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空色騎士 その3

2017-05-07 01:10:00 | 物語・小説

リッターとエスパーダは、空色騎士の探求を始めた。
この探求に2人だけで挑む申請を、官庁にした時は、流石に妙な目でみられたが、LV1の探求なだけあって、心配や差し止めはなかった。

「では、これからよろしくお願いします」
エスパーダは、リッターにそう言うと、探求の扉を開けた。そして2人は、長い階段をひたすらに降りていった。

「どうやら、最初の街にたどり着いたようですね」
階段を降りきった先には、晴れた空があり、草木と水の豊かな集落が見えた。
リッターは、エスパーダの後ろにつき、ついていった。
「さて、最初は――探求者へのヒントをもらう店に行きたい所ですが、先に、宿を取っておきましょうかね」
エスパーダの言葉に、リッターは首をかしげた。
「もう、宿?早いんじゃ」
「先ずは、2人で打ち合わせましょ。お互いの情報交換から始めないと」
エスパーダの言葉に、どこか説得力を感じたのと旅慣れている感じがしたので、リッターはそれに従う事にした。

宿は簡単に取れ、手続きも容易であった。さすがは簡単なレベルのものだなと、リッターは思った。
宿の部屋に付き、荷物を置くと、エスパーダが
「リッターさんは――もとは騎士ですか?」
と訊いて来た。
「挫折しましたけどね」
エスパーダは、リッターのプロフィールデータを自分の鞄から取り出して、眺めた。
「なるほど。私も武道の心得は、不得手で、術が専門ですので、戦闘の折りには援護します」
「そうですか」
とリッターは言葉を発しつつ、エスパーダに迷惑かけるなこれは――と思った。LV1の探求物とは言え、術の効かない敵もあるのは言うまでもない。
「成績不良とありますが、そんなにいけなかったので?見たところ、武道も術もバランス良さそうですが」
エスパーダは、リッターを上から下まで見た。
「よく言われますけど、見かけ倒しです。剣の片手、盾を片手でやると、剣がうまくふるえないんです。剣を両手持ちすると、今度は太刀筋が良くなくて。力はあると言われてはいるんですが」
リッターは、過去によく言われた駄目な点を話した。
「なるほど。それで、訓練ではレベル幾つの敵を想定した所まで行けたのです?」
「良いとこ3ですね。悪いと1でももたない時がありました」
何とも情けない話だなとリッターは思う。けれど、事実だった。
「それで、術の方は?成績はどうあれ、こちらも訓練修了ですから、それなりに?」
「おしなべて5段階の中のレベルの1、2しか使えないようなものです」
リッターは、恥ずかしさで、つい俯いてしまった。
「修了試験に必要な一部のみレベル2が使えると言う事ですか。なるほど。この探求が丁度良いですね」
エスパーダは、リッターのプロフィールを鞄にしまった。
「では、今回の探求、リッターさんは、騎士らしく剣を使ってもらう事にしましょう。無論、使える術は使って下さい」
エスパーダは、リッターの両肩に手をのせた。
「何か良い探求になりそうです」
エスパーダは、笑みを浮かべて言った。
「では、この街にあると言う秘密の宝物庫の情報を仕入れに行きますか」
「秘密の宝物庫?こんな最初の街で、初っぱなから?裏テクですか?」
1体どうしようと言うのだろう、とリッターは思った。
「レベル1の探求だからこそあるんですよ」
エスパーダは右手の人差し指を立ててそう言った。
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