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京の辻から   - 心ころころ好日

名残りを惜しみ、余韻をとどめつつ…

愛のこめられた声

2023年02月16日 | 娘家族 in AUS

「声は触覚的だ」

生まれた瞬間から赤ん坊をあやす母親の声は、スキンシップとしての喃語で、脳と同時にからだ全体に働きかける。愛のこめられた声によって言葉を知り、言葉を覚えていく。
「声は触覚的だ」と谷川俊太郎さんが言われていた(『声の力  歌・語り・子ども』河合隼雄 阪田寛夫 谷川俊太郎 池田直樹)。

言葉を音として、声として、耳と口を通して覚える。わらべ歌も昔語りも、声にその源をもつ。
声の持つ不思議な力。
アメリカでは、「読みきかせ」よりも、自分の体が覚えた話の「語り聞かせ」の方がはるかに聴衆を捉えるという話もあった。

              かわいいお口をあけて
               
「人間に生まれてきて誰に教わらないでも一緒に歌えるのがわらべ歌だ」とは阪田寛夫さん。
日本で生まれ、4年半近くを日本で暮らした孫のLukasが知るわらべ歌は何だろうか。「かごめかごめ」など歌っていただろうか。
   ♪とんぼのめがねは みずいろめがね 
     あーおい おそらをとんだからー とんだからーーー
保育所に通うようになって、大きな声で歌っていた。
一緒に歌うと「えっ!? 知ってるの?」と驚かれたものだ。

そんな彼が1年生になって合唱部に「はいった」と言った。確かに言った。
「そうなん、合唱部に入ったのね? そりゃいいわあ、いいねえ」
すかさず母親の声が聞こえてきた。
「えっ、はいったの!?」って。

昨年末の合唱祭で壇上で歌った楽しさもあったのだろうが、クラスで一人声を上げて歌っていることがあるらしい。
なんでもいいの、いろいろ体験してほしいなあと外野は勝手に望んでいる。
「合唱部のルーカス」を楽しみたい。

              あちらにピアニカはないという。
                  

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それでも理想へと向かう国

2022年11月23日 | 娘家族 in AUS
来年度(1月末ごろから)は6年生に進級するのを前に、孫のTylerが“スポーツキャプテン”に立候補したと聞いたのは10月中旬だった。何やら50項目ほどある一つ一つに教師からサインをもらわねばならず、それらを経て昨日、スピーチに臨んだ。
今度は1年生になる弟のLukasも会場に座っている。母親が送ってくれた動画には、幼い子供の泣き声が入っていた。

大阪にいたときに参加していたラグビースクールでは、コーチ陣から「タイラー、大きな声出して!」と一喝?される常習者だったのだ。母親は「普段はうるさいくらい大きな声なのに」とむくれるし…。そんな子が立候補したと聞いて、へえー!と思ったほど、実は意外であった。もうこれは彼の生涯に刻まれる貴重な体験をしているときだと、結果は二の次で喜ばしく感じている。

 

スピーチをする横に、手話通訳の先生が立つ。
手話を必要とする子が何人かいて、手話ができる先生も何人かいる、と。兄がスピーチの練習をするそばで、弟の身振り手振りがなんだったのかがわかる。
Ausに帰国してまもなく1年半。二人が学校生活の中で学んでいけることは広がるようだ。


「日本の障害者政策に9月、国連から厳しい勧告が突き付けられた。障害者権利委員会が特別支援教育を『分離教育』として改善を求めた。障害のある子とない子とがともに学ぶ『インクルーシブ(包摂)教育』への移行だ」
京都新聞10月16日付のコラムはこう書き始まっていた。

そのあとだったか。知的障害があって言葉が離せない、支援学校に通うご長男(9)のことを記者が名入りで綴っておられるのを読んだ。
一般小学校に通わせ、子が受けるかもしれない苦しみを思う心配が、支援学校選択の理由の一つだったこと。現在は温かく育んでもらっていることへの感謝。
「こうした環境が全国の地域の小学校内にあれば。どの子にも的確な支えと心配りがなされ、同じ建物・校庭で過ごすうちに、多様な人と人が織りなす社会の心地よさを自然に学べたなら。」と書いておられた。
壁は山ほどあるが、それでも現実から理想へと向かう国であってほしい、と結ぶ。

