リタイア暮らしは風の吹くまま

古希を迎えて働く奥さんからリタイア。人生の新ステージで
目指すは悠々自適で遊びたくさんの極楽とんぼ的シニア暮らし

サンタクロースは本当にいるの?

2014年12月07日 | 日々の風の吹くまま
長くなるのを承知の上で、クリスマスに因んだ話をもうひとつ。19世紀末のニューヨークで
発行されていたThe New York Sun(別名The Sun)という新聞のQuestion and Answer
欄に、8歳の女の子ヴァージニアちゃんが「ほんとのことを教えてください。サンタクロースっ
ているんですか?」という質問の手紙を送った。(Wikipediaの写真を見ると、8歳にしては
しっかりした筆跡。)その手紙に対して論説委員のフランシス・チャーチが返事を書いて、『Is
there a Santa Claus?』と題する社説として掲載して有名になり、休刊するまで50年以上も
毎年再掲載され続けたという。

8歳の子供の素朴な質問に真摯に答えたのもすごいけど、それを社説として掲載したのは
もっとすごいと思う。じっくり読んでみると、子供に説き聞かせるような口調ではあるけど、実
は大人へのメッセージだったんじゃないかと思えて来る。日本語訳がいくつかあるようだか
ら、ここではいちいち訳さないけど、知らない人はいない「Yes, Virginia, there is a Santa
Claus」(そう、ヴァージニア、サンタクロースはいるんです)と言う件の後に、「愛や寛大さや
献身が存在して、その豊かさが人生に最高の美と喜びを与えてくれる」ようにサンタクロー
スは存在するのだという主旨なのは間違いない。

サンタクロースを見た人はいないけど、それは存在しないという証拠にはならない。妖精を
見たことがないからと言って、そこにいないという証拠はない。目に見えるものしか信じない
のなら、人は感覚と視覚でしか喜びを得ることができなくなる。この世の本当の真実というも
のは大人にも子供にも見えないものだ(けれども確かに存在する)。まさにサンテグジュペリ
の『星の王子様』で狐が王子様に教えた「On ne voit bien qu'avec le coeur. L'essentiel
est invisible pour les yeux」(心で見ないとちゃんと見えない。本質的なことは目には見え
ないんだよ)に通じる気がする。(アナログ狐だな・・・。)

この年になってもクリスマスの季節になるとワタシは心が弾む。華やかな飾り付けやイルミ
ネーションは別に、仮死で生まれて生き延びたのはクリスチャンのお産婆さんの祈りを神様
が聞き届けてくれたからで、子供心に教会付属の幼稚園でそのオーラを感じたからだろうと
思う。小さい頃に父がどこからか材料を調達して来て飾ってくれたクリスマスツリーは、針葉
樹の香りや耳を澄まさないと聞こえないほどかすかな音を立てて点滅するクリスマスライト
と共にしっかりとワタシの原風景に焼きついている。

昭和30年頃の近所のどの家もクリスマスなどやらなかった時代のことだけど、サンタから
のプレゼントもちゃんと届いた。夏の間デパートでおもちゃをねだるたびに母に「触らないで
見るだけ!」と叱られていた、その中のひとつが奇跡的に枕元にあった。あのメタボ体型の
サンタが石炭ストーブの細い煙突を通れるということ自体が不可思議で、考えあぐねて出し
た結論が、「お父さんが外でサンタを待っていて、煙突が細くてすみませんと言ってプレゼン
トを受け取ってくれた」というものだった。

そんな子供の原風景からキリスト教寄りの思考が生まれたんだと思うけど、ワタシは「宗教」
は窮屈で好きではないので、キリストが説いた「アガペー」を自分なりに「信仰」の拠りどころ
にしている。アガペーは目には見えない。このあたりに「サンタクロース」がいるような気が
するんだけど、こと信仰となると手短に語れるものではないので・・・。

クリスマスの12日のプレゼントは

2014年12月07日 | 日々の風の吹くまま
カレシがレッスンのとき以外はほぼつけっぱなしのラジオ。今の時期は賛美歌からクラシッ
クからポップスアルバムまで、ほぼ1日クリスマスムード。(幸い?『ジングルベル』はそんな
にかからない。)懐メロも含めると半端じゃない数の歌手が半端じゃない数のアルバムを出
して来ているから、ひとつの歌をいろんな歌手で聴き比べるとけっこう飽きない。へえ、この
人がこんな風に歌えるんだ~と見直すようなものもあるし、いかにもめんどくさそうに歌って
いるのもある。

ワタシはクリスマスが大好きだし、賛美歌も好きだから、クリスマスキャロルも大好き。一番
好きなのは『O Holy Night』(日本語題は不明)。でも、16世紀から伝わる『The Twelve
Days of Christmas』(クリスマスの12日)はつい一緒に歌ってしまう逸品。元々クリスマス
はキリストが生まれたとされる12月25日から12日間続く「節」。日本では翌26日にはクリ
スマスツリーを片付けてしまうけど、伝統的にはツリーを片付けるのは東方の三賢人が訪
れたという1月6日のEpiphany(公現祭)の前夜。中世の頃はこの十二夜に飲めや歌えの
どんちゃん騒ぎをやったらしくて、『クリスマスの12日』はその遊び歌だったという話。

クリスマスの最初の日に愛しい人がくれたプレゼントは梨の木の中のヤマウズラ1羽。2日
目はキジバト2羽とヤマウズラ1羽。3日目は雌鶏3羽とキジバト2羽とヤマウズラ1羽、4日
目は呼子鳥4羽と雌鶏3羽とキジバト2羽とヤマウズラ1羽・・・という具合にプレゼントが雪
だるま式に増えて行って、誰かの計算によると12日間のプレゼントは合計364個!おお、
愛しい人のこの深情けよ。もっとも鳥ばっかりもらってどうするんだと思うけど、後のガチョウ
や白鳥の他に金の指輪とか貴婦人や紳士、笛吹きやドラマーが加わってにぎやかになる。

スタン・フリバーグの現代版の替え歌には何日目だったかに「ジャパニーズトランジスタラジ
オ」が出て来て、20世紀らしくちょっと実用的。このクリスマスの12日間のプレゼントをまじ
めにあげたらいくらかかるかを過去30年毎年試算して発表している銀行がアメリカにあっ
て、2014年は総額にして116,273米ドル(約1400万円)。もちろんお金で愛情を計る
のは熱烈に恋している人にはとんでもないことだけど、数字が基本条件の日本の婚活女子
だったらどうなんだろうな。愛されてるっ!とウルウルする・・・かな?