ご苦労さん労務やっぱり

労務管理に関する基礎知識や情報など。 3日・13日・23日に更新する予定です。(タイトルは事務所電話番号の語呂合わせ)

団体交渉を開催したのに「団体交渉拒否」と断じられたケース

2013-12-19 18:39:57 | 労務情報

 会社が労働組合から求められた団体交渉に応じない「団体交渉拒否」は、労働組合法第7条第2号に該当する不当労働行為である。また、明確に拒否はしていなくても、会社側が誠実に対応しない「不誠実交渉」も団体交渉拒否の一形態とされる(東京地判H1.9.22他)。

 これに関して、先般、中央労働委員会が大阪の学校法人に対して発した命令は、他の業種・業態にも影響がありそうなので、ここで紹介しておくことにする。

 事件の概要は、大学の新年度授業コマ数について労働組合から前年12月に団体交渉の申し入れがあったのに対して、4月に団体交渉が開催され、学校法人側は「授業コマ数減少の撤回はできない」として組合の要求を拒否したというもの。
 これに対して、中労委は、「早期に団体交渉を開催し組合と話し合おうとする姿勢を欠いていた」とし、また、交渉の内容に関しても、キャンパスの状況やカリキュラムに関する運用の方針などについて適切な資料に基づいて具体的に十分説明していなかったことから、「誠意をもって組合に説明しようとする姿勢を欠いていた」と、これも厳しく断じた。
 つまり、結果として団体交渉を開催したとしても、その開催時期や交渉内容等によっては「不誠実交渉」とされ、不当労働行為に該当してしまう可能性があるということだ。

 なお、この事件において、特定の組合員の授業コマ数を組合との協議を経ずに減らしたことについて、中労委は「このことをもって必ずしも組合を無視し弱体化を企図していたとは認められない」として、「労働組合への支配介入」(労働組合法第7条第3号)に当たるとしていた大阪府労委の命令を一部変更している。
 とは言え、ここでは「不当労働行為に該当しない」とされただけであって、「労働条件の内容が妥当である」と判断されたわけではないので、その点は誤解の無いようにしておきたい。


※この記事はお役に立ちましたでしょうか。
 よろしかったら「人気ブログランキング」への投票をお願いいたします。
 (クリックしていただくと、当ブログにポイントが入り、ランキングページが開きます。)
 ↓