死を前にした人間 | |
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みすず書房 |
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「 本書では、ヨーロッパの中世から現代まで約一千年にわたる、死の迎え方、葬礼、遺言、死後のイメージ、
追慕などの起源や変遷が、数多くの図像・遺言書・墓碑銘・文学作品によって考察される。
そして〈死〉は、五つの類型に整理される。
まず、静かな諦観とともに共同体の一員として死んで行く「飼いならされた死」。
ついで12世紀に始まる、現世へ執着し自分個人が不幸にも死ぬと感じる「己れの死」。
ついで、常に死を身近なものと考えるルネサンス期から18世紀にかけての「遠くて近い死」。
19世紀は家族や恋人の死が強い感情を喚び起こすロマン主義的な「汝の死」の世紀である。
では、現代の死は?
医療技術と衛生観念の進歩のもとで死は隠蔽され、瀕死者はもはや死の主体ではない。
これをアリエスは「倒立した死」と名づける。
『〈子供〉の誕生』で、日常世界を支配する根深い感情すなわち心性(マンタリテ)の歴史叙述
にみごとな成功をおさめた著者による、現代社会と先進文明への思索の結晶である。
著者略歴
アリエス,フィリップ 1914‐1984。
ロワール河畔のブロワで、カトリックで王党派的な家庭に生れる。
ソルボンヌで歴史学を学び、アクション・フランセーズで活躍したこともあったが、
1941‐42年占領下のパリの王立図書館でマルク・ブロックやリュシアン・フェーヴルの著作や『アナル』誌を読む。
家庭的な事情から大学の教職には就かず、熱帯農業にかんする調査機関で働くかたわら歴史研究を行なった。
ユニークな歴史研究を発表し、新しい歴史学の旗手として脚光をあびる
成瀬駒男 1931年横浜市に生れる。1953年東京大学文学部仏文科卒業。修士。
國學院大学文学部教授を務める。1995年8月14日逝去 」(内容紹介)
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