哲学者の鷲田小や太(わしだこやた、「や」は弓ヘンに爾)さんに、「まず書いてみる生活」という変わったタイトルの本がある。
まず「書いてみる」生活―「読書」だけではもったいない (祥伝社新書) 価格:¥ 798(税込) 発売日:2006-10 |
文章の書き方、といった本は、小説家などさまざまな人が書いているが、この本は、さすがに、哲学者が書いたものだけあって、「書く」ということの意味から説いているのが、面白い。
鷲田さんによると、
「書くとは、人間だけに備わった能力を、最高度に発揮する行為」、「人間を最高潮の状態に導くアクション」であり、「これほど熱中し、しがいのあるものはない」
のだという。
そして、「徹頭徹尾、一人でできる」書くという行為は、老後の時間の過ごし方としては、最終にして、最高なのだという。
書くということに対する想いが、やや熱過ぎるキライはあるが、
執筆を稼業とされている方ならではの具体的なアドバイスもふんだんに盛り込まれており、また、
「老いと書くこと」という独自の視点も貫かれており、特に、シルバー世代にとって、参考になる一冊ではないか、と思う。