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「太っている人の汗は臭い」ってホント? そのにおいは加齢臭、疲労臭、ミドル脂臭、糖尿病臭の複合体だった

2016年08月25日 18時52分17秒 | 市場動向チェックメモ
http://gooday.nikkei.co.jp/atcl/report/14/091100018/081000040/?waad=k5j61Kzk

「太っている人の汗は臭い」ってホント?
そのにおいは加齢臭、疲労臭、ミドル脂臭、糖尿病臭の複合体だった
2016/8/17 伊藤和弘=フリーランスライター

聞きたかったけど、聞けなかった…。知ってるようで、知らなかった…。日常的な生活シーンにある「カラダの反応・仕組み」に関する謎について、真面目にかつ楽しく解説する連載コラム。酒席のうんちくネタに使うもよし、子どもからの素朴な質問に備えるもよし。人生の極上の“からだ知恵録”をお届けしよう。

 太っている人は体臭がきつい…。口には出さなくても、そう感じている人は多いのではないだろうか? 太った人は暑くなると大量に汗をかく。一般に食べる量も多いし、脂っこいものが好きだ。シュッとやせた人に比べて、なんとなく体臭が強そうなイメージがある。


太っている人は、なんとなく体臭が強そうなイメージがある…。(©rangizzz-123RF)
太った人やメタボの人は体臭が強くなる

 それは決して気のせいでもないらしい。ワキガ(腋臭)や体臭対策に詳しい五味クリニック(東京都新宿区)院長の五味常明さんは、「太った人やメタボ(メタボリックシンドローム)の人は、確かに体臭が強くなります」と話し始めた。

メタボリックシンドロームの診断基準
1. 内臓脂肪の蓄積 ウエストサイズ 男性85cm以上 女性90cm以上
2. 脂質異常 中性脂肪値 150mg/dL以上
HDLコレステロール値 40mg/dL未満
(いずれか、または両方)
3. 血圧 収縮期血圧(最高血圧) 130mmHg以上
拡張期血圧(最低血圧)  85mmHg以上
(いずれか、または両方)
4. 血糖値 空腹時血糖値 110mg/dL以上
1. 内臓脂肪の蓄積に加えて、2~4の2項目以上が当てはまるとメタボリックシンドロームと診断する。
 汗の原料は血液。汗腺は血液をろ過し、薄めた血漿(けっしょう)を汗として出しているという。「放置しておくと雑菌が繁殖して“汗臭さ”が出てきますが、かいた直後の汗自体は無臭なんです。ところが、中には最初から臭い汗を出す人もいます」と五味さん。実は太った人の体臭は、いくつかのにおい成分が混ざったものという。まずは、それぞれの発生原因を説明しよう。

若くても太っていると“加齢臭”がにおう

 1つ目は“加齢臭”と呼ばれるにおいだ。一般に年を取るほど発生量が多くなるが、若くても出る人もいる。原因は皮脂腺の中の「9-ヘキサデセン酸」という脂肪酸が酸化されてできる「ノネナール」という成分だ。が、五味さんによると、「太った人やメタボの人は若くても加齢臭が強い」という。ノネナールは脂肪酸が酸化されてできるので、メタボになって体内の脂肪や活性酸素が多くなれば、それだけできやすくなるわけだ。

 2つ目は、疲れていると出やすくなる“疲労臭”で、アンモニアのにおいがする。このアンモニアは腸内や筋肉でたんぱく質が分解されるときに発生するが、通常は血液に入って肝臓に運ばれ、無臭の尿素に変えられる。ところが疲労がたまっていたり、肝臓が弱っていたりすると、処理しきれなかったアンモニアが汗に混じって出てくることになる。肥満の人は運動不足の傾向があり、少しの運動でも疲労がたまりやすいので、疲労臭が強まってしまう。

 「疲労臭が出るのは肝臓が弱っているサイン。お酒を飲む機会が多くて疲労臭が出る人は、肝機能検査の数値が悪くないからといって油断してはいけません」と五味さんはアドバイスする。

