読書日記 嘉壽家堂 アネックス

読んだ本の感想を中心に、ひごろ思っていることをあれこれと綴っています。

静観-隠蔽捜査外伝- 今野敏 小説新潮5月号

2010-05-01 23:19:13 | 読んだ
隠蔽捜査シリーズの主人公は竜崎伸也。警察庁のエリートである。
そして彼は「たてまえ(基本行動)」を厳粛に遂行する。

だから、隠蔽捜査の物語の時、彼は息子が薬物に関わっていたことを隠さず、ラストでは警察署長に左遷される。

その後、「果断」「疑心」を彼を主人公にした物語は続いている。

本物語は「隠蔽捜査シリーズ外伝」である。
この外伝の主人公は、竜崎の幼馴染にしてライバルである警視庁の刑事部長である伊丹である。

伊丹と竜崎の関わりがこの「外伝」で物語になっているのである。

さて、今回は・・・
伊丹のもとに、大森署の竜崎署長が窮地に陥っている、という情報がもたらされる。

伊丹は、竜崎の窮地に興味を抱き大森署を訪れるが、竜崎は窮地でもなければ問題でもなく今はただ「静観」のみだという。
竜崎を助けようと思っている伊丹は鼻白む。

その窮地は大森署を管轄する第2方面本部の管理官である「野間崎」が作っているものではないか、と伊丹は疑う。
そして、窮地を救うことと、竜崎と野間崎の間を取り持とうとする。

さて、その結末は・・・

この外伝は、竜崎の凄さ(つまり基本原理を守ろうとすること)が直に伝わってくるようだ。
それは、伊丹の側から見るからなのだと思う。
伊丹も相当のエリートなのであるが、どうしても竜崎にかなわない。
それが、へんにおもしろいのである。

竜崎を主人公にしたものもおもしろいが、この外伝もナカナカのものなのである。

外伝を読めるしあわせ・・・だから読書はやめられない。

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