Lukasの真似ぶりから思いは飛んだ。みんなが相互に生かされる、救われる社会…。
                        
                   (絵は小林良正さんのほほえみ地蔵)
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〇〇を刻むきっかけの種をまく

2022年10月19日 | 娘家族 in AUS

6歳だった孫娘Jessieに弟ができる11年前、彼女はベッドの枕元に縫いぐるみを並べ始めた。
赤ちゃんを寝かしつける練習らしく、順番を決め一つずつ抱っこして寝ていたそうだ。

その弟が生まれたあと彼らの家を訪問していたのだが、ある朝、枕元から白い犬のぬいぐるみを選んで通学のリュックにしまうのを偶然見かけた。
級友の前で、その白い犬について彼女は何かを話すつもりだったのだ。そして質問を受けて応える。SHOW AND TELLという時間があることを初めて知った。旺盛な自己アピール欲にもだが、素晴らしい体験を積む時間の存在に感心したのは忘れない。

姉弟3人となって、今ではそれぞれに何かあるごとに頑張りや活躍を讃えてもらっている。そういうシーンがなんと多いことかとつくづく思う。
孫に限らず、きちんと目が掛けられたグッド・タイミングでの賞賛であれば、受ける子供たちの喜びは大きいだろう。


今夕開催の、2022年度表彰式への招待状が孫娘に届いていた。親の同伴もある。
大阪で4年間を過ごし、弟たちより一足早く中学3年を前にして父親の待つAUSに一人戻った。年が明ければ高校3年生。英語力では彼女もそれなりに苦労があったと思うが、相応の努力がみとめられたか。家族と一緒に私どもも大いに喜ばせてもらう。最終学年を希望に向かって頑張る力となれば嬉しいこと。

大小問わずすべての表彰の場面は、未来ある子たちの心に感動を、自信を、自分は認められているという思いを、喜びを刻むきっかけの種を蒔く、一つの場になる。
心という土壌にまかれた種は、それぞれのペースで成長していく。そして咲く花は、時期も種類も姿、形一つ一つがみな違う。

日本では、教育現場に限らず日常、子どもに潜在する独自の才能を大人はどれだけ引き出せているだろうか。
…ちょっと考えた、この夕べ。
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きょうはまた生まれかわったぞ

2022年09月15日 | 娘家族 in AUS
孫のTylerが11回目の誕生日を迎えた。


今日は地域の各小学校代表チームによるサッカー大会でもあり、「明日は優勝してTylerの誕生日プレゼントにしよう」を合言葉にチームの士気は高揚したらしい。うまい具合の誕生日が、盛り上がりに一役買えたということになるのかな。

6月の大会では結果2位だった。今日は3勝2敗、決勝進出ならずだったそうだが、敗因分析も(2チームのレベルを同等に編成したから、など)漏れ聞こえる。常に外野の評は伴うものだ。
それでも試合後には、ハッピ―バースデーを歌ってもらって嬉しかった様子だと伝え聞いた。
 「学校中の先生が誕生日だってこと知っててくれるんだ」
 「へえ~、うれしいやん」
 「なぜならな、学校で『俺の誕生日だ――』って叫んでいたからな」

昨日と今日となにがかわるというものではないかもしれないが、一日とて同じ日はないのだ。
そうそう、思い出す。殷の王の湯が好きだったという言葉。
  
  荀(まこと)ニ日ニ新(あらた)ナリ
  日日新ナリ
  又日ニ新ナリ
 
新という字は、木ヲ斤(き)ルということから出た漢字だそうで、木の切り口のなまなましさをあらわすという。切ったばかりの切り口は樹液に濡れて、いのちがよみがえるような香気を放っている、とある(「新」について 『風塵抄』収)。命は常に新しいということだ。

