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「働きがい供与」が「やりがい搾取」に陥らないために

2020-01-03 12:59:07 | 労務情報

 会社は、従業員に、いきいきと働いてほしいものだ。
 従業員がいきいきと働いている職場では、一般的に、労働生産性が高まり、ミスや事故も少なくなり、それによって会社の業績も向上し、それが従業員の給与や賞与として還元される、という好循環につながるからだ。

 そのために会社は、従業員に、仕事から活力を得て、仕事に誇りとやりがいを感じ、仕事に熱心に取り組んでもらうべく、さまざまな方策(これらを総合して本稿では「働きがいの供与」と呼ぶ)を講じていることだろう。
 それ自体は望ましい姿と言え、決して否定されるべきものではない。しかし、一歩間違えると「やりがいの搾取」にもつながりかねないことには、注意を要する。

 昨年10月に公表された『2019年版労働経済の分析(労働経済白書)』では、「働きがい」をプッシュ要因(心理学者ハーズバークによる分類では「動機づけ要因」と称される)と位置づけ、それは、プル要因(同「衛生要因」)たる「働きやすさ」が満たされてこそ効果が上がるとまとめている。

 また、同白書では、その「働きやすさ」に関して、興味深いデータが示されている。
 例えば、テレワーク制度のある会社は制度の無い会社と比較して働きやすさを感じている従業員が多い一方で、テレワークの実施者と未実施者の間では働きやすさの感じ方に有意差は見られないのだ。
 この傾向は、「能力開発機会の充実や従業員の自己啓発への支援」・「仕事と病気治療との両立支援」等に関しても同様であり、要は、「自身がその制度を利用したか否か」ではなく、「従業員が働きやすい環境を整えている会社かどうか」が重視されていると言い換えられそうだ。

 以上を整理すれば、「働きがいの供与」と「やりがいの搾取」との違いは「会社が従業員の働きやすさを考えているか否か」というところにありそうだ。
 今さら声を大にして言うまでもないのかも知れないが、従業員が働きやすい職場を作ることなど、従業員を雇用するうえで当然のことと再認識しておきたい。


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