徒然なるままに 

BGMはモダンジャズ、暇つぶしの自分史

宇都宮界隈 大谷寺

2016年08月17日 | 旅行記

「古代の横穴式住居に包み込まれる大谷寺」という表現がある。
写真を見れば、本堂が岩に押しつぶされそうな奇景に驚く。
実際には岩に彫られた石窟仏を保護するために建てられたもので、奥行きはまったくない。
本堂正面の洞窟内には、ご本尊の大谷観音が彫られている。
4メートルの岩彫りの千手観音で、日本最古の石崖仏として知られている。
本堂左側には、釈迦三尊、薬師三尊、阿弥陀三尊の九体が彫られている。
この十体を総称して大谷崖窟仏と呼ばれており、国の特別史跡と重要文化財の二重指定を受けている。
大谷寺
とはいえ、これだけなので、参拝時間は5分程度である。
しかも、本堂内部は撮影禁止だ。
拝観料は400円。ネットの情報では300円だったから最近値上げしたようだ。
「これで400円」、かなり不満が残る。

敷地内には宝物館があり、縄文時代の人骨や土器が展示されている。
この周辺は古代人が生活した痕跡が認められている。
洞穴内の深さ3mの地層からほぼ完全な形の縄文人の人骨が出土した。
この人骨は20代前後の男性で、放射性炭素法とフッ素法の二種類で年代を測定した結果、縄文時代草創期(約1万1千年前)と判定された。
このことから、大谷寺の洞窟は元々縄文人の横穴式住居であったものと考えられている。
冒頭、「古代の横穴式住居に包み込まれる大谷寺」という表現の根拠はここにある。

とはいえ、人骨を見学するのは気持ちのいいものではない。
すっきりしないまま外に出た。
平和観音
大谷寺のすぐ前が大谷公園である。
大谷石採掘場跡を公園として整備したもので、公園内には高さ27mの平和観音像がある。
戦没者の慰霊と世界平和を願い、昭和23年から6年の歳月をかけて完成させたいう。
間近に見ると、その大きさよりも、これがすべて手彫りだということに驚いてしまった。
6年もかかるわけである。
観音像の横手に階段があり、そこを登れば大谷の町並みが一望できるという。
登っていく人もいたが、こちらは早々に断念した。


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