11年前、6つうえの姉の下に生まれて

5歳下の弟ができた。いつも一緒と母親は笑う。兄でありサッカーのコーチでもあるみたいだ。


まだまだ線が細い。自信は外からつけられるものではない。様々な体験を経て、自らの内にわいてくるもの。
失敗しても転んでも起き上がれるよう、太っていきなはれや~。
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親バカ精神は家庭教育の基本

2022年08月06日 | 娘家族 in AUS
週末の二日間、陸上の地区大会が開催され、各校のスポーツデーで記録を残した子供たちが競い合った。

初日の4日は200m競走に出場した孫のTyler。全力で200mを走る練習などしてはいない子だが、力の差を見せつけられたようだ。「もうしたくない」って言ってる、と母親からラインでメッセージが入る。「でも今かき氷食べてる」。
スパイクを履いてファイト満々の顔ぶれの他校の子供たちにまじって…。
健闘を遠くから祈っていたが届かなかった。

2日目はリレーから始まり100m、走り幅跳びに出場。「そこまでがっかりしてないわ」の表現に、結果は推して知るべし。そうねそうね、よう頑張った! 

 リレーメンバー

スポーツでは結果は客観的に明快な審判が下される。
負けを知る。負けを知るチャンスだったのかもしれない。「もうしたくない」。この体験をどう生かすか。そんなことは本人のカイショ。
けれど、家族としては健闘をじゅうぶんに褒めたたえたい。明日に咲く花を思い描いて、言葉をかけたい。ダディは肩を抱いて、“I’m proud of you.”と言うのだろう。その先は? やっぱり本人のカイショ。

江戸時代に京の二条高倉に住んだ脇坂義堂と言う町人が家庭教育書『撫育草』(そだてぐさ)を記していた。それを小児科医だった故松田道雄さんが『おやじ対こども』と題して読み解かれたという。
地元紙の5月5日のコラムで読んだのだったが、文中、「親バカというのは子供の将来についての徹底した楽観論(中略)親バカ精神は家庭教育の基本」と説く一節が引かれていた。


この日の体験、きっと何かよいことにつながっていく。
仲間に支えられ、仲間を支える一員でもあれかし…。
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白菜一玉が10ドル

2022年07月28日 | 娘家族 in AUS

今月初めのこと。
「日本より小ぶりな白菜が1玉10ドルもするんよ」と話す娘の言葉に驚いて、「高いねー。買えないねえ」と言うと「買わないよ」って返ってきた。
「大根1キロ6ドル弱」だそうだし、「レタスも10ドル近かったのが、少し下がって7ドルくらいになってきた」と。

3日前に孫娘からの電話でお喋りしていた中で、「ケンタッキーのバーガーはレタスが高いから替わりにキャベツを使ってる」と言う話が出た。レタス8ドルしてた、と言う。
いつもざっと100円で換算してしまっているが、ネットで調べたところ1AUS$は94.19円とあった。19度という20年ぶりの寒さを記録したばかりとは言え、白菜一玉が940円とは驚きだ。

  たのしみはまれに魚にて児等(こら)皆が
   うましうましといひて食ふ時

幕末の歌人・橘曙覧は、物質的には貧しい暮らしをしていても自分の不満や不遇を歌に託して嘆くでもなく、久しぶりの煮魚のおかずを子供たちがおいしそうに分け合っている姿を楽しみ、幸せを感じている。

  たのしみは妻子むつまじくうちつどひ
   頭ならべて物をくふ時

さて、白菜が欲しかったんだけれどと言っていたが、どうしたのだったか。毎日の食事の工夫も母親の腕の見せどころ。贅沢はせずとも家族そろてって楽しい夕餉を囲んでくれていたらいい。

今日は娘家族に宛てて段ボールで2箱、野菜の代わりに菓子やプレゼントやらの荷をめいっぱい詰め込んで船便で送った。8月から11月まで誕生日が続く。9月のTylerの誕生日には間に合えばいいのだが。
あれこれ買い置いたものがスッキリ片付いた。

                (写真の値段は10年前。今は…?)

