ご苦労さん労務やっぱり

労務管理に関する基礎知識や情報など。 3日・13日・23日に更新する予定です。(タイトルは事務所電話番号の語呂合わせ)

解雇予告と同時に休業させるのにはリスクが

2014-02-03 17:39:45 | 労務情報

 会社が従業員を解雇するにあたり、「30日前に解雇予告すると同時に休業させれば良い」と勧めるコンサルタント等がいる。そうすれば、休業手当(平均賃金の6割以上×30日分)を支払えば足り、30日分の賃金もしくは解雇予告手当を支払うよりもコストを低く抑えられる、というのが理由だ。
 しかし、この方式は、違法とは言えないまでも、争いの余地もあるので、要注意だ。

 そもそも労働基準法第26条は、従業員を休業させる場合に少なくとも平均賃金の6割を支払うことを、罰則付きで事業主に義務づけているものであって、それで会社が民事的な責任も免れる旨を定めているわけではない。つまり、休業させられた従業員は、「債権者の責めに帰すべき事由によって債務を履行することができなくなったときは、債務者は反対給付を受ける権利を失わない」とする民法第536条第2項を根拠に、差額を請求できるのだ。
 これに関しては、労働契約(適法に制定された就業規則を含む)で「休業手当は平均賃金の6割とする」と取り決めてあれば、この特約が民法の規定に優先すると考える向きもあろう。ところが、実際の訴訟事案における裁判所の判断を見てみると、そのような特約を無効とする判決例も珍しくなく、まさに「ケースバイケース」としか言いようが無い。

 また、別の面から見れば、休業させている間も、従業員を雇用していることに係る義務や責任が存在し続けることも、忘れてはならない。小さな事では、出勤簿や賃金台帳の作成といった事務的な手間から、大きな事では安全配慮義務や使用者責任まで、発生しうる。

 したがって、従業員を解雇する場合には、解雇予告手当を支払って即時解雇するのを原則と考えるべきだろう。無論、解雇は最終手段であり、できる限り解雇を回避するよう努力しなければならないのは、言うまでもないが。


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