ご苦労さん労務やっぱり

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3か月間行方不明で死亡と推定(震災特別法)

2011-06-13 10:33:06 | 労務情報

 未曾有の大震災から3か月が経過したが、いまだ1万人余の方が行方不明となっている。
 行方不明の方のご家族にしてみれば一縷の望みを捨てずに、無事に帰還されることを祈っておられることと思うが、その一方で、生死が明らかでない状態では「死亡」を前提とした各種社会保険制度の給付が受けられないという問題が浮上している。法律上は、災害の場合は1年以上経過してから死亡を認定することとなっているが、今回の大震災でその原則通り適用してしまうと、救済が遅れてしまうのだ。

 そこで、5月2日に公布された「東日本大震災に対処するための特別の財政援助及び助成に関する法律」では、生死が三か月間分からないときには、「3月11日に死亡したものと推定する」こととされた。これは、「船舶沈没や航空機墜落において3か月間生死不明であれば、その行方不明になった日に死亡したものと推定する」(労災保険法第10条ほか)という規定を拡大した形で法制化されたものだ。
 これにより、今も行方不明の方については、「遺族基礎年金」・「遺族厚生年金」、健康保険の「埋葬料」、労災保険の「遺族補償給付」その他船員保険・共済組合・国民健康保険等の死亡に関する給付の対象とすることになっている。なお、6月10日の警察庁発表によれば、「行方不明届に係る警察証明」については、原則として本人から申請することになっているが、被災者の負担を軽減するため日本年金機構からの照会に直接応じることとしたそうだ。
 これら一連の立法・行政の動きについては、かなり柔軟な対応であり、評価できるものと個人的には思っている。

 ところで、この手続きは「死亡したもの」と“推定”して進めるものであって、後日、行方不明者の生存が確認できた場合は、この死亡推定は覆る。“推定”というのは、そういう意味も含んでいることには注意しておきたい。


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