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ダディと二人がいい

2022年06月25日 | 娘家族 in AUS
16、17日と、孫たちの小学校ではスポーツ大会だった。
1~6年生を3組に分けて、Tylerはグリーンの組。髪を緑に染めての気合の入れようも、甲斐あったようで何より。
走り高跳び、砲丸投げ(この2種目はふるわず)、走り幅跳び1位、100mでは予選も決勝も1位の結果を残し、チーム優勝にも貢献できた。



2011年生まれ(5、6年生)の〈age champion〉として表彰され、メダルを手に鼻高高の帰宅。
この年代わけは、日本ではほとんど耳にしない。


ぼくも頑張った。マラソンで負けた子に今度は勝って1位。その子、20分くらい泣いていた。
二人の頑張りに、男組はゴールドコーストに1泊の予定を組んだ…。

ただ、兄はこの22日にも5校が競うサッカートーナメント大会に代表として参加した。会場は父親の母校のグランドだったとか。結果は惜しくも2位。



これだけの頑張りに、「ダディと二人がいい」という思いが受け入れられることになった。
兄弟にある歳の差。弟はめいっぱい兄の後を追うが、兄には多少の譲歩がついて回るという不満が残りがち。
Lukasは次の機会にと納得し、兄を送り出したようだ。

今日から彼らは2週間のホリデー。

  Principal's News   より    
・・・略…
...ford 1-0. Not long after, Tyler got onto the ball not far from goal, beat one, then another….and then time stood still. 2 feet out, all he had to do was put his foot through it and it was a goal. But the connection was barely there. Surely the keeper would save it. Maybe it was sheer will power that forced the ball to keep rolling, oh so slowly, past a hapless keeper. Goal. And suddenly it was within touching distance. Confidence coursing through their veins and it wasn’t long ‘til the death nail was added. Game over. 3-0, and the Grand Final beckoned.
・・・



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GO GO 孫まご やってみなはれ

2022年05月05日 | 娘家族 in AUS
ラグビーシーズンを迎えたオーストラリアで、孫のTylerは地域のAFL(Australian Football League)チームへの加入を決めた。
昨年5月に帰国。間もない頃に見学はしたが、もう少し英語に慣れてからという本人の思いが強かったのを聞いていた。1年経って、彼の気持ちも変わった。

 

同年齢のチーム。これまでのラグビーとの違いもあり、まだまだこれからだが、とりあえず初めての試合も経験したという。ここからまた何かを得ていくのだろう。

弟のLukasは、父親と兄とブロンコスのユニホームを着てスタジアムデビュー。テレビでしか知らないラグビーの生観戦に「Go BRONCOS~!」の声援を送り続けたらしい。送られた動画で見た開始前のセレモニーの賑やかなこと。花火に煙幕、電飾、音響。


  

翌金曜日、Tylerは学校で授業中にこっくりこっくり。心配して事情を聴いた先生からは「それでは眠くもなるな」といったふうな言葉が戻ってきたとか。ところが、「さあ、サッカーの授業ですよ」となったとたんの覚醒で、みんなに大笑いをされたとさ。これでいい。めでたしめでたし?

Lukasは友達とサッカーに夢中なのだそう。そして、女の子に毎日プロポーズされているんだって。これもまた良し、か。
平素は大笑いなど忘れているところに、愉しい話題を提供してくれている。それだけでもありがたいこと。

「親バカというのは子供の将来についての徹底した楽観論(中略)親バカ精神は教育の基本」といった文言が地元紙の朝刊コラムにあった(5/5付)。江戸時代も現代も変わらずに、家庭教育にこの精神は大賛成。
外部に向けては気恥ずかしくもあるが、ま、子供の日の孫バカぶりを一つ二つ。
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動くコアラ

2022年04月26日 | 娘家族 in AUS
「月曜はアンザックデーだったので、また3連休でした」と娘から。イースター休暇が明けて、ようやく火曜日(19日)から学校が始まったなと思っていたところですのに。
ところで、アンザックデーって…? 聞いたことはあるという記憶だけはあるものの結局、なんだった?とネットで調べてみました。

