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派遣労働者の待遇を労使協定で決めるのは“例外”か?

2019-04-03 12:59:05 | 労務情報

 新年度を迎え、働き方改革が始まった。
 今回は、その“目玉”の一つ「同一労働同一賃金」、中でも、「派遣労働者の待遇決定方法」について、詳説することとしたい。

 さて、「同一労働同一賃金」の趣旨を踏まえれば、派遣労働者も派遣先の労働者と不合理な待遇格差があってはならない。必ずしも「均等」でなくてもよいが、「均衡」の取れた待遇でなくてはならない。
 それを実現するため、派遣先(派遣労働者を受け入れる企業)には自社従業員の賃金等に関する情報を派遣元に提供することが義務づけられることとなった(改正派遣法第26条第7項)。
 しかし、このように「派遣先の労働者との均衡」により待遇を決めることにすると、派遣労働者本人にしてみれば、派遣先が変わるたびに待遇が見直されることになり、また、新しい派遣先の賃金水準が低い場合には自らはキャリアを蓄積しているのに賃金が低下してしまう、という不具合も生じかねない。
 そのため、改正派遣法第30条の4は、一定基準を満たす場合には、過半数労働組合または過半数労働者代表との「労使協定」により待遇を決定することも、例外的に認めている。

 この「労使協定方式」、具体的には、
(1) 厚生労働省令で「同種の業務に従事する一般の労働者の平均的な賃金の額」として定める額以上の賃金とすること
(2) 職務の内容・成果、意欲、能力等の向上を公正に評価して賃金を決定すること
(3) 派遣労働者に対し派遣元が所定の教育訓練を実施すること
等の要件を満たした場合に可能となる。
 また、この場合でも、賃金以外の待遇(例えば「更衣室の利用」等)については、派遣先は情報を提供しなければならない。

 以上のように、改正派遣法は、派遣労働者の待遇を「派遣先均衡方式」により決定するのを原則とし、「労使協定方式」により決定するのを例外としている。
 しかし、現実的に、派遣労働者を受け入れようとする企業が派遣元に自社従業員の待遇を開示するのも、派遣元が派遣先(顧客)にそれを求めるのも、ともに抵抗があるのではなかろうか。
 そう考えると、例外であるはずの「労使協定方式」が主になっていくと推測するのが自然だろう。

 ちなみに、改正法は、来年(令和2年)4月1日から施行されることとなっている。


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