いくらおにぎりブログ

邦画中心の映画感想ブログです。ネタバレがありますのでお気をつけ下さい。

【映画】実は熟したり

2006-07-28 | 邦画 ま行

【「実は熟したり」田中重雄 1959】を見ました。

おはなし
しのぶ(若尾文子)はお年頃。今日も見合いをさせられますが、「配給」と称してそれを友人に譲ってしまうつもりです。実は、しのぶには、以前から好きな人がいるのです。その人は、昔、自分の家に下宿していた商業デザイナーの日向五郎(川崎敬三)。しかし、彼は責任感から愛の無い結婚をしようとしています。そして、堀田雪夫(友田輝)の熱心なアタックにしのぶの心は揺れるのですが……

主演の若尾文子を軸に考えると人間関係がややこしくなるので、川崎敬三を軸にすると、こんな映画です。若尾文子は恩人のお嬢さん。川崎敬三は実は若尾文子が好きなんだけど、彼のために自殺未遂を起こしたというモデルと婚約をします。また、彼の取引先の社長(東野英治郎)令嬢からも、猛アタックを受けています。トレンディドラマのように、入り組んだ人間関係で、他愛の無い映画、と思うと意外な展開で、けっこう引っ張るので、なかなか面白いです。

監督は無声映画時代から撮っている田中重雄。キャリアの割には節操無く何でも撮ります、といった職人監督だと思うんですが、にじみ出る面白みは、センスを感じます。コメディだけは、センスがないとどうしようもないので。

川崎敬三に惚れている社長令嬢が、アイスを買ってくるシーンでは、「あー、溶けちゃう、溶けちゃう」という台詞をかぶせて、アイスが溶けていくのを早回しで撮ってみたり、

橋の上で金を勘定している露天商に「○○はどこですか」と登場人物に尋ねさせ、そのたびに金勘定がやり直しになるというシーンを延々と撮ってみたり(ちなみに、露天商は左卜全。出番はこれだけ)

社長令嬢が川崎敬三を誘って、ドライブするシーンも、必要も無いのにクルマを猛スピードで走らせてみたり

など、本筋にまったく関係ない部分で遊んでいます。

また、若尾文子の兄の役で出ている田宮二郎も最高。年上の人との恋愛で悩んでいる田宮二郎を川崎敬三がぶっ飛ばすシーンがあるのですが、倒れた田宮二郎が、上目遣いに川崎敬三を見上げる、その可愛さと言ったら。まるで、甘える子犬ですよ。ホントに可愛いんだ。

ともあれ、1時間40分ほどの映画にあれこれギッチリ詰め込んで、お客さん楽しんでくださいね、という姿勢は立派の一言。ついでに、ザ・ピーナッツも出てたりします。もう、お腹いっぱい。

最後は、若尾文子と川崎敬三が結ばれて終わり、かと思ったらそうはならないんですよね。二人はあっさり分かれます。ここまで、娯楽で引っ張っておいて、最後はそんなドライな結末かよ、とさらにびっくりでした。

 

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