ご苦労さん労務やっぱり

労務管理に関する基礎知識や情報など。 3日・13日・23日に更新する予定です。(タイトルは事務所電話番号の語呂合わせ)

労働組合に事務所スペースを供与する義務は無い。が…

2012-08-29 19:40:20 | 労務情報

 労働組合に対して、敷地あるいは建物の一部を事務所として使わせている会社がある。
 会社が労働組合活動に理解を示したうえでの計らいであるなら問題は無いのだが、それが当然の義務であるかのように誤解している人が(労使双方に)散見されるので、整理しておきたい。

 確かに、労働組合法は、「最小限の広さの事務所の供与」を不当労働行為に該当しないとしている。しかし、気を付けて読めば、それは、原則として禁じている「労働組合への経理上の援助」の“例外”を示しているに過ぎない。
 したがって、事務所スペースを貸与するもしないも、会社側の任意なのだ。判例(最一小判S62.5.8等)では「労使の合意による」という表現を用いているが、現実には敷地・建物の所有者であり施設管理者である会社側の意思で決めることができる。
 ただし、現行労働協約の有効期間中にそれを破棄するのは、さすがに信義則上許されないので、労働協約の締結もしくは更新の時期に提案するべきだ。

 とは言っても、従来行ってきた便宜供与を突然中止するのは、労働組合と敵対関係に陥る要因ともなりかねない。某大都市の市長のように、断固たる意志と理論武装をもって労働組合を敵に回すなら別だが、民間企業(特に中小企業)の経営者はそこまでの覚悟は無いだろうし、経営者にはそんな事よりも時間と労力を割くべき課題も多いはずだ。
 もし何らかの事情があって会社が労働組合への事務所供与を取りやめるつもりなら、前もってその背景を説明して、労働組合の理解を得られるよう努めるのが賢明だろう。


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