京都園芸倶楽部のブログ

京都を拠点に活動している植物・園芸愛好家の団体「京都園芸倶楽部」の公式ブログです。

【第1138回例会ご報告】「花菖蒲の品種分化の歴史とその原種ノハナショウブ」(2016年7月9日)

2016-07-13 06:19:35 | ご報告
先週土曜日の7月9日の午後1時30分より、植物園会館2階の多目的室で、玉川大学農学部教授の田淵俊人さんを講師にお迎えして、第1138回例会「花菖蒲の品種分化の歴史とその原種ノハナショウブ」のご講演をいただきました。




ボタンやシャクヤク、キク、ツバキと並ぶ古典園芸植物で、わが国が世界に誇る園芸植物であるハナショウブについて、その栽培の起源や基盤となった歴史的背景を、多彩なスライドを使用してわかりやすく解説いただきました。

『万葉集』に出てくる幻の植物「花かつみ」が、調べてみるとハナショウブ(ノハナショウブ)である可能性が高いこと、また800年前に書かれた『拾玉集』や『尺素往来』『仙伝抄』といった文献にはすでにハナショウブを鑑賞していたとの記載があり、古くから日本人に愛されている植物であることがわかりました。

さらに、現在のような園芸品種が改良されるように至った経緯や、その原種であるノハナショウブの魅力や形態、遺伝資源としての重要性についても、ご自身の研究成果も交えて、わかりやすくご説明いただきました。




ただ残念なことは、地球環境の温暖化による乾燥化や生物多様性の変化と人工造成物の拡大によって、原種のノハナショウブの自生地が減ってきていること、またさまざまな要因で外来種や園芸品種との交雑も起こっているといった課題があり、園芸品種を楽しむためにも遺伝資源としてのノハナショウブの重要性を理解する必要がありそうです。

田淵先生、多彩なスライドと話術で聴者をすっと話に引き込み、わかりやすいご講演をありがとうございました。
ジャンル:
ウェブログ
コメント   この記事についてブログを書く
« 2016年7月の園芸春秋について | トップ | 【京都府立植物園】第25回食... »
最近の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

ご報告」カテゴリの最新記事