フツーの見方

フツーの論理で考えれば当然だと思うことが、なぜかマスコミでは出てこない。そんな意見を書き残しておきたいと考えてます。

『宮崎口蹄疫騒動を検証する』を読んで

2010-09-03 | Weblog

[GEN 770] 宮崎口蹄疫騒動を検証する【第17回】 (原田 和明)
http://archive.mag2.com/0000083496/index.html

 表題のメルマガを読んでこれまでの認識がひっくり返ってしまった。私もまだまだニュースやネット情報にだまされていたらしい。メルマガはまだ継続中で、バックナンバーも公開されているのでぜひ読んでもらいたいのだが、難解な用語も多いし、時系列や話題が飛ぶのでフォローしづらいと思われるので、一応ケジメとして私なりに理解した範囲で整理してみた。
 このメルマガは結構有名みたいなので、東国原知事もおそらく読んでいるんじゃないかな。あまりにマスゴミ報道と違っていて農水省の犯罪を告発する内容を含むので公式には言及できないのだろうと思っている。
 当然マスゴミ記者は知っていても自分たちのデマ報道を認める訳もない。

 結果的に見ると、大筋は初期に批判の声を上げた木村盛世氏の意見が正しかったように思われる。ということで下記のブログも参考にしたが、こちらは基本的に医学的な視点であり、さすがに農水省の隠蔽工作までは論じていない。また、一部の記述に関してはネット上で反論もある。
 いずれにせよ、私ではこれらの情報の真偽を検証することまではできませんから信憑性の判断は各自に任せます。

口蹄疫問題を考える―危機管理の立場から―vol.1~8― (木村盛世のメディカル・ジオポリティクス カフェ)2010年5月~7月
http://kimuramoriyo.blogspot.com/

検索で見つかった反論の例も一応目を通したという意味で記しておこう。

木村盛世氏のブログエントリー「口蹄疫問題を考える―危機管理の立場から―vol.6 清浄国(FMD free)のお墨付きは意味があるのか。」に対する指摘 (plecostomus1の日記)2010-06-15
http://d.hatena.ne.jp/plecostomus1/

ウイルスとワクチンの歴史に関してのサイトはこちらが有名。

人獣共通感染症 第116回 口蹄疫との共生 (日本獣医学会)
http://wwwsoc.nii.ac.jp/jsvs/05_byouki/prion/pf116.htm
英国に口蹄疫が出現したのは1839年で、アルゼンチンから輸入した肉や乾草についてきたものと推測されています。19世紀には地方病として定着し、農民に大きな被害を与えてきました。そして1892年から、発病した動物とその周辺のすべての動物を殺処分する方式(stamping out)が始まりました。
 ところが、1920年代に起きた発生では、殺処分対象の動物数が多くなりすぎて、順番が回ってくる前に回復する動物が出始めて、農民は殺処分に疑問を持つようになりました。殺処分するか、それとも口蹄疫と共存するかという議論が起こり、議会での投票の結果、わずかの差で殺処分が勝ったと伝えられています。これが現在まで続いているわけです。

日本の学術的な論文。

口蹄疫ウイルスと口蹄疫の病性について (村上洋介)1997年
http://ss.niah.affrc.go.jp/disease/FMD/japan/murakami.html

 ということで、色々と総合した私なりのまとめ。
※元記事では婉曲的に書いてある所も 個人の意見として かなり勝手に断定して書いてます。それと私も医学の専門ではないので誤読している部分もあるかも知れない。原則的には元のメルマガ類を参照して下さい。

 まず第一に、口蹄疫は大した病気ではなく、昔から群れに広まっては自然治癒して群れ全体の免疫を獲得してきたと考えられる。よく言われるよだれが多量に出て食欲が減るといった症状はかなり重症化したケースと思われるが、その場合でも成牛の致死率はごく低い(<<3%)。子牛の場合は元々体力が弱いため食が細くなれば死亡率が上がるのは当然であろう。
 口蹄疫から回復した牛で賞を取った例もあり、絶対的に商品価値が落ちる訳ではない。非清浄国である中国は豚も牛も生産量は非常に多く、畜産業に致命的と言うことも無い。

