読書日記 嘉壽家堂 アネックス

読んだ本の感想を中心に、ひごろ思っていることをあれこれと綴っています。

水の道具誌 山口昌伴 岩波新書

2007-03-09 22:38:10 | 読んだ
如露 水琴窟 金魚鉢 浮徳利 雑巾 洗濯板・・・

水の性質を知り、活かし、楽しむ、
そんな暮らしが確かにあった。

と、帯にある。
古今東西の、水にまつわる道具が紹介されている。

へえーっと思うことがいっぱいである。

たとえば「笊(ざる」と「籠(かご」の違いとは
たとえば「如露(じょうろ)」水滴がまっすぐ噴きあがるのか
たとえば「蓑」と「けら」の違いとは
たとえば建築工事の設計書にある「鮟鱇(あんこう)」とは何か
たとえば「蛇口」という名前の由来は

数え上げればきりがないのだが、ひとつひとつが「感心する」ことばからりである。

人が水とどのようにつきあってきたのか、道具とは便利に情緒があると生きたものになるのではないだろうか。
効率や機能重視の現代のあり方を認めながら、道具が人ともにあったことを懐かしく語る。

「水使いの叡智を学ぶ」
ということがぴったりで、だからといって堅くはならず、ほっとするような読後感である。

ちなみにお昼休みにひとつづつ読んでいたものである。

この本を読んで「水煙管(きせる)」というもので<ぽこぽこ>と煙草をすってみたい、また「時間を飲む」という水出し珈琲というものを飲んでみたい、と思ったのであった。

それから水にまつわる道具について、すこし気をつけてみるようになったのである。

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