ご苦労さん労務やっぱり

労務管理に関する基礎知識や情報など。 3日・13日・23日に更新する予定です。(タイトルは事務所電話番号の語呂合わせ)

職場内での負傷に労災保険が適用されない場合も

2014-12-13 23:10:49 | 労務情報

 従業員が職場内で負傷したら、基本的には業務上災害として、労災保険の適用を第一に考えるべきだが、それが第三者(直接的な加害者)の行為により負傷した場合であっても、労災保険は適用されるのだろうか。

 これに関しては、加害者が損害を賠償するべきなのであって、労災保険は適用されない、と思い込んでいる人事担当者も少なからず見受けられるが、それは誤解だ。

 第三者の行為により負傷したとしても、被災労働者が労災保険制度から補償を受けられるのに変わりはない。ただ、その場合は『第三者行為災害届』を管轄労働基準監督署に提出しなければならず、国は加害者に対して求償できるものとされ、また、加害者から賠償を受けていればその範囲内で労災保険制度からは補償されない、というだけのことなのだ。
 ちなみに、その加害者が職場の同僚であった場合は、「使用者による災害補償義務を填補する」という労災保険の目的に鑑みて、求償を差し控えることとされている。

 一方、従業員が職場内で負傷したとしても、労災保険が適用されない場合もある。
 例えば、私怨による喧嘩によって負傷したケースや業務に無関係な疾病(脳内出血など)で昏倒して負傷したケース等は、業務に起因せず、また、業務遂行による事故でもないので、業務上の災害とは認められないからだ。

 こうした「業務上」か「業務外」かの判断は、単に労災保険の適否に影響するだけではなく、会社の民事的な損害賠償責任にも関わる話であるし、安全配慮義務の問題にもなる。
 さらには、業務上負傷したのであるなら、労働基準法第19条の適用を受け、療養のために休業する期間およびその後30日間は解雇することができない。

 間違っても、労災保険を使おうとして業務外の事故を業務上であったかのように偽ることは、あってはならないのだ。


※この記事はお役に立ちましたでしょうか。
 よろしかったら「人気ブログランキング」への投票をお願いいたします。
 (クリックしていただくと、当ブログにポイントが入り、ランキングページが開きます。)
  ↓