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「介護休暇」・「子の看護休暇」の時間単位取得に関する注意点

2020-05-13 12:59:23 | 労務情報

 育児介護休業法施行規則が改正され、令和3年1月1日から、「介護休暇」と「子の看護休暇」(以下、本稿ではこれらを「介護休暇等」と総称する)が時間単位で取得できるようになる。
 現行制度において、介護休暇等は、対象家族1人の労働者には年間5日、対象家族2人以上の労働者には年間10日を、1日単位または半日単位で与えるものとされているのを、来年からは、1時間単位に刻んで与えなければならなくなるのだ。

 これに関しては、いくつか注意点がある。

 まず、新制度では、介護休暇等を1時間を超える単位(例えば「2時間単位」)で与えることにしてはならない。
 その逆に、1時間未満の単位(例えば「30分単位」)で与えることにするのは、法の定めを上回る制度であるため、問題ないものとされる。(以下、本稿における「時間単位」の用語は「時間(またはそれ未満)単位」の意と理解されたい)

 また、現行制度でも1日単位か半日単位かは労働者が選択できるのと同様、新制度でも、労働者の希望する時間数で取得できるようにしなければならない。

 それから、改正省令は、介護休暇等の時間単位取得により「始業時刻を時間単位で遅らせる」または「終業時刻を時間単位で早める」ことを趣旨とし、いわゆる「中抜け」(就業時間中に時間単位の休暇を取得するもの)までは求めていない。この点が、「年次有給休暇の時間単位取得」と取り扱いを異にするところだ。
 無論、中抜けによる介護休暇等の時間単位取得を容認するとしても、(法の定めを上回るので)差し支えない。

 ところで、介護休暇等の時間単位取得が困難な業務がある場合には、過半数組合または過半数代表者との労使協定を締結し、この制度の対象から除外する労働者の範囲を取り決めることができる。
 この「除外する労働者の範囲」に関し、厚生労働省はどのような業務を想定しているか具体例を挙げていないが、例えば「交替制勤務による業務」、「遠隔地への移動を要する業務」、「看護師の夜勤業務」等がこれに該当しそうだ。
 なお、現行制度下において既に「介護休暇等の“半日単位取得”の対象としない労働者」を労使協定で取り決めている場合であっても、それとは別に、改めて労使協定を締結する必要がある。

 ちなみに、介護休暇等は、「ノーワーク・ノーペイ」の原則により、特約の無い限り無給で差し支えない。
 しかし、これを有給とすることで従業員の定着と企業イメージの向上が期待できるなら、加えて、有給の介護休暇等を社内制度として設け、それを利用した労働者が生じた等の要件を満たした場合は「両立支援等助成金」が支給されることも考えれば、これを機に介護休暇等の有給化を検討してみる価値はあるかも知れない。


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