で、販売手数料１.５％、信託報酬（預り手数料）１.２５％、信託財産留保額（解約手数料）０.５％は高いんじゃな～い？
・配当を再投資して複利で回さないと、美味しくないんじゃないの？というより、同じグロソブなら１年型の方が効率はいいよね。
・拠出金額の一部を毎月投資家に還元しているってことは、元本を取り崩してるってことだよね。ってことはそれに比例して基準価格も本来なら下落するのが物理的？に正しい筈なんだけど、下がらないのは何故なんだ？

「おじいさん、新聞やニュースで『これからは貯蓄から投資へ』なんて騒いでますけど、ウチも何か考えなくちゃ～いけないんですかねぇ？」
「そ～だなぁ、ばぁさん、明日にでも、ほれ駅前のなんていったかなぁ、なに銀行だっけ？最近銀行はすぐ名前変わっちゃうから解らなくなっちまうなぁ、そのうちぜ～んぶ合併して『都市銀行』なんて名前になったりして（笑）・・・ばぁさん、ココで笑わないと笑う所ないよ。ばぁさんや、おい、ばぁさん・・・笑い過ぎで気絶したのか。」

・・・なんてことで、高齢者中心に「純資産総額NO.1を誇り」「毎月お孫さんにお小遣いをあげられる」グローバルソブリンを購入する。その結果買い支えていることとなり「基準価格8,000円」を保っているんだから、そのうち購入が一段落して資金流入が減ると、一気に下落するんじゃないだろうか。



だから「買ってはいけない投信」の一つだと思いますよ。



と今度先輩と呑みに行って、ほろ酔い気分になった時に、雰囲気を壊さないように気をつけて切り出してみよう。かな？