 少なくとも殺処分しなければならないという科学的根拠は希薄。国際的ルールでもない。

 動物衛生研究所(家畜衛生試験所)の検査結果はねつ造の疑いが強い。ウイルスの証拠は全く外部検証されていない。今回でも5例目からはウイルス検査したかどうかも曖昧である。国際機関の協力申し出を拒否しているのも不自然。

 前回、2000年に宮崎県で発生したとされる口蹄疫はウイルスが検出されていない上に、症状も口蹄疫とはまったく異なることから、誤診だった可能性が高い。家畜衛生試験所はその誤りを認識しながら、農家の保護よりも組織防衛を優先し、北海道の事例をねつ造してまで隠蔽工作に走った。これ以後まともな検査手順が守られず、ねつ造体質になったと考えられる。
 家伝法は国民の財産を国が勝手に処分する重大な法律なのに検査方法も規定されていない等、問題点が多い。検査機関が一カ所しかないのはどう考えてもまずいだろう。

 今回、口蹄疫の遺伝子検査により感染疑いが見つかった複数の農場で採取された数十検体から感染後1~2週間程度でできるとされる抗体が確認されていた。
 それは発症が見つかる前に(農場主も気が付かないうちに)、既に口蹄疫に感染したことがある家畜が多数いたということである。

 これまで日本が口蹄疫に対して清浄国であったというのも、ウイルス検査をしなかったから発見されなかっただけ。今回は、たまたま検査してしまい、一部が引っかかったということだろう。だから今回のウイルス感染源を特定するのは非常に困難。

 従って、ネットの噂で指摘された安愚楽牧場が発生源というのも根拠無しということになる。安愚楽が主張していたように風邪のような別の病気だったのかも知れない。ただし法律違反の移動や隠蔽工作がなかったかどうかは不明。(預託事業に関してはどう見ても欺瞞。)

 日本は口蹄疫がない「清浄国」という建前なので、疫学調査チームは水牛農家に発生源を押し付けたと推定される。実際、発症した家畜だけしか検査せず、ウイルスの型も特定せず、周辺農場の立入調査をした様子もなく、まともな「疫学調査」が行なわれた証拠・報告がない。宮崎県だけで発症した理由の説明も出来ていない。

 すなわち、農水省も口蹄疫が常時存在する病気であることを知っていて隠蔽を画策したと考えられる。そもそも厚労省の技官が指摘した様な内容を農水省が知らないはずもない。

 一方で、農水省は備蓄用としてワクチンの大量購入をしていた。現実には、口蹄疫ウイルスには多くのタイプがあり、ワクチンは流行株に適合しなければ効果が薄いため、無駄になる確率が高い。役に立とうが立つまいが予算をつけてそこから関連企業や天下り組織へ回すのは役人の常套手段。ワクチンの製品選択は業者任せにして業者選定の所で癒着できる。

 伝染病の発生は、ワクチンや消毒薬の購入で製薬業者が潤う(当然官僚にも見返り)。有効性に疑問のあるワクチンを大量購入して大儲けした前回(厚労省)の豚インフルエンザ騒動にならい、役人と業者が騒ぎを演出した可能性が高い。

 所が現場がパニックに陥り、類似症状が各所で報告され、宮崎県畜産試験場ではウイルス検査結果が出る前に殺処分を始めてしまった(法律違反)。これを口蹄疫でないとすると違法行為の責任が追究されるため全て陽性とせざるを得ず、範囲が拡大し予想以上(?)の大事になった。

 そこで(これ幸いと?)ワクチン接種により収拾を計った。ワクチン在庫処分と使用実績作りもでき、今後の予算上積みも請求できる。 → 実際権限強化の方針を打ち出している。

 みなし患畜に対するワクチン接種&殺処分は財産権侵害の可能性が高い。赤松大臣は慎重だったが山田大臣になって推進された。もしかしたら赤松大臣の失脚も役人に演出されたのかも知れない(ネット住人もうまく乗せられたのか)。山田大臣に法律や疫学に関する知識は乏しく、ほとんど官僚の言いなりだったと思われる。種牛の処分だけは山田大臣の意向が強かったかも知れない。