Australian and New Zealand Army Corps という意味で、戦争に参加したオーストラリア・ニュージーランドの軍団をアンザック(頭文字をとってANZAC)軍と呼びました。
そして、アンザックデーに定められている日は、1915年4月25日の第一次世界大戦中に、 アンザック軍が当時オスマン帝国と呼ばれていたトルコのガリポリ半島へ上陸した日 です。
この日から8カ月も続いたこの戦いで、1万人以上のアンザック軍が命を落としました。

戦後にこの日が戦没者を追悼する日として定められ、現在はガリポリ半島上陸作戦で命を落としたアンザック軍だけではなく、他の戦争やその時に活躍した看護師など、 戦争に関わった全ての人たちを追悼する日 になっています。



動いているコアラの動画も送られてきました。動くのを見たのは初めてでした。動画から切り取ってみたところ。






移動開始、よじ登るも、ひょいとジャンプでもするかのように素早く枝に移り、上は混み合って3頭が団子状態、それでも落ちずにお尻を見せながら方向転換し、…。

気候変動や森林火災、伝染病などがコアラの命を危険にさらしていて、オーストラリアの野生で暮らすコアラは絶滅しつつあるとか。政府は保護のレベルを引き上げた、という記事がジュニア版に載ったことがありました。昼間は眠っていることが多いと聞くコアラ。
動くということは、死んでいないということ。
つまり、生きているということです。

戦没者を追悼する日なんて増えないことを祈るばかりです。
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スペシャルモーニングティーを

2022年04月04日 | 娘家族 in AUS

先週4月1日金曜日を最後に、オーストラリアに住む孫たち3人はイースター休暇に入りました。
その数日前の晩のことです。

「おれ、がんばってるねんけどな…。おれ、選ばれてん」
「えっとぉ、スペシャルモーニングティで男と女と あのー なんかー お菓子とか食べんねん」

オーストラリアに住む5歳の孫が、電話口で言葉に詰まりながら一生懸命に報告してくれるのです。母親によるとこういうことになります。
〈1学期に最も頑張った子が男女から一人ずつ選ばれ、4月1日の朝、校長先生と一緒にお菓子を食べながらお話するスペシャルモーニングティの時間がプレゼントされた〉

4歳半まで日本で生まれ育って英語力はないという言葉の不自由さを抱えながら、日々どう意思疎通を図っているのかと想像しますが、まあ、わかるはずありません。そして校長先生とのティータイムだって、どんな具合で過ごすのか、やはり思ってみてもわかりません。へらへら笑って済ませたのでしょうか。タイミングをとらえ、またしても先生方は一人の子供の存在を上手にすくい上げてくれたものです。

以前、幼稚園長であり大学で講師をもなさる山下太郎氏が、昔話の「こぶとりじいさん」「花さかじいさん」を引いてお話された中で、教えられたことがあります。
人として誠実に生き、目の前の道を喜びをもって一歩一歩進めば、きっと「何かよいこと」につながっている。それには、子供時代にどれだけ遊びに没入し、創意工夫を凝らしたかがポイントになると言われ、ここに幼児教育の意義があるというお話でした。
ただ、「何か」が何かは、あとになって振り返ったときに、今の自分につながった「何か」に気づかされるというわけです。

どうだったのかな?
「今日はスイミングの授業もあってお疲れ。もうおやすみになりました。お菓子があまり口に合わなかったらしいわ」
様子を聞きたいと思っていたのですが、あの元気者がはやばやと寝てしまったというので、母親との話に笑いがこぼれました。で、今日を持っていまだわかりません。


カメさんの歩みでもいいのです。
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クロスカントリー大会

2022年03月24日 | 娘家族 in AUS
クロスカントリー大会があったようで写真が送られてきた。

  

ペース配分などあるはずもなく、「途中まで1位だったのよ。ゴール前で抜かれちゃって」

 

