徒然なるままに 

BGMはモダンジャズ、暇つぶしの自分史

アベノミクス、いつかきた道

2013年04月06日 | 日記・エッセイ・コラム

アベノミクスとは、アセット・バブル・エコノミーと揶揄した評論家がいたが、今回の日銀の大規模な金融緩和策をみれば、なるほどという感じもする。
市中への資金供給量(マネタリーベース)を昨年末の138兆円から2年間で約2倍の270兆円まで増やすというのだから、単純に考えれば、円の価値は半減することになる。ドル・円で見れば、1ドル190円ぐらいの水準になるので、確かに輸出企業にとっては居心地のよい水準ではある。もっとも、アメリカもEUも金融緩和を継続しているから、ここまで下がることはない。通過安競争と言われる所以で、結果は大量の博打マネーが市中に氾濫することになる。

日銀の常識を超えた巨額の金融緩和を受けて、日経平均株価は発表直後から一時1000円を超える急騰をした。すでに世界は金余りの状態で、いつ暴走してもおかしくない。
一方、債権市場では日本国債の叩き売りが始まり、取引停止になる騒ぎになった。2%のインフレターゲットでは、金利1%程度の国債では元がとれない。
結果、売られることで長期金利が高騰し、それによって政府の国債利払いが増え、財政を圧迫する。さらに、不人気の日本国債を日銀が大量に引き取る事態になれば、国際通貨としての円の信用は失墜し、ギリシャとイタリアのような財政破綻が現実のものとなる。
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昔から、あらゆるバブルは低金利と高レバレッジが重なった時に発生する。
2001年、当時FRB議長だったグリーンスパンによって、アメリカは歴史的な低金利政策に舵を切った。さらに2004年にはSECが投資銀行に課していたレバレッジの上限規制を大幅に緩和した。政府が博打の世界を公認したようなものだ。その結果が、サブプライムショックであり、リーマンショックだったはずである。

同じ過ちを繰り返さないためには、早急に資金の受け皿となる成長戦略を作らなければダメだ。
そうでなければ、アベノミクスは巨額の博打資金の提供で、日本の崩壊を早めた歴史的な愚策ということになる。

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