セレンディピティ日記

読んでいる本、見たドラマなどからちょっと脱線して思いついたことを記録します。

チャングムが親日反民族行為で逮捕された

2005-05-21 21:48:24 | 社会経済
一昨日木曜日放送の「チャングムの誓い」で、主人公チャングムが逮捕された。
済州島を襲った倭寇の首領の治療をしたためだ。しかしチャングムは初めかたくなに拒否していたが、島民とおじさんの命を救うため行ったことだ。初めはかたくなに拒否したのは倭寇に対する敵対心とか民族意識のためではなく、治療の自信を喪失していたからだ。もし自信を失っていなかったら医者としてどうしたかは興味があるが、ドラマではともかくもかたくなに拒否していたことは間違いない。
これを見ていた日本の視聴者はどう思っただろうか。島民とおじさんの命を救うためにやったことだから、国をうらぎったわけではないから逮捕は不当だと、大多数の人は思ったはずだ。
では韓国ではどうか。作者が期待するのは日本の視聴者と同じ反応だと思う。そうでないとドラマが成り立たない。だから多くの韓国の視聴者も同じ反応であるはずだ。つまり表面的に敵に協力しているようにみえても、自国民の幸福を考えて行うこともあるのである。
しかし今の韓国の政治のありかたはどうだろう。昨年3月に「親日反民族行為真相糾明特別法」なるものが成立している。これは植民地時代に役所や軍に一定以上の地位でいたものを暴きだして反民族行為者として糾弾するもの。ほとんどは故人なのでその狙いはその子孫にある。とりわけ野党の党首で朴女史が標的だったらしい。というのは女史の父親は故朴大統領で日本陸軍の将校だったからだ。ところが皮肉なハプニングが起った。法案を進めた与党の幹部の父親が日本軍の憲兵の助手をしていたことが明らかになり辞職する羽目になった。
さらに現在韓国では「親日財産還収法」なるものが成立しようとしている。これは親日反民族主義行為者とその子孫の財産を没収し、独立功労者とその子孫に与えると言う内容。
韓国でも中国でもそうだけど、一方の立場からだけを正当として、他の考え方・行い方を認めず断罪する傾向がある。朝鮮と日本との併合を進めた人にも必ずしも自己の栄達のみを考えた人たちばかりでなく、むしろ朝鮮社会の惨状を救おうと考えた人も多くいたはずだ。植民地政府に勤めた人も民衆の利益の向上のため選択した人もいたはずである。中国で漢奸とされている人も中国の国益を考えて行動した人もいたはずだ。
ガンジーは第一世界大戦時には大英帝国市民として英国に協力した。ガンジーのような人も韓国や中国では、反民族行為者、敗北主義者(無抵抗主義だから)と糾弾されてつぶされていくだろう。

最新の画像もっと見る

コメントを投稿