「なんか知らないうちに6年生が1位だって。タイラーは3位」
何を聞いてもあやふやで、距離すらはっきりせずに800メートルと3~4キロなどと返ってくる。

娘家族が大阪に住まいしていた折、留守を預かった日にはLukasと公園を3つ、4つとはしごして、歩いて走って脚力を鍛え、日ごと逞しさを増した幼子だった。なんとなく疲れた。なんとなくPCひらいて一日過ごした。私には公園はしごの後遺症が残ったものだ。体つきが大きくなったように見える。

やる気があるから走る? いや、走ることにがむしゃらになるから、心が動き始める。似ているようで、ちょっと違う。つまり、楽しいから笑うのではなく、笑っているうちに楽しくなる、というあれだ。ややこしい。長距離走が苦手だった者からすれば、どう気持ちを集中したとしても持久力はアップアップ、到底楽しくなどは走れない。
取り柄。なんであっても個の目立つ表現の一つであれば長所とか特技とか言い換えてもよいのだろう。

 


走ってばかりじゃ身が持たぬ、と始めたバスケット。大きなボールを抱え、…4、5、6歩はみごとなキャリング。形は様になっているけど、リングまでボールが上がらない。両手を握りしめ吠えてみせても、やっぱりまだ幼い。

来週はイースターで休暇らしい。休みばっかりと母親は小さな悲鳴をあげるが、子供と過ごす時間は短いのだから楽しむことだろう。
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新年度始まる

2022年02月12日 | 娘家族 in AUS
2週間遅れとなって7日、オーストラリアに住む孫たち3人の新年度の学校生活が始まった。
5歳児Lukasはプレップ入学だが、日本的な入学「式」は行われない。何度か通ったキンディでの顔見知り、プレイグループでお世話になった先生もいるというのは、心強い部分ではあるのだろうか。親にとって? 上2人も5年生と11年(高2)生にそれぞれに進級した。


プレップでの担任は“評判の良い”先生でよかった、と母親は言う。いつの世も、どこの国でも、保護者には似たような話題があるものだ。送りの母親にニコニコとバイバイするには数日かかった様子で、この週末のLukasの解放感に思いを馳せる。


Tylerも一番の仲良しと同クラスで親子でバンザイ。クラスわけにはおそらく配慮もあった事だろう。
休み時間になるとプレップの教室近くまで、兄のTylerか彼の友達が、毎日Lukasをチェックしに行っていたという。初日には「一人でランチ食べてた」と報告があり、「今日はこけて膝をケガしていた」「今日は頭を打ってアイスパックしてもらってた」とか、「休み時間は友達と遊んでいたのが見えたから、そのまま声かけなかった」などなど。
たくさんのお兄ちゃんがいてくれて、見守り隊もちゃんと気配りできるしで、彼らのやさしさを感じている。

どうしても言葉の壁に思いが行くが、姉が日本で8ヵ月を過ごし、すっかり英語を忘れての帰国後のキンディでも、特別問題なく過ごしていたことを思い出しもする。一朝一夕には解決しないこと。気長に、「言葉」を越えた子供の適応力を信じようと、さほどの不安感は私にもないのだが…。

ずいぶん以前のことになるが、ブラジルやペルー、中国から親が日本に働きに来た子供たちの放課後を支える活動に、立ち上げ時から参加していたことがあった。日本語を全く解さない子供は多くいて、当時はまだ小学校でのサポートも不十分なまま、授業中は座り続けて一日が終わるのを待つ子供たちだった。
母国語で会話し、バスケットリンクの周りでひたすら仲間と身体を動かしていた。ここでは日本語をあえて教えようなどとはしなかった。そのうち、一人、二人と姿が消えた。
親の事情に振り回される子供たち。宿題を広げる子は恵まれていたのだ。そうそう、名前はキーちゃんだった。帰国後、中国から何度か手紙が届いていたのを思い出す。

私は彼らの国の言葉を話せないので、もっぱら一緒に遊んだり、片隅では若い女性たち数人がテキストを広げて日本語の勉強をしてもいたので、ちょっとお手伝いさせていただくくらいだった。

環境、条件は異なる。思いが伝わらないもどかしさを抱えながらも、二人とも笑顔が絶えない日々であってとだけは願っている。
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収穫を問うなかれ