赤松農林水産大臣記者会見概要 (農水省)平成22年5月18日
http://www.maff.go.jp/j/press-conf/min/100518.html
今の家畜伝染(病)予防法では、疑似患畜、あるいは患畜のものしか、殺処分できないわけですから、これは、人の財産権を侵す話ですから、それは、人のものだけれど、「とにかく、お前のところもうつるかも知れないから、勝手に殺すぞ」と言って、それは処分するというわけにはいかないと思います。

 宮崎の首長たちが共同して、ワクチン接種に反旗を翻したとたんに、地元畜産業界の希望の星である「忠富士」の検体を要求され、ウイルス型も不明な検査報告の末に殺処分されてしまった。下の記事でも目立った症状は出ていなかったとある。地方の反乱鎮圧のために種牛が血祭りにあげられた可能性がある。その後、知事もワクチン接種を受け入れた。

エース級種牛、残る5頭は1週間の経過観察 口蹄疫 (asahi.com)2010年5月22日
http://www.asahi.com/national/update/0522/SEB201005220012.html

 ワクチン接種から感染するという問題が現実に多数発生した。5月28日発表の221例目から6月8日の279例目までの発症例は、農水省と宮崎県のプレスリリースによれば、すべてワクチン接種を受けた家畜である。

 ワクチン接種による口蹄疫の発生、さらに口蹄疫から簡単に快復する牛がいる事実を隠すため、農水省はPCR検査によるウイルス判定結果を待たずに、ワクチン接種を受けた家畜の殺処分を始めなければならなくなり「臨床所見」判定が採用された。
国際ルールでは、口蹄疫と類似の症状を示す病気はいくつもあるため、臨床検査に加えてウイルスも特定しなければ口蹄疫だと確定できないことになっており、これは完全なルール違反である。

 全ての家畜(患畜とは限らない)を殺処分して証拠を隠滅し、事態の収拾となった。

 OIEは02年の総会で、ワクチン接種した家畜に自然感染による抗体がないことを証明すれば6ケ月後に清浄国に戻れる「第3の選択肢」を加えた。その場合、殺処分は接種した家畜すべてではなく、自然感染による抗体があるものだけでよい。マーカーワクチンなら判別可能。
 欧州では自然感染による抗体の有無を識別する研究が進んでおり、市販検査キットが01年に発売され、抗体検出の信頼性確認の成績も報告されている。
 これに言及したインタビューの朝日新聞記事はあまりに掲載タイミングが遅く、作為が感じられる。
 他のマスゴミも、上記のような殺さなくて済む対策についての報道はほとんどなかった。

 清浄国であることは、和牛輸出のためより、価格が安い非清浄国からの禁輸を正当化するために必要なのである。国際的には割高なアメリカからの輸入を守ることがアメリカの下僕である官僚にとっては絶対命題である。これにより牛肉価格の大幅下落が抑えられるので国内農家にもメリットがあり、国には逆らえない。県もこれから復興予算をもらいに行く立場だ。もはや知事も当たり障りのないことしか書いてない。

 最後に、騒動が収まればマスゴミはもう検証はしない。アラが出るのが分っているだろうし、国民も終わったことには興味を持たないからだ。事実、宮崎以外の国民はもう気にかけていないだろう。(フツーの牛肉の値段はほとんど変わっていないし。)

大体以上かな。

 この流れで確かに整合が取れている気がする。組織防衛が第一の役人とはいえ、ここまで非道いことができるものだろうか?
 しかし例えば、エコポイントでも必要以上に仕組みを複雑化して事務処理用の組織を作って税金を流している。マスゴミも、天下りの作れない子供手当は不公平だから廃止すべき、なのに、金持ちだけがもらえるエコポイントは景気のためと称して延長容認の方向で世論誘導している。本当に国民のためにならないタッグ関係がある。
 どの官庁でも似た事例はいくつも見つかるはずだ。(今回はむしろ農水省が厚労省を真似たのだろう。)つまり今回の例が初めてなら役人も良心の呵責を感じるかも知れないが、これまでも類例があり、他部署でもやってることだ、となれば何も感じないのであろう。

