木村正治のデイリーコラム

木村正治(きむらまさはる)が世の中の様々な事項について思う事や感じた事を徒然に綴っています。

いよいよ箱根駅伝の全国化へ

2022-07-04 23:08:37 | 随想
 箱根駅伝がいよいよ全国化に向けて動き出す。
 素晴らしい事である。
 関東学生陸上競技連盟の英断に感謝したい。

 この件は私は15年程前から唱え、訴え続けてきた。
 箱根駅伝の全国化を日本で最初に唱えたのは恐らく
私であろう。
 別に最初だからどうのこうのというつもりは全く無く、
青山学院大学監督の原晋さんも少し後から唱え始めて
良い案であれば皆がそれに共鳴して採用されれば良い事
である。
 ちなみに私も原晋さんも広島県人である。
 
 箱根駅伝は全国大会だと思われているが、実は関東の大学
しか出場できない仕組みで関東ローカル大会なのだが1989年
から正月2日、3日にテレビで完全実況生中継が行われるように
なり、正月のお茶の間の風物詩として完全に日本国民に定着した。
 もはや関東の大学だけの大会だとは言い張れない存在に
なっていた。
 日本全国津々浦々のお茶の間に浸透し全国民的な存在
になった箱根駅伝だが主催者の意識は関東の伝統にこだわり
あくまでも関東の大学対抗駅伝なのだという意識が強く全国民
のための箱根駅伝という認識にはなっていない状態が続いていた。

 この事で箱根駅伝に憧れて関西や各地方から有望な高校生
ランナーがことごとく関東の大学へスポーツ推薦入学で進学
する状況が定着し、地方が地盤沈下していった。
 全国高校駅伝をご覧頂ければお分かりのように、優勝校や
優勝争いは関東の高校ではなく広島県や各地方の高校である
場合がほとんどである。
 箱根駅伝が全国の大学が参加できる門戸開放が行われれば
地方で活躍してきた高校生ランナーが希望する地方の大学に
進学して憧れの箱根駅伝を目指す土壌ができるために各地方
が活気づく事は間違いない。
 この趣旨を15年程前から私は唱え続けておりこのブログ
でも何度か記事にしている。

 人はどこかで繋がっているもので、この案を様々な人々が
介して共有するようになったのだろう。
 それでも関東学生陸上競技連盟は頑なに関東の杜にこだわり
聞く耳を持たなかった。
 意地もあったのだろうが、しかし正論には耳を傾けるように
なり、またそれに応じる建前と大義名分も必要だったのだろう。
 節目の第100回記念大会に際して予選会への参加を全国の
大学に認める門戸開放の方針に変更した事で、来年秋の予選会
でもしも参加選手の合計タイムが良ければ関西の大学や各地方
の大学が箱根駅伝に出場できる道が拓ける。
 門戸開放の英断に感謝である。

 しかし私が常々述べてきたように、いきなり地方の大学が
予選会で勝ち上がり箱根駅伝本番に出場できる可能性は低い
だろう。
 これまで有望な高校生選手がことごく箱根駅伝に憧れて関東
の大学に集中してきた為に戦力の偏りと関東への集中が著しく
現在では各地方の大学と関東の大学とでは駅伝では勝負にならない
だろう。
 もしも来年に運良く箱根駅伝本番に出場できる地方の大学
があったとしても圧倒的な大差で下位を走り何度も繰り上げ
スタートを重ねるだろう。
 その光景を見て、なんだ地方の大学は実力が低いじゃないか、
やはり関東の大学だけに戻すべきだという愚かな短絡的な視野に
だけはならないで欲しい。
 全国各地の大学にも予選会に参加できるようになる来年秋から
少なくとも早くて数年、普通に見て10年程は地方の大学が
箱根駅伝で上位を走る光景が実現するまでには時間を要するだろう。
 しかし必ず箱根駅伝の価値を更に高める事になる。
 主催者は長期的視野で日本のために捉えて頂きたい。

 私は15年程前から何もルールは変更する必要はない、ただ
予選会に関東以外の全国の大学も参加できるように変更する
だけで良い、後は全て実力で出場を勝ち取れば良いと何度も
述べてきただけに感無量である。
 青山学院大学監督の原晋さんは各地方ごとに出場枠を与えて
出場機会を与えるべきという案を述べておられたが、私はもっと
簡潔明瞭に予選会に全国各地の大学の参加を認めるという案を
述べてきた。

 素晴らしい決断に感謝の限りである。
 駅伝ファン、マラソンファンとして感謝申し上げる。
 やがては九州の大学や東北地方の大学が箱根駅伝を制覇する
時代が訪れるだろう。
 そうなれば俄然、地方は盛り上がり箱根駅伝の価値そのものが
更に高まり飛躍発展するだろう。

 いつの日か、私の母校の同志社大学が箱根駅伝に出場して
いずれは優勝争いを、願わくば箱根駅伝を関西の大学として
制覇する日が来ることを夢見ている。
 東京大手町のゴール前地点に同志社大学のカレッジソング
が高らかに合唱される光景を待ちたいものだ。
 それはさすがに無理かな・・・・・。
 いや、夢は持っておきたい。

 改めて箱根駅伝の門戸を全国に開放して頂く英断をして
頂いた事に心より感謝申し上げます。

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