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【特集:ロマンスカーGSE】 試乗インプレッション

2018年03月11日 | 小田急電鉄

 

【はじめに】

2018年2月某日、デビューに向けて調整中の新型ロマンスカーGSEに、試乗させていただく機会を持ちました。モノクラス編成でありながら、高いサービスレベルを随所に感じられたことから、ブログの特集としてGSEの「試乗インプレッション」を書き残したいと思いました。これからGSEに乗車される皆さま、箱根へご旅行を計画されている皆さまに、本稿が良い参考となれば嬉しく思います。主観ベースの長文となりますが、最後までお付き合いいただければ幸いです。

 

 

【GSEの概要】

ロマンスカーGSEは、初代SEから数えて9代目に当たる特急専用車両です。GSEとは「Graceful Super Express」の略称で、その名の通り『優雅な時間を車内で過ごしていただきたい』という願いが込められているそうです。デザイン設計は、フランス政府公認建築家の岡部憲明氏が主宰する「岡部憲明アーキテクチャーネットワーク」が担当しています。同事務所では、7代目のロマンスカーVSE以降、歴代のロマンスカーを一貫してデザインしており、車内には同事務所がデザインしたことを示す、ヘアライン仕上げのシルバープレートが掲出されています。乗車された際には、車内のどこに付いているのか探してみるのも面白いと思います。車体塗色は、薔薇色を基調とした「ローズバーミリオン」がキーカラーとなっており、車体側面には黒く縁取りされたバーミリオンオレンジの細い帯が引かれています。VSEでは“引っ張って消える”印象の「バーミリオンストリーム」と称する帯を採用していましたが、GSEでは終端部を鋭角に細く絞り込むデザインを採用しています。

 

 

【展望席】

1・7号車の両先頭車には、各16席の展望席が設けられています。サイクロイド曲線状にワンモーションで下りる先頭形状に合わせて、展望席先端も緩やかに絞り込まれています。最前面には3次曲面の大型フロントガラスが埋め込まれており、巧みなピラー処理も手伝って流れる大眺望を楽しむことができます。展望席ならではの伸びやかなヴォリュームはもとより、とにかく明るい車内空間であることに、試乗で乗り合わせた皆さまからも驚きの声が上がっていました。これは実際に乗ってみないと味わえない明るさだと思います。座席背面は濃いグレー、床材の絨毯も落ち着きのあるグレー基調としている他、天井等の化粧板はホワイト処理とすることで、沿線の風景がより鮮やかに入り込んでくるよう、デザイン上の配慮が徹底して行われているようです。照明器具は、天井両端に線形に設置されているLEDの照明ユニットのみで、夜間走行時は少ない照度の中で流れる夜景を穏やかに楽しめそうな気がしました。

 

 

【座席】

VSEやMSEでは座り心地がカタイと評されることが多いようですが、GSEではフルモデルチェンジされており、薄型ながら座り心地も上々でした。座席背面はグレーの合皮張地に対して、表地は造形作家の岡崎乾二郎氏監修による鮮やかなモケットデザインとなっています。通路の歩行補助を目的とした手すりも、背ずり上端にさり気なく設けられており、「取って付けた部品感」のない新しいデザイン処理だなと感じました。テーブルは袖仕切りに収納されており、肘掛をパタンと持ち上げることで、テーブルのリンク機構から展開できます。意匠は形状・サイズ的にも、前年3月にデビューしたEXEリニューアル編成のものを踏襲しているような印象を受けました。座席の回転機構は、一般的に脚台のフットペダルを踏むことでストッパー解除を行いますが、GSEでは袖仕切り下端部のレバーを引くことでストッパー解除・回転が行えます。これは、脚台の左右にトラベルバッグを収納することを考慮して、従来のフットペダルタイプから仕様を変更したようです。少し屈んで操作する必要があるので、慣れるまでに時間を要しそうですが、時間とともに定着していくと思います。

 

 

【サニタリースペース】

VSE・MSE同様に、客室通路のリニアな動線が大きく変化する地点となります。限られたスペースに、各サービス設備が効果的にレイアウトされています。GSEでは、4号車に車販準備室を含むサービス設備が集約された点が、VSE・MSEと異なる新しいポイントとなっています。これは、朝夕ラッシュ時の座席定員確保、そしてワゴン販売に重きを置いていくことへの現れだと感じました。また、設備的にサインが密集しやすいエリアですが、各設備の設置箇所を矢印で示すなど、適度なフォントサイズで分かりやすく掲出している点に好感を持ちました。床材や化粧シートも、VSE・MSEと比較してクールなカラーが採用されています。客室とのバランスや、ガラス仕切り戸の透明性も考慮しながら、最適な配色とテクスチャが選定されている印象を受けました。

 

 

【まとめ】

ここまでGSEのインテリアを中心に、ベーシックな仕様についてレビューさせていただきました。建築デザインの面、そしてエンジニアリングの面において、ここでは書き記せないほどの新しい試みが、GSEでは大きく展開されています。特にインテリアにおいては、目に見える部分、肌に触れる部分以外にも、人間の知覚に訴えかける仕掛けが数多く盛り込まれています。実際の乗車を通して、皆さまそれぞれに新しい発見があればと願っています。最後までお付き合い下さり、ありがとうございました。

Photo by landscape / Canon EOS60D

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【ロマンスカーGSE】 日中試運転を開始 vol.14

2018年03月11日 | 小田急電鉄

 

雨に煙る、多摩丘陵を駆ける。

Photo by landscape / Canon EOS60D

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【ロマンスカーGSE】 日中試運転を開始 vol.13

2018年03月11日 | 小田急電鉄

 

期間限定、多摩ニュータウンを駆ける。

Photo by landscape / Canon EOS60D

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