興趣つきぬ日々

僅椒亭余白 (きんしょうてい よはく) の美酒・美味探訪 & 世相観察

生活即メモ

2023-08-23 | 随感・偶感・歳時感

古い雑誌を整理していて、「サライ」の1998年8月20日号の中に、画家杉本健吉氏へのインタビュー記事を見つけた。
25年も前の記事だが、読み返してみると、たいへん味わい深く、おもしろい。

 杉本健吉氏(1905-2004)は画家、挿絵画家。昭和25(1950)年から連載の吉川英治『新・平家物語』の挿絵を担当。名コンビとして知られた。このインタビュー時(1998年)は92歳。

この記事の中で、わたしがいちばんおもしろいと思ったのは、杉本氏が「生活即写生」と語っているところだ。
いつも、矢立て(携帯用の筆記用具)や短い鉛筆を、人差し指と中指の間にはさんで持ち歩き、風景、仏像をはじめ、見るものすべてをデッサン(写生)していたという。(戦後奈良に行っていたころか)

描くことを「理屈ではなく、手に覚えさせようとした」とも言っているから、杉本氏は日々の暮らしの中で、デッサンの修練を意図して生活習慣にしていたのだ。

生活即写生・・・この伝で言えば、わたしの場合は「生活即メモ」かもしれない、と思う。

いつも本ブログ用の記事のネタを探していて、思いつくとすぐにメモ用紙にメモしたり、外に出ていれば写真(これもメモのうち)に撮ったりしているからだ。

散歩のときなど、カメラ(スマホ)を小さなバッグ(ポシェット)にかならず入れて出る。半ば生活習慣化しているといってもいいだろう。

もちろん大家杉本健吉氏の絵の世界と、拙ブログは比ぶべくもないが・・。



最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。