二条河原の楽書

京都サンガF.C.を中心にJリーグを楽な感じで綴るサッカー忘備録(予定)

2013 J2第34節 京都vs富山

2013-09-22 | 蹴球

京都サンガF.C.○3-2●カターレ富山
55'酒井隆介
59'横谷繁(p)
          78'木本敬介
89'三平和司
          90'+2苔口卓也


■停滞
 ここ最近の“サンガあるある”として、「前半エンジンのかかりが遅れがち」というのがある。このゲームは登録上横谷繁と山瀬功治の2トップだったが、二人とも中盤でボールを受ける役割で、いわゆる0トップ布陣といって差しつかえなかった。横谷が引いてきて受ける→パス回しで停滞→ボールを失って富山のカウンター→富山がミスをしてくれる→前にボール出す→停滞…前半はだいたいこんな感じでちょっと進んでは停滞する、の繰り返しでエンジンかからず。あえてFWらしいFWを置かないこの布陣の意図に疑問を感じつつ、低調なまま前半終了のホイッスルが鳴った。暑さや降灰の影響もあっただろうが、駒井善成は簡単にボールを失いすぎたし、福村貴幸は簡単に速攻を許しすぎた。


■動くクサビ

 後半になると急に動きがよくなりがちなのもここ最近の京都サンガ。セットプレーから先制点を奪った後にはすっかりエンジンが温まっていた。そして前半は発揮できなかった0トップの意図も明確になる。横谷、山瀬に加えて駒井と工藤浩平の4人は、いわばクサビだ。1トップで使うような大型のクサビではなく、小さいけれどもいろいろな場所に打ち込める動くクサビ。彼らの一人を敵陣に打ち込んで、追い越す動きやリターンを受ける動きで敵陣を崩していく。―そんな意図がクリアになった。
 56分のプレーが象徴的で、ボール受けた横谷がそのままエリアに侵入。前には誰もおらず出し所もなかったが、工藤が囮のように横切り、後ろから山瀬が近付いた。そして山瀬に出しての強烈シュート。富山GK飯田健巳に弾かれたが、そこから得たコーナーキックが2度続き、2点目のPK獲得に繋がっていく。
 去年も最終的に0トップに到達した大木監督。後半からしかエンジンがかからないのと、ダイナミックさに欠けるのは気がかりだが、山瀬と横谷の能力を一番生かせる布陣だとは思う。あとは時間帯によってはシンプルにクロスを入れたり、積極的にミドルを浴びせたり、そこらへんのオプションの充実、ですかね?終盤何となく集中力を欠いて失点を重ね、すんなり逃げ切れなかったのは火山灰による影響ということにしておこう。うん。


〈京右衛門的採点〉
 オ 5.5 …終始灰を気にしてた様子で、割とイージーなシュートで2失点を許す。
安藤 6.0 …後半からは良いタイミングでのカットや駆け上がりでダイナミズムが出た。
酒井 6.0 …スピードでカウンターを封じる動き、大胆な上がりなどゴール以外も見所あり。
バヤリッツァ 5.0 …2失点とも苔口のスピードに対応できなかったことが原因。凡ミス多し。
福村 5.5 …簡単に抜けられてクロス入れられ放題。3点目を呼び込んだ果敢な上がりは評価。
田森 6.0 …中盤での潰しと最終ラインのカバーの役目を堅実にこなす。
倉貫 6.0 …前半はハマらなかったが、後半は前後左右によくバランスを保つ潤滑油に。
工藤 6.5 …飛び出しのタイミングが良く、多くのチャンスを生んだ。前線からのプレスも◎
駒井 5.0 …仕掛けては失い、集中力を欠くプレーも散見。足首を蹴られ負傷交代。
横谷 6.0 …自在に動いてボールを収め、攻撃の基点に。前への積極性があればもっとよかった。
山瀬 6.5 …周囲がよく見えている動きは抜群。3点目を生んだ泥臭い粘りも良かった。
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宮吉 5.5 …最初は硬かったが、サイドと中を往復しながらチャンスによく顔を出した。
三平 6.0 …身体を張るプレーが多かったが、宮吉に落とし、動き直して受けた3点目は見事。
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大木監督 6.0 …またも後半からチームを変える。できれば安心して逃げ切る試合運びを。