 私が考えるには、今の公務員のシステムでは役人は国民の利益より組織や前任者を守った方が得になるので、どうしたって組織防衛に走る。役人が過去の悪事や現在の無駄遣いを暴いた方が得になるシステムにするのが最も良い汚職防止になると思う。
 無論、天下りも問題なのだが、実際問題として天下り禁止は無理である。彼らも生活がかかるので必死になって抜け道を作り出すだけだ。それに民間企業だって再就職先の世話をするのは常識である。マスゴミ誘導で天下り禁止や公務員数&給与削減ばかりに議論限定されているようでは進展はない。
 役人の人間性が元から“悪”なはずもなく、システムが悪事に走らせるのだ。国民の利益になった役人にはその功労に相応しい高給を払っても良いし、仕事量に見合った人員は必要である。
 そういったシステムの実現には公務員を論破し統括できるレベルの政治家+スタッフが必要だろう。前にも書いたが今の政治家には人材がいないし有能なスタッフが集まる仕組みも無い。まだ道は遠い。

 詳細なウイルス検査結果が情報公開されれば、ねつ造の痕跡が見つけられるかも知れない。だがそれゆえ公表は拒否されるだろう。心ある人の内部告発に期待したいが、検証の手段はないわけではない。
 「忠富士」等、クロとされた検体が地元に残っていれば、他の国際的な検査機関で再検査して貰えばよい。
 あるいは大学等が学術調査として、各地の牛の抗体検査を行って実際に口蹄疫ウイルスの抗体がありふれていないか調べてみれば良い。ただ、正確な割合を評価するにはある程度の規模が必要で予算も要るし大学も役所の告発につながることは出来ないかな。
 農家の方も役所に非関税障壁で守られている立場なので口蹄疫の真相究明には協力してくれないかも知れない。感染が判れば殺されかねないし。

 いつか、口蹄疫が怖れる病気ではなく、殺さない対策の方が(他国で)一般化するまでは誰も検証しようとしないのだろう。

 学術的に検証するための問題としては早期に殺処分されてしまうので口蹄疫による直接被害の実データが少ないことだ。
感染した牛が簡単に回復してしまったという目撃例と、初期の報告にある発症した牛の成長遅れや子牛への被害例とではかなり印象が異なる。多分、報告例は特に重症化した例ではないかと思われる。論文では典型的な病例として重症化した例をあげるものだ。
一方、現実には重症化するものは少数で多くは軽症で快復し集団としての免疫を確保していくのが自然の摂理だろう。(でなければ牛や豚は絶滅してるはずだ。感染力が非常に強い病気に対しては強い耐性を持っている種でなければ淘汰されていく。だから現在の牛豚は死亡率が極めて低いのだろう。)
 またインフルエンザ同様、ウイルスの種類や牛の飼い方(集団的健康状態)によっても当然変わるだろう。
 ということで本来は、集団として一部重症化する損失と全頭処分する損失とどちらが経済的に有利かという問題ではないだろうか。この集団的な分布に関してのデータや本当に現在も感染した家畜の成長遅れは問題になるほどなのか、が殺処分すると分らない。
 怖い病気でないと分れば薬が売れなくなるので困るのだろう。(癌と同じ。)

 ただし元のメルマガの論点は、前回および今回の騒動は本当の口蹄疫ではなく農水省のねつ造の疑いがあること、を発表されたデータを基に検証する内容が主と思われるので、口蹄疫の脅威の真偽は二次的な話である。

 私としては、メルマガに記された詳細なデータ検証、国際ルールを無視した農水省の検査手順、および他の官僚+製薬会社のワクチン利権の疑惑を総合すると、かなり信憑性は高いと考えている。
 国家官僚レベルの陰謀となると確証はほとんど出てこないと思われるが、結果的に誰が得をしたのか、同じ様な例が他にないかと見てみれば、製薬業界(医療業界)+官僚がらみの利権話はあまりに多いと言わざるを得ない。それに公害や薬害事件が起きた時、厚労省含め役所は原則的に医薬業界サイドの肩を持つような態度を取るのはなぜか。
 公共工事の入札談合と同様に、これらをすべて偶然だと考えられるだろうか。


-------(改訂したら文字数制限に引っかかったので分割しました。)------

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