アルフレッド.ウェーバー 『歴史よ、さらば』

2020-02-16 23:19:05 | 歴史学

 文系、社会科学系の大学に行っている人、あるいは行った人は必ず聞く人名がマックス.ウェーバーでしょう。

この人の書いた本を必須本に指定する教授もいました。

それくらいこの人は有名な人です。

この人は…といってこの人の偉人伝を書いていたらきりがないくらいですから辞めにしますが(笑)、そのウェーバー氏に弟君がいたのは最近知りました。

何となくネットを周遊していたら、このアルフレッド.ウェーバーという弟がいることを知り、またその人が著作を出していることも知って、早速ネットで予約して本屋に取りに行きました。

やはり奥が深いですね読んでみてわかりました。

マックス.ウェーバーの夫人は、あまりに旦那が勉強に勉強を重ねるので「何故、そんなに勉強ばかりするの?」と問うたところ、ウェーバーは「自分が何者であるかを知りたいんだ。」と答えたそうです。

そんな逸話が残っているほど、勤勉であったようです。

この弟君も同じような勤勉であったことがわかります。

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アルフレッド.ウェーバー

この本の概略を申しますと、西洋の国民国家に暮らしてきた人々が、どのような変遷を経て、精神的な内容を変化させてきたか、ということをつまびらかに論じているのです。

文学や芸術は、それを形成してきた人たちの精神を映し出す鏡ですから、文学や芸術に依拠してそれが形成された時代の人々の精神内容を浮き彫りにしようという試みをしているのです。

この本には、それこそいろんな文学者や芸術家が登場していますが、それらを実際にすべて読んで、またすべて鑑賞して、その著作家や芸術家たちの伝記や論述本をそれこそ目の眩むばかりに読んで、研究し自分の脳内で練り上げて発酵させて醸成した理論でもって、その時代の人たちまでの精神の内容の変遷を論じているのです。

その文学なり芸術なりを論じる際に、それらについて書かれた1つや2つの本を読んで、それらだけから依拠して断定するのではなく、それこそ1つの文学者や芸術家につき10冊以上読んでいることは間違いないでしょう。

それくらいの深さの感じれる本ですらあります。

まさに兄のマックスと同じようにもの凄い勉強家だったのでしょう。

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マックス.ウェーバー

その奥深さについ読み進めてしまう魅力を有しているのは間違ないでしょう。

マックス.ウェーバーと同じように日本の政治学者である丸山真男氏も有名で、社会科学系の大学に行った人なら聞かない名ではないでしょう。

この人も伝説があって、この人が担当するゼミでついつい話が長くなり既定の時間から大幅に延滞してしまいあたりが真っ暗になっていたのに誰も気付かずに聞き入ってしまっていたということです。

このアルフレッド.ウェーバー氏の本もそんな魅力がありますね。

他のページでも書きましたが、丸山氏の本は非常に難解で読みづらいんですね(笑)

ですから私が大学時代に履修した政治学の教授が、丸山氏を政治学の神様と称していても受け入れられなかったですね(笑)

ですが1つだけ人様に勧められるのが『日本の思想』ですね。

この本は、講演の模様を加筆訂正して本にしたもののためか、読みやすいのですね。

そこで氏が述べていることですが、「哲学は科学を基礎づけるものです」ということですね。

しかし私が思うのは、確かに哲学も大事ですが、以上に社会学の方が大事なんじゃないか、という思いでいるのですね。 これがどちらが説得力があるかは、その人の価値観などによって変わってきますから、一概にどちらということは断定できないでしょう。

社会をよくするために科学はあるのですから、それを形成する一般大衆の精神の内容をつまびらかにする必要はあるでしょう絶対的に。

そのためには、どのような変遷の歴史を経て、今の大衆の精神は変わってきたか、そしてどのような状態にあるかというのをつまびらかにする必要はあるでしょう。

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それがアルフレッド.ウェーバーのおこなった、アプローチした社会学なのではないでしょうか? そんな気がするのですね。

ただ単に人の精神内容をつまびらかにするのではなく、いろんな科学の理論を借りて論じる必要があるのは言うまでもないことです。

そのためには専門に閉じこもる人では説得力ある理論を導き出すことはできません。

好奇心の赴くままいろんなことを勉強していく研究していくという気概のある人でなくてはいけません。

科学の歴史に偉大な足跡を残した人はたいてい当為を直接語ることはせずに、玉虫色の理論を導き出すのが通常です。

やはり1つの当為だけで物事が万事うまく運ぶわけではないのはいろんな科学を修めた人ならわかることです。

それこそが王道なのでしょう。

しかしいずれにせよ、読んだ人の心なり行動なりに変革を起こすのが科学の役目ですから、本を読んだ人の心なり行動なりが変わらなければ意味がないのは言うまでもないことです。

この本は、第二次世界大戦が終焉した後に書かれたものですから、アルフレッド氏の国であるドイツが誤った歴史を歩んだことは確かです。

その戦争を起こし、そして敗戦ということはもちろん、その見つめるべき内容は多岐にわたるものです。

それはどのようなものかは読んでいただくとわかるでしょう。

そんな変革的な効用だけでなく、純粋に知的な遊戯を脳内でしたい方にも充分読むごたえのある本であることは保証できます。

このアルフレッド氏はかなりの本読みでかつ熱烈な研究者ですからものすごい奥深い理論が導き出されていることは間違いないです。 そんな本であるということです。

しかし不思議なのは、兄マックスがマニアでないと完全把握できないほど大量の本が日本語翻訳されているにもかかわらず、アルフレッド氏のは翻訳されたのは5冊にも満たないのです。

そしてこの本以外は絶版になって中古でしか手に入れられません。

それは内容がよくないからだという短気的な即断は禁物です。

私の感想では兄を凌ぐような圧倒的な理論すら出てくるということを明記したほうがいいでしょう。

●この本は以下よりどうぞ!

  ↓

A・ウェーバー「歴史よ、さらば」―戦後ドイツ再生と復興におけるヨーロッパ史観との訣別―

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