我が家の近所を散歩していると、父の声が聞こえてきました。
「ついてきたのかなぁ。」と、思って回りを見渡しても、父の存在がありません。
家の帰って、部屋を覗いてみれば、いつもの父のいる場所に、ちゃんと父が座って新聞を読んでいました。
「ああ、家の中から声を出していたんだなぁ。」と、納得しました。
それにしても、かなり大きな声でないと、あんな遠くまで聞こえないんじゃないか。と思うんです。
元々、声がでかい父が、咳払いなんかすると、もう耳をふさぎたくなるくらい耳につんざくのです。
その上、最近は、家でふさぎこんでいることが多くなった父は、発散する場所が無いのです。
だから、でかい声で、「おー。」とか、「おーい。」とか、訳のわからないことを叫ぶのです。
何か、趣味でも見つけて、自分を発散させればいいのに。と、思うのです。
うちの家は、壁が薄くて、ちょっとした音も外に漏れてしまうのです。
そんな家で、叫ばれた日には、家族は赤面などしてしまうのです。
自分の声がでかい。ってことを自覚してもらわないと、「あの家には、変な人が住んでいる。」という、妙な噂が立ってしまいます。
ああいう変な癖がつくと、外でもやってしまうんじゃないか。と、ハラハラしてしまう私です。