去る日(17日)、市内で「公益財団法人 長野市スポーツ協会(以下/スポーツ協会)」の新年会が行なわれ、私は「長野市ソフトテニス協会」会長の立場で出席しました。
このスポーツ協会は、私の属するソフトテニスを初めとする球技はもとより、スキー・スケートや武道や水泳など さまざまなスポーツ団体で構成されており、いわば長野市スポーツ(団体)の集合体ともいえる組織です。
長野市は、そのキャッチフレーズを『スポーツの力で未来をつくるまちNAGNO』とし、スポーツを軸としたまちづくりの推進に努めています。
その具体的取り組みとして「第三次長野市スポーツ推進計画」を定め、その中(基本理念)で「スポーツは、体を動かすことそのものを楽しむことに加え、健康増進・まちへの誇りと愛着の向上・交流人口増加・地域経済活性化等・まちづくりの視点において多面的な効果を有する。これらの効果を高めることで、スポーツ分野から第五次長野市総合計画が目指す「まちの将来像の実現」に寄与することを目指す。」としており、スポーツが 競技としての取り組みに併せて「まちづくり」の視点においても重要な役割を果たしていることを示しています。
[参考]第三次長野市スポーツ推進計画
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https://www.city.nagano.nagano.jp/uploaded/attachment/751729.pdf
このことは、私も学ぶ「スポーツコミッション」にも通じるところです。
「スポーツがもたらす多面的効果」の発揚に向け、ときに競技の枠を越えて取り組むことが求められています。
[参考]一般財団法人日本スポーツコミッション HP
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スポーツは、そこに参加することにより 健康な身体や精神を醸成、その中では アスリートとして競技力向上をめざす者・生涯を通じてスポーツに親しんでゆく者など それぞれのスタンスに応じて豊かな人生を送るためのツールとして位置づけられています。
また最近では、実際にスポーツを行なう「するスポーツ」に加え アスリートの活躍を目にしながら応援する「みるスポーツ」そして 大会運営などのスタッフとして(運営を)支援する「支えるスポーツ」についても 広い意味でのスポーツと捉えられており、そういう意味では いろんな(スポーツの)楽しみ方があることを知りながらスポーツに親しむことが肝要と申せます。
また、出席者同士の意見交換の中で、今後「スポーツ」に取り組む中で、課題意識や 一抹の〝不安〟のようなもの(内容)が吐露され、共通認識を抱いたところです。
スポーツ それも競技団体を担い、競技力向上や底辺拡大に取り組む者(関係者)にとって 焦眉の急となっているのは「部活の地域移行」であります。
これについては 関心のある方は既にご案内のとおり、中学校の週末の部活動について 学校での活動を見直し「地域」に移行しようとする事業計画です。
その背景(目的)には「教職員の負担軽減」が挙げられています。
社会全体が「働き方改革」にシフトする中、こと教職員については 通常の日勤に加えて部活指導が負担として加わり、勤務状況が過度な状況に置かれています。
その状況を改善するために、この際 週末の部活については「地域」におられる有志の方に指導をお願いしたり、地域ぐるみで面倒をみていただく等の「移行」を行なおうとするものです。
しかしながら この地域移行は、いわば絵に描いたようにはゆかないのが実際のところです。
そこには、指導者の確保・練習場所の確保・(週末に多い)大会などへの選手の帯同・ケガや不測の事態に備えるための傷害保険の適用の問題等々、「移行」に向けては いわば実質的な課題が山積しており、霞ヶ関(スポーツ庁・文化庁・文科省)の号令にも応え切れていない(応えられない)のが実際のところです。
これらの状況に鑑み、所管のスポーツ庁と文化庁は「学校部活動および新たな地域クラブ活動の在り方等に関する総合的なガイドライン」を公表しました。
2023年度から3年間としていた公立中学校部活動の地域移行の目標達成時期を見直し「可能な限り早期の実現を目指す」と改めました。
要は(計画が)拙速に過ぎたことを認めざるを得なくなったということであります。
この「総合的なガイドライン」は、2022年夏に取りまとめられた 部活動の地域移行に関する検討会議の提言を踏まえ、去る2018年に策定したスポーツ庁と文化庁のガイドラインを統合したうえで全面的に改定したもので、学校部活動や新たな地域クラブ活動のあり方・地域移行に向けた環境整備・大会のあり方等を示しています。
この〝実質延長〟の背景には、現場の切実な声があります。
昨年末に ガイドライン案について意見を募集した結果「3年間の移行達成は現実的に難しい」との声が各方面から挙げられたことから、当初の計画を見直し 2023年度から25年度までの3年間を「改革推進期間」と位置づけ、休日の学校部活動の段階的な地域連携・地域移行を進めるものの「地域の実情等に応じて 可能な限り早期の実現を目指す」と明記し直したのことです。
今後、部活動の地域連携や地域スポーツ・文化クラブ活動移行に向けた環境の一体的な整備のために、部活動の地域移行等に向けた実証事業・中学校における部活動指導員の配置支援・地域における新たなスポーツ環境の構築等を盛り込むとしています。
いずれにしても、将来有為な生徒らがスポーツに親しめる環境を整えてゆくことは 各競技団体の責任事項でもあることから、今後も国等からさまざまな方向が示される中ですが ときに競技の枠を越えて、いわば域内(市内)の競技団体相互に いわば全体論として地域移行の円滑化に取り組んでゆくことで一致したところです。