いくらおにぎりブログ

邦画中心の映画感想ブログです。ネタバレがありますのでお気をつけ下さい。

【映画】妻こそわが命

2006-09-09 | 邦画 た行

【「妻こそわが命」佐伯幸三 1957】を見ました。



おはなし
ピストン堀内と呼ばれたボクサーの堀内次男(菅原謙二)は、脳挫傷のため試合に出られない日々が続きます。戦時中はただ、海を見るだけだった堀内。しかし、妻秋子(若尾文子)の献身的な看病もあり、病は徐々に癒えていきました。そして迎えた1951年、復帰の試合をKOで飾った堀内は勝利の直後、引退を発表します。しかし、彼の目はすでに限界。帰り道、線路を歩いていた堀内は機関車にはねられ短い生涯を終えるのでした。


ピストン堀口(堀口恒男)の伝記をもとに橋本忍が原案を書いたボクシング映画です。
監督は花嫁花婿チャンバラ節の佐伯幸三。カメラは増村保造、川島雄三、岡本喜八などの映画を撮った村井博。
トーキーが始まる前から映画を撮っていたベテラン監督と、新人のカメラマンの組み合わせが奇跡的な映画を実現しました。
とにかく拳闘シーンは、スピーディなカット割りで、ものすごい迫力です。これは、まさに日本のロッキーと言っても過言ではありません。主役を演ずる菅原謙二の肉体も、無駄な肉が一切なく、まさにボクサーの体つきでした。
実際のピストン堀口の試合ではラッシュが始まると、観客が一斉に「わっしょい、わっしょい」と叫び出したそうですが、この映画でもきっちり再現されています。やっぱり、アウトボクサーよりインファイターの方が画になりますね。そして相手がダウンすると観客総動員で、テンカウントの大合唱。ホント、迫力満点です。

この映画の魅力はもう一つ。とにかく若尾文子がアップで撮られまくっていることです。ボクシングのシーンは、とにかく考え抜かれたカット割りで、力強く撮り、一方の若尾文子はストレートにアップで撮る。素晴らしい、観客の求めていることを完全に理解しています。
けなげな若尾文子は、もう可愛いの一言。なんで、こんな可愛い奥さんがいるのにボクシングなんてやってるんだよ、と思ってしまうくらいです。

ピストン堀口は、列車に引かれ轢死しました。もちろん、この映画のピストン堀内も轢死します。そのためか映画の途中、何回か列車のシーンがあるのですが、そこらへんの処理も絶妙です。明るい画面の中に、ふっと挿入される不吉な影。なんともやり切れない気分になります。

ともあれ、菅原謙二の迫力の拳闘シーンと若尾文子の可愛い表情。ベテラン監督ならではの「ベタ」な展開と、新鋭キャメラマンの斬新な映像。こういった要素が渾然一体になった,この映画。断然、お勧めです。

とりあえず、今回は若尾文子の画をたくさん載せてみます、もちろん個人的な趣味です。




 

 

 

 

 

 

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7 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
若尾こそわが命 (シャケ)
2006-09-13 10:58:47
すばらしい~。

女優のすばらしさを納得させるのには、やはり写真を載せるのが一番ですよね。わかりやすいし、説得力が違う。

でも若尾文子は映画界からは引退してるんですよねえ。悲しい・・・なんとかスクリーンに復活してもらいたいです。

ともかく、いくらおにぎりさん、若尾文子をたくさんアップして頂いて、ありがとうございます!

春の雪 (いくらおにぎり)
2006-09-13 11:31:26
若尾文子は行定監督の「春の雪」に出ていますよね。竹取物語以来、18年ぶりだそうですが。

今度見ますので、また感想をアップしますね。竹内結子に目が行かず、ほとんど若尾文子ばっかり見てしまいそうです。

あと「映画女優 若尾文子」という本を読み始めました。とはいえ、職場にはでかくて持っていけないので、読書スピードは亀の歩みになりそうですが。
教えてください! (ジャスミン)
2007-05-15 20:26:13
はじめまして。「妻こそわが命」で検索をしてこちらのブログを拝見しました。
私はこの映画を見てみたいのですが、
古すぎて、今まで見つけることができませんでした。いくらおにぎりさんはどのようにご覧になっているのでしょうか?
難しいかも (いくらおにぎり)
2007-05-16 06:30:18
ジャスミンさん、はじめまして。こんにちは。

ぼくは、この映画をスカパー!で観ました。うろおぼえですが衛星劇場だったかな?
それで、この手の古い映画は、放送月には、何回かリピート放送されるのですが、それをのがすと厳しいですね。ただ、2年3年というオーダーで考えれば、再び放送されることが「ないこともない」ので、気長に待つしかないと思います。
あとは、国立フィルムセンターや、ラピュタ阿佐谷などの上映スケジュールを丹念に追いかけるとかでしょうか。
お役に立てず、ごめんなさい。
ありがとうございます (ジャスミン)
2007-05-16 16:13:16
いくらおにぎりさん、ありがとうございます。
そうなんですね。
なぜ、この古い映画を特定して見たいかというと、50年前の若い父がエキストラとして、出演しているからなんです。実は題名は不明で、若尾文子さん主演でボクシングの観戦のシーンではっきりわかるというのをきいたことがあるので、この映画ではないかと思うのです。国立フィルムセンターの所蔵フィルムの検索をしてみましたが、残念ながら該当なしでした。スカパーでそういった放送があるとは知りませんでした。これから気長にチェックしてみます。どうもありがとうございました!
気をつけておきます (いくらおにぎり)
2007-05-16 18:38:56
ジャスミンさん、こんにちは

50年前のお父様の姿を探すためですか。なんか良い話ですね。
そんなご事情であれば、ぼくも気をつけておいて、他のチャンネルでも放送がある時は、お知らせをアップするようにします。

早く見られると良いですね。

お願いします (ジャスミン)
2007-05-16 22:25:31
いくらおにぎりさん、ありがとうございます。

ちなみに父は健在ですが、高齢なので元気なうちに見せてあげられたらと思ってます。
ただのエキストラですけど(笑)
もし、放送の予定をみかけられましたら、ぜひお知らせにアップをお願い致します。
映画オンチなので、コメントはできないと思いますが、私もいくらおにぎりさんのブログを時々見させていただきますね。

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