昨年10月、会社時代の先輩が自己破産した。
「2月には返済するから」という口約束で、少なくない金額を用立てた。
2月になったら、返済するどころか、「もう少し支援してもらえないか」という話をしてきた。
「しまった」と思った、安易に借金に応じてしまったことを後悔した。
その後は無しのつぶて、そして、突然の自己破産である。
本人からは、状況説明もなければお詫びの言葉もなかった。
ネットで自己破産を調べると、「人生をリセットできる」とか「返済で悩まなくてよくなる」とか書いてある。何を言っているんだ、借金を踏み倒されたほうはどうなる。
その後、破産管財人から債権の調査があった。
破産人の残余財産は現金に換えて債権者に分配することになる。
多少は回収できるかもしれないので必要な書類を出した。
また、家簡地裁合同庁舎で債権者集会を行うという。
財産状況報告があるようなことが書かれているので、とりあえず行ってみることにした。
破産者に債権者が詰め寄るような場面を想像していたが、全く違った。
まるで、会社説明会にでも来たような感じだ。
前方にテーブルセットが用意されていて、「管財人」「弁護士」「債権者」「破産者」と書かれたプレートが置いてある。そこに、破産者が順番に呼ばれる。
よく見ると、あの先輩がいた。
恨みごとでも言おうと思ったが、そういう雰囲気でもなかったので、普通に挨拶を交わした。
相手も気まり悪そうな表情をした。
自己破産してよかったと思うほど人間は悪くない。
自分たちの番になり、テーブルに座ったが、債権者の存在は全く無視され、全体が分かるような経過報告や財産報告のようなものもなく、財産の処分状況を簡単に確認しただけで終わった。
時間して5分足らずだ。
次回の集会は7月で、それで全て免債になるのだという。
帰り際に先輩が来て、「全部すんだら返済を考えるから」と言ってきた。
もう関わりたくないので、気持ちだけもらっておくことにした。
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