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空間の経験―身体から都市へ (ちくま学芸文庫) | |
クリエーター情報なし | |
筑摩書房 |
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私たちは、普通、身体を持った個の人間として存在し、
身体の外側は自我にとって 外部世界 であり、
どこにいようと私は私だ、、、、、、と考えている。
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このような考え方をする限り、
暮らす場所を変えても自分自身は変わらない。
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しかし、本当にそうなのか ?
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たとえば、京都にいるときの「私」と
東京にいるときの「私」では、明らかに、違う。
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たとえば、街の空気を吸っているときの 肌感覚
( 「生きている」と実感する際の質=内容 )が違う、、、
モノの感じ方や考え方が異なってくる、、、、、
何に生きがいに感じるか、
という価値観も変わってくる、、、などなど。
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こうしたことを敷衍していくと、
暮らしている場所=空間から独立して
(切り離されて)自分があるのでなくて、
「暮らしている家」や「暮らしている街」というのは、
(ようするに自分のいる空間というのは)
外延部分として自我(の一部)を構成している、、、、
と考える方が自然なのかもしれない(とさえ想う)。
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そう考えれば、
「暮らす場所」の選択 は、
通常考えられているよりも
はるかに重要な選択
( 自分自身の「内容」を選択するのに近い選択 )、、、
ということになる。
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付言すれば、今流行りのノマドライフや
マルチハビテーションというのは、
定期的に「暮らす都市=空間」を変えてみることによって
自己(の内容)が固定化していくのを防ぐ意識的な行為、、、
なのだろう。
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( 続く )
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( 追記 )
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冒頭に掲げた「空間の経験」は、
人間存在にとって場所=空間の持つ意味
を考えるのに最適な書物の1つ。
以下は、その内容紹介。
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「 人間にとって空間とは何か ?
それはどんな経験なのだろうか ?
また我々は場所にどのような特別の意味を与え、
どのようにして空間と場所を組織だてていくのだろうか ?
幼児の身体から建築・都市にいたる
空間の諸相を経験というキータームによって
一貫して探究した本書は、
空間と場所を考えるための必読図書である。
著者略歴
トゥアン,イーフー 1930年中国で生まれる。
中国系アメリカ人。
オックスフォード大学で修士号、
カリフォルニア大学バークレー校で博士号取得。
ウィスコンシン大学マディソン校教授。
70年代に現象学的地理学の旗手として颯爽と登場し、
今日では、世界的な第一人者として知られている 」
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