2022年01月31日 | 娘家族 in AUS

予定通りに休校措置が解除されれば、来週7日からいよいよ新年度の学校が始まる。
5歳児ルーカスはプレップに入学。兄とお揃いの制服があり、靴も黒の指定で揃えたといい、写真を送ってくれた。Photo by Tyler。兄による撮影に表情も和んで柔らかい。

なのに、「幼稚園メンドイ」なんていうのはどういう意味? たまに聞かされるけれど。
長い休暇を家族でたっぷり楽しんで、いろいろな体験をしたはずだ。海に山に川に遊び、カラオケデビューもして…。

《種は、不思議が詰まったカプセル》 これは何かの標語だったと思う。種は見えないところで芽を出して、根を伸ばし養分を貯え、ゆっくりゆっくり時間をかけて成長していく。人もそうだろう。好きなように根を張って、明日どんな花を咲かせるか…。目前の「収穫を問うなかれ」だった。

ビデオ電話をかけてきたが、そう毎日話すこともなく間が持てない。「またあとでかけようか」「うん、そうしよ」「じゃあな」「じゃあね」
えっ!? ルーカス、「じゃあな」って言った!
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夏のクリスマス

2021年12月21日 | 娘家族 in AUS
昨日、二つ目の荷物も無事に届いたと聞かされて、本当にひと安心しました。
同じ船に揺られて、同じ日に陸揚げされて、配送されていくのでしょうに。ただただ娘は「よくあることだから」と。「どうなってるんですか?}とひと言言いたいくらいでいました。プンプンしったってつまりません。こころはまあるくまあるく。そうは言っても、なにか腑に落ちません。どうして一度で済まないのか、フシギです。

権力のある?姉様のひと言で、またまた彼女が帰るまで荷物は開けられないのだとかでした。
そのためかどうか、残った家族はシティーへ繰り出して、プロジェクションマッピングを楽しんできたと。





学校はすでにお休みです。今日は下二人、髪を染めて。
 

赤っぽいのがyler、Lukasは緑色に。
洗えばとれるんだと聞いて、ホッ。

夏のクリスマスです。
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“笑ふてくらせ ふふふふふ”

2021年12月17日 | 娘家族 in AUS
10月7日に段ボール2個で発送した荷物が、昨日やっとこのことで娘家族のもとに届いた。
母親たちが外出中で孫娘が受け取り、写真が送られてきた。そして彼女はアルバイトに出かけた。「いない間にあけんといて」と言って。
そんなこんなをLINEでおしゃべりしていると、「あけよーよっ!」って声が入る。Jessieの帰りは夜9時半を回るという。


♪お掃除おそうじ~、そんな楽しくもないが、せっせと掃除をしているところに「今朝、開けましたー」とメッセージが入った。
「ダディはダイエット中で、お菓子食べたらあかんし。ウッシッシ」はTyler。誕生日のプレゼントにバッグを入れたのだが、さっそくこれからTylerとのアート・ミュージアム行きに使わせてもらう、とひと言。
届いて開けるまでのわくわく感。一晩持越しではあったが、あれこれの想像も膨らみ、楽しんだことだろう。“何ごとも笑ふてくらせ ふふふふふ”

ただ、届いた荷物は2個中の1箱だけ。じゃあ、もう一つはどこへ!?と心配するのが日本人? 「別々に届くんやろ」とまあ鷹揚に構えて待っている。結果、今日は届かなかった。。5歳児Lukas君、何度も何度も「荷物一個しか届いてないでー」って。そんなこと向こうで確かめなされ!

風で枝を離れた葉がフロントガラスに当たり、細かい雨が降ったり止んだり。ライトが必要な薄暗さの中を、所用先から逢坂山を京都側へと下っていた。
カーブを抜けた瞬間、真正面に日没前のオレンジ色の見事な太陽があって、目がくらんだ。午後4時43分。
帰りつくころにはお月さんがあがっていた。このあと雪は降るのかしら…。
                           
                        (小林良正さんの ほほえみ地蔵)
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