読書日記 嘉壽家堂 アネックス

読んだ本の感想を中心に、ひごろ思っていることをあれこれと綴っています。

御宿かわせみ 平岩弓枝 オール読物連載

2005-12-07 23:46:26 | 読んだ
毎月の定期購読誌をただ積んでおいてなかなかじっくり読むことができなかったが、今、重ねておいて順に読み始めている。

手始めに、オール読物の連載「御宿かわせみ」を2005年1月号から12月号まで続けて読んだ。
これは、毎月読みきりなので、どこから読んでもいいのだが・・・
その月にあわせた季節の物語となっている。また、その月々の題名もいい。
ちなみに、2005年は
1月号 初卯まいり
2月号 浮かれ黄蝶
3月号 捨てられた娘(前)
4月号  々    (後)
5月号 清水家の人々
6月号 猫と小判
7月号 わいわい天王の事件
8月号  -
9月号 二人伊三郎
10月号 さんさ時雨
11月号 公孫樹(いちょう)の黄ばむ頃
12月号  -

今年は二回おやすみだった。

さて「御宿かわせみ」はご存知のとおり、長年続いている「ご長寿番組」である。
(昭和48年からの連載らしい)

主人公は、江戸大川端の旅籠「かわせみ」の女主人<るい>と、今はその夫の八丁堀与力の次男坊<神林東吾>である。
これにおなじみレギュラーとして、同心で東吾の親友<畝源三郎>かわせみの老番頭<嘉助>女中頭<お吉>

これらのメンバーやら準レギュラー陣が、江戸でおこる殺人事件をはじめとする様々な事件を解決していく。
というのがパターン。

パターンだが、毎回それぞれに工夫のあるトリック、あるいは、どんでん返しがあり、おなじみではあるが、新鮮味のある小説である。

さて、今年のなかでは、やっぱり「前・後」と2ヶ月続いた「捨てられた娘」が面白い。
謎を解くのは「東吾」でもなければ「るい」でもなく。
東吾の兄嫁の姪(東吾にとっても姪ではあるが)、麻生花世である。
この辺は、長く続いた物語の特徴であって、必ずしも主人公が活躍をしないでも物語が成立する、というところである。

この「花世」いいキャラクターです。今後注目をしたい、と思っています。

御宿かわせみは、テレビでドラマ化されていますが、どうしても私はNHKの最初のメンバーを思い浮かべてしまいます。
<るい>は真野響子<東吾>は小野寺昭<源三郎>山口崇そして<嘉助>花沢徳衛<お吉>結城美栄子ですねえ。

読んでいるときは、この人たちの顔が浮かんでくるのです。
特に、歯切れのいい「江戸言葉」となると、昔の人たちなんでしょうねえ。
コメント
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