ご苦労さん労務やっぱり

労務管理に関する基礎知識や情報など。 3日・13日・23日に更新する予定です。(タイトルは事務所電話番号の語呂合わせ)

出張先への往復時間は就労?不就労?

2010-03-13 17:18:35 | 労務情報
 従業員を出張させる場合、その往復時間を就労・不就労のどちらで扱うかを迷うことがある。
 ただし、ここで問題にするのは、“自宅から直行または自宅へ直帰する場合の移動時間”であって、“一旦出社した後に用務先に向けて移動する時間”や“用務先から別の用務先まで移動する時間”は一般的には業務(=就労時間)となる点は予め承知しておかれたい。

 移動時間中は、通常は(移動中に行うべき業務を指示していない限り)、労務の提供を受けないので、会社は移動時間を就労として扱う義務は無い。判例も「通勤時間と同じ性格を持つ」(S46.1.29横浜地判など)という認識であり、労災事故が発生した場合も「“通勤途上”での災害」として扱うことになっている。
 就業規則に「最初の勤務地に到着した時から最後の勤務地を出発した時までを就労時間として扱う。」と定めておけば良い。

 しかし、この考え方は、法律上は正しくても、勤怠管理の面から考えると問題が無いわけではない。
 と言うのは、移動時間を“不就労”として扱うならば、所定始業時刻までに用務先に到着していなければ“遅刻”扱いとする理屈だからである。もちろんそれで誤っていないのだが、その扱いには従業員から反発が出るであろうことも考えなければならない。

 そこで、先の就業規則の規定に続けて、「ただし、所定始終業時刻において現に移動途上に在る場合には、遅刻または早退の扱いをしないものとする。」と追記しておくことをお勧めする。つまり、「出張先との往復時間は原則として不就労扱いとするが、遅刻や早退の扱いに際しては事情を配慮する」ということだ。
 これが現実的な解釈に最も近く、実務上も使いやすい規定になると思う。

 なお、出張の性格等によっては“みなし労働時間”を適用することが可能な場合も有るが、それについては別の機会に説明することとしたい。


※当ブログは「人気ブログランキング」に参加しています。
 ぜひ、投票をお願いいたします。
 (クリックしていただくと、当ブログにポイントが入り、ランキングページが開きます。)
 ↓