いくつかのにおいが混ざると不快なものになる

 3つ目は、30~40代の男性に多い“ミドル脂臭”だ。

 通常、筋肉は酸素を使ってエネルギーを作るが、全力疾走など激しい運動をしているときや、疲れがたまっているとき、血行が悪いときは、酸素を使わずにエネルギーを作り、その副産物として乳酸ができる。血液中に乳酸が多くなると、汗に混じって出てくるようになる。この乳酸を皮膚の上にいる細菌が分解してできるのが「ジアセチル」。これがミドル脂臭の原因物質で、「古くなった油のにおい」などと形容される。

 このにおいも肥満で疲れやすい体質だと強くなりやすい。「太った人は最大酸素摂取量(1分間の運動で取り入れられる酸素の量。持久力の指標となる)が低いので、少し動いただけでも無酸素運動になってしまう。このために乳酸ができやすく、乳酸が分解されてできるジアセチルの発生量が多いんです」(五味さん)。

 4つ目は、糖尿病の人に独特の甘酸っぱい体臭で、これはケトン体のにおい。「インスリンの働きが悪くなることで血液中に遊離脂肪酸が増え、これがケトン体になる。腐ったバナナのようなにおいです」と五味さん。

 最初に説明した加齢臭の原因となるノネナールは、実は単独ではそれほど臭くない。「アンモニア、ジアセチル、ケトン体など、他のにおいと混じることで不快なにおいになるんです」と五味さんは説明する。こうして“太った人の体臭”が生まれるわけだ。

濃度が高いのが“悪い汗”

 太ると体臭が強くなる理由はまだある。それは汗の量の違いだ。皮下脂肪は断熱材の働きをするため、太った人が暑い場所に出たり、ちょっとした運動をしたりするだけでも体温が上がって、汗が一気にドッと出る。「しかし、運動不足によって汗腺の機能が衰えているため、汗を汗腺で血液として再吸収する働きが間に合わず、血液成分の濃度が高い汗になるわけです」と五味さんは説明する。つまり、アンモニアや乳酸、細菌のエサになる脂肪酸などが多い、ネバネバした汗をかくわけだ。

 「最後にもうひとつ、“イメージ臭”というのもあります」と五味さん。若いイケメンの靴下とパッとしない中高年男性の靴下があったとき、実際は若者の方がにおいが強くても、中高年の方を臭いと感じる人が多いという。不条理だが、それが世の中の現実。太った人はもともと加齢臭やミドル脂臭が強い上、このイメージ臭まで加わるわけだ。

太った人からただよう、主な体臭と原因物質
・加齢臭 ← ノネナール
・疲労臭 ← アンモニア
・ミドル脂臭 ← ジアセチル
・糖尿病臭 ← ケトン体
・イメージ臭 ← 見た目の印象
におい対策はメタボ対策

 臭い汗を出さないためには、まず疲れやストレスをためないことだろう。「ノネナールは体内の活性酸素が多い人ほどできやすい」(五味さん)ので、暴飲暴食を控え、ビタミンC、E、カテキン、イソフラボンなどの抗酸化成分を積極的にとることを心がけてほしい。

 汗腺機能を高めてサラサラした清潔な汗をかくためには、日頃から運動で積極的に“いい汗”をかくことが大切になる。

 結局のところ、体臭対策は食事、運動、睡眠だ。

 「におい対策はメタボ対策。健康であれば、そうそう不快なにおいなど出さないはずなんですよ」と五味さんは話す。

 体臭が気になるこの季節、家族や同僚から後ろ指をさされないためにも、本気でメタボ対策に取り組んでみてはいかがだろう?

五味常明(ごみ つねあき)さん
五味クリニック 院長
五味常明(ごみ つねあき)さん 1949年生まれ。昭和大学医学部卒業。昭和大学病院形成外科、多摩病院精神科などの勤務を経て、84年から現職。流通経済大学客員教授。ケアマネージャー(介護支援専門員)として、デイケア事業や高齢者の臭いのケアにも取り組む。著書に『気になる口臭・体臭・加齢臭』(旬報社)、『なぜ一流の男は匂いまでマネジメントするのか?』(かんき出版)など。

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