倉野立人のブログです。

日々の思いを、訥々と。

青木島遊園地廃止問題における住民説明会に 荻原市長が出席を表明

2023-02-03 | 日記

今や大きな社会問題にまで発展した、長野市の「青木島遊園地廃止問題」ですが、これまでもレポートさせていただいているとおり さまざまな変遷を辿る中、ひとつのエポックメイキングになるか?という〝新たな流れ〟がみられました。

長野市トップの荻原健司市長が1日の定例記者会見で、この問題について「周辺住民を対象とした説明会を今月11日に開き、そして 私(市長)も出席して 地域住民の皆さんの意見をお聞きしたい。」と述べたことが報じられたのです。

 

 

 

この日の会見で荻原市長は、去る1/25に周辺区長10人と懇談し 意見交換を行なったとしたうえで「(区長たちは)反響が大きいことに困惑している様子だった。」とし、廃止の決定については「基本的には維持されている」としながらも「区長さんからの話をお聞きし 11日にも(地域住民の)話を聞いた上で判断したい。まずは地域の皆さんの声を受け止めたい。」と述べたとのことです。

 

これまで荻原市長は「18年間の経緯」を理由に いわば表(おもて)に立つことに消極的であるように見られていました。

去る12/12の定例会見では「青木島遊園地については、地元の皆さまが18年間という長期間に及び いろいろ意見を調整された結果として、地元区長会から廃止要望がなされた。そういった経緯を踏まえて、私としては 手続きを踏ませていただくということである。」と述べたうえで「地域の皆さまの声をしっかり受け止めて、私自身も大変苦しい判断ではあるが 手続きを進めさせていただく。」としていました。

さらに「今回 地元の皆さまから寄せられたご要望というのは、長い期間をかけて地域の皆さまが意見を聞いて それが集約された結果だと思っている。地域の皆さまの声を聞く、受け止めるという経緯は十分あったと私は考えている。」と述べています。

一方で「過去に戻ることはできないが、しっかりと地域の皆さまの意見を集約し、合意形成がきちんとなされているのか否かということを確認する必要がある。今後、一つの教訓として胸に刻んでおきたいと思う。」とし、さらに「地域の合意形成ということは非常に大切なことだということを、今回のケースのみならず、常々感じている。地域コミュニティの中で、どうコミュニケーションを重ねていくのか、顔の見える直接的な対話のつくり方の重要性を感じている。」と述べていました。

 

これまでもレポートしているように、今回の「青木島遊園地廃止問題」については、住民要望によって設置された遊園地が 一部の世帯からの苦情に端を発し、その利用について著しい制限が加えられるなどする中、苦情対応についても(市が)右往左往することになり、あげく長い期間を経たうえで 結局区長会からの〝廃止要望〟によって「遊園地廃止」が決定されることになっています。

ところが、廃止が表(おもて)に出ることになって以降、これまで「民意」とされてきた地元住民の合意形成が 決して一枚岩ではなかったことや、市が掲げる「廃止の根拠となる6つの理由」についても相当な無理があることが指摘されたり、何より 多くの地元住民が遊園地の存続を願っていることが改めてクローズアップされたことから、市(市長)の言う「長い期間をかけて地域の皆さまが意見を聞いて それが集約された結果だ」という(廃止の)論拠そのものが揺らいできていることは ご案内のとおりです。

 

これまで荻原市長は、口調こそ丁寧であったものの あくまで〝既定路線〟を守る方針を貫いてきました。

おそらく その根拠には「担当職員からの説明(報告)」があると思います。

と いうのも、荻原市長は 昨年11月に当選したばかりの〝新人市長〟であり、今回の「青木島遊園地問題」についても その経緯…ましてや18年前に何があったかなど知る由もなかったことでしょう。

そうなると、彼にとっての情報ツールは「担当職員からの説明(報告)」に他ならないところであり、で その説明自体が「斯く斯く云々(かくかくしかじか)で問題ありません。」というものであれば「分かった。」というのが前提となるのは やむを得ないと申せます。

しかし そのうえで、社会通念上または市長ご自身の感性の中で「おかしい」と感じることがあれば そこは指摘して掘り下げるべきでありましょうし、ましてや今回の場合は「遊園地存続を!」と願う市民の声が日増しに高まっていることから、これまでの市(職員の)報告を鵜呑みにすることはできないだろう と、私の立場でも思うところです。

 

で そのことにダメを押したのが、さきに行なわれた区長会との会談であったようです。

これまでの 市(職員)の説明によれば、区長会は一致して 市に遊園地廃止を〝要望〟したとされていましたが、市長が実際に区長会に足を運んでみると 区長の中にも遊園地存続…そこまでゆかないまでも「改めて住民の声を聞いて 場合によっては再考すべき」との声も上げられたとのこと、このこと一つ取ってみても 今までの報告で「了」とはできないことに(市長自身)気づいたのかもしれません。

(このことは 1日会見での「(区長たちは)反響が大きいことに困惑している様子だった。」との市長発言にも表れています)

 

これまでは、市(職員)の敷いたレールの上を走っていたが、周囲の様子や乗客の反応が 言われていた中身と違う…であるとするならば、今回は自分の意思でポイント(分岐器)を切り替えて乗客の望む路線に変更しよう。

そう英断されるとすれば、これは多くの世論に叶った判断といえるでありましょう。

 

 

そのうえで 来る2・11の住民説明会は、どのような目的で行なわれるのか・集会で何を得ようとしているのか が注目されるところです。

これまでの既定路線を頑(かたく)なに守り「住民の声を聞く」としながらも、それはいわば〝ガス抜き〟に終始し、結局は遊園地廃止の方向に進むのか。

それとも、集会で出された〝住民の声〟を真摯に受け止め、市長たる自身の考えに基づき然るべき判断を下すのか。

 

1日の会見で荻原市長は「住民の声を直接聞き、なるべく多くの判断材料を集めたい。」とした一方、方針を覆す可能性については「何か心の中に持っているわけではない」「答えるのは難しい」などとするにとどめたうえで「最終的には 市長たる私が決める。」旨を述べていたとのことです。

おそらくは、遊園地の存続を願う市民(住民)のみなさんは 荻原市長の来訪を歓迎したうえで、自分たちの「思い」を率直に訴えることでありましょう。

それら「心からの声」に 荻原市長がどう応えるか。

 

一連の経過によって、内外の評価が失墜した(しつつある)長野市です。

それらを踏まえ、来る集会での市長対応は、この遊園地問題に止(とど)まらず 長野市全体の今後の評価にも関わってくる 一大関心事となってくるのは必定です。

そして何より、行政体のリーダーとして 多くの市民の願いを敏感に感じ取り、それを政策反映するスキルがあるかどうか…問われることは多いと申せます。

 

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