職員室通信・600字の教育学

小高進の職員室通信 ①教育コミュニティ編 ②教師の授業修業編 ③日常行事編 ④主任会トピックス編 ⑤あれこれ特集記事編

★帰りの会の「30秒間スピーチ」で鍛えたら、実験群の圧勝だった(教師修業シリーズ・職員室通信)

2014-09-05 13:46:02 | 僕のモンマルトル日記

 

職員室通信
〈主任会トピックス編〉
★「ホンネが好き」「新しモン好き」「いらち」「厚かましい」僕の愚かな実践
2014
09.05

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  ◆帰りの会の「30秒間スピーチ」で鍛えたら、実験群の圧勝だった  

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★学校にとって年度はじめは「黄金の3日間」だ。
 1学期はじめの3日間で、きちんと学級のカタチをつくることができれば、それは1年間続く。

 2学期はじめも同じことがいえる。
 もう一度、本校の〈授業力向上の5原則〉も見直そう。
 〈学力向上の5原則〉も見直そう。
 学級・学年・委員会活動など、子どもが動く「しくみ」をすべてチェックしよう。

★まず、朝の会と帰りの会を、教育哲学する。
 毎日の短学活は、飛び飛びにある教科と異なり、毎日、連続的に保証されている「子どもを育て鍛える場」だ。
 「向上的変容の場」だ。

 めざす生徒像を具体的に設定し、仮説を立てて――すなわち、朝と帰りの会で、こういう実践を継続していけば、こういう生徒になる……こういう力を身につけることができる、と――ねばり強く取り組むと、信じられないくらい大きな力になる。

 朝の会と帰りの会をいい加減に取り組んだ学校・学年・学級とは、大きな差になってあらわれる。
 サムライ中伝統の朝と帰りの会の合唱についても、①この取り組みが合唱のレベルの高さにつながっている……ともいえるし、②この取り組みの差が各学年・学級のレベルの差になっている……ともいえる。

 こういう観点から、各学年・各学級で「朝と帰りの会」について「教育哲学」しよう。

★なお、参考として、僕自身の数々の実践のなかで――「ホンネが好き」「厚かましい」「新しモン好き」「いらち」「抜け目がない」大阪人の僕の場合、愚かな実践も多かった。校長から「小高さん、学校はスーパーマーケットではない」とよく叱られたものだ。でも――明らかに効果があったもの、明らかに子どもが変容した実践もある。

 その中から4つ紹介する。

1.帰りの会の〈30秒間スピーチ〉で鍛える
 ①30秒間スピーチ。1日2人。
 ②スピーチの中に必ず3種類――3つではない。3種類――の接続詞を含ませる。
 ③教室の後ろに大書した「接続詞一覧表」を掲示。
 例=〈「逆接」しかし・だが…… 「順接」それで・すると・だから……〉
 〈ねらい〉
 ア)会話の一文を短かくさせる。
 イ)論理的に話せるようにする。
 子どもたちは激変した。
 半年後(←正確な日数は失念)、実験群(僕の学級)と統制群(他の学級)に分け、調査した。
 方法は、グループ(学級36人、6人グループを6つ編成)の話し合い活動を録音し、話し合い中の「接続詞」の数を比較した。
 実験群の圧勝だった。
 歴然と、もう、10と0というくらい、圧倒的な差があった。

2.壁読み(音読)で鍛える(国語科との連携)
 ①国語の時間に、一人一人、教室の前側(黒板)、後側(掲示板&背面黒板)、左側(窓側)、右側(廊下側)、この4面の「壁」に向かって立ち、教科書の指定範囲を各個に音読する。
 ②国語の時間の最初の3分間
 〈ねらい〉
 ア)声を出すことに対する抵抗感を除く
 イ)正しい発声法を習得する
 とにかくガンガン読ませる。
 「壁に当たってはね返って来る自分の声を聞こう」と指導するのがポイントだ。
 声がグングン前に出るようになる。
 教師の位置は教室の真ん中がいい。
 音読指導に慣れないうちは、声の洪水にしか聞こえないが、やがて、○○君の声、☆☆さんの声……と聞き分けることができるようになる。
 これは、生徒の声がグングン前に出るようになるからでもあるが、教師の耳も鍛えられ、聞き分ける力がついてくるからだ。 

3.朝と帰りの会の〈係・委員の発表〉で鍛える
 ①係・当番・委員・役員は原則として前に出て発言させる。
 ②教科係にも口頭でていねいに発表させる。
 大事なところは繰り返させる。
 聞く生徒には、教室じゅう、カッカッカッカッ……とエンピツのシンの音がして肩が波打つくらいにメモを取る。
 〈ねらい〉
 ア)話す際の適切な声量・ペースを覚える
 イ)他の個人差に配慮した語りを身につける 
 ウ)メモのスピードをつける
 「ア」も「イ」も大事だが、「ウ」も大事なポイントだ。
 「肩が波打つくらい」というのが指導の指標・目安になる。
 ノートが速くなると、授業の質が向上する。
 確実に学力にはね返る。

4.帰りの会の〈書く時間〉で鍛える
 ①帰りの会のプログラムの中に、毎週1回、200字程度で書く時間を設定する。
 ②テーマは、内外の諸問題・事件、学校・学級・家・自分に関することなどから設定する。
 ③本人の了解を得た上で(場合によっては匿名で)、次の日の「担任の先生の話」の中で紹介したり、学級通信に掲載したりする。
 〈ねらい〉
 ア)書くことを通して自分の考えを確かめさせる
 イ)自分と異なる他の考えに気づかせる

★例にあげた4つの実践すべてについて、計画的に検証したわけではないので、個人の変容や集団の変容についてのコメントは差し控える。
 しかし、いろいろ試みたなかでは、この4つは――特に「1」は――たしかな手応えがあった。
 子どもが変わっていく、育っていくという実感があった。
 本校の教員もいろいろ実践例を持っている。
 教室巡回のときには必ず朝の会・帰りの会のプログラムをみているので、それは十分にわかっている。
 その上で、毎日の短学活を連続的に保証されている唯一の鍛える・育てる場と位置づけ、仮説(目指す生徒像)を設定し、思い切った実験を試みていきたい。

★画像=体育祭の練習。画像をクリックすると拡大します。



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