読書日記 嘉壽家堂 アネックス

読んだ本の感想を中心に、ひごろ思っていることをあれこれと綴っています。

警官の血 佐々木譲 小説新潮8月号

2007-07-31 22:45:11 | 読んだ
今回で最終回。

親子三代の警官、祖父は公務中に誰かに殺されたが持ち場を離れたという理由で殉職にはならず、父は公安部勤めで潜入捜査から心を病みその父と同じ交番勤務そして殉職。
三代目は、警務部からの命令で捜査4課に上司を見張り告発する。

3人ともに順風満帆ではなく、2代目3代目はそれぞれの父や祖父の死因を明らかにすることを抱えながら警官としての人生を送る。

最終回は、三代目安城和也が、祖父が殺されたナゾを突き詰め、父が英雄的行動(いわば無茶な行動)をとった要因を知らされる。
これで、物語は完結かと思えば、あらぬ容疑を受け警務部の取調べを受ける。

その取調べから和也を救ったのは、祖父・父・そして自分へと続いた警官3代の血であった。

というのが今回のあらすじ。

正直言って、終わり方がなんとなく釈然としないのだが、今後の安城和也の活躍を期待したい。

それにしても、どの組織でもそうなのだが末端の真面目で正直に勤めている者ほど、理不尽な仕打ちを受ける。
それでも彼らは組織を裏切らない。

組織というのはそういう人たちに支えられていることを、リーダーやエリートは心に留めておくべきである。

そんな感想を持ったのである。
これは参議院選挙の影響でもあるのか、なんて、ちょいと思ったりした。
(自民党は社会的環境の変化を読み取り自浄機能を拡充すべきであるし、民主党は勝って兜の緒をしめなければならない)

それにしても久しぶりに重厚な小説を読んだ気がする。

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