京男雑記帳

洛中で生まれ育った京男が地元視点で見た日常風景や話を雑記的に掲載

ご利益ってどういうこと?

2013年01月29日 05時47分43秒 | 社寺

↑古いお札回収ボックス

昨日の下鴨神社の続き。
さざれ石の隣りに「古神札納所」がありました。
古いお札の処理はどうなさっていますか?
なにげなくお札とか買いませんか?
京都の場合は、山鉾のお札を知り合いからもらったりします。
また町内で平安神宮のお札が配られたいします。
京都市民は氏子ということになっているのかな・・・。
茅の輪だって結構たまってくる。
左義長の時に燃やすとか、吉田神社の火炉祭の時に燃やしてもらう。
いまは