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民間の「ゆう活」効果検証は「生産性」を指標に

2019-08-23 11:09:07 | 労務情報

 国家公務員の朝型勤務「ゆう活」が始まって早5年、政府機関や地方自治体では一定の効果があるものとして、この夏も実施されている。
 また、民間企業でも同様に、夏季期間中の始業時刻および終業時刻を早めている所が増えてきた印象だ。

 ところで、試験的に「ゆう活」を導入した企業では、テスト期間が終了したら効果を検証するべきだが、その際には「労働時間」を検証の指標に用いてはならない。
 「始終業時刻を繰り上げたことで労働時間が短縮できた」なら一定の効果があったと評価できるのではないかとの論もあろうが、それは、生み出した付加価値が同じであることが前提の話だ。

 民間企業が朝型勤務を導入する目的は、「生産性の向上」に帰結する。
 自由になった時間を休養に充てるにしても、自己啓発や家族とのふれあい等に充てるにしても、それによって良質な労働力を再生してもらうことに、会社にとってのメリットがあるわけで、生産性が向上しなければ「始終業時刻を繰り上げた効果は無かった」と言っても言い過ぎではなかろう。

 ここで言う「生産性」とは、「付加価値/労働時間」の算式で求められる数値(人時生産性)のことだが、それを用いるのが適切でない業務やそもそも付加価値を数値化しにくい業務等については「業務量(標準的な所要時間の総計)/労働時間」の算式を用いても問題ない。 要は、始終業時刻を繰り上げたことの効果を事前事後で比較できれば良いのだから。
 もっとも、分母が小さくなれば生産性が上がる計算なので、それを理解したうえで「労働時間の短縮」を「ゆう活」の目的の一つに入れるのは差し支えない。 しかし、例えば「従業員を早く退勤させるために業務量を減らした」などというのは、“本末転倒”な話だ。

 そして、検証の結果、「効果あり」と判断されたなら、今後も(お役所のように「来年の夏」と言わずに9月以降も)継続して実施することを考えたい。 「フレックスタイム制」等によって同様の効果が期待できる企業は、何も「ゆう活」にこだわらず、柔軟に代替案を検討しても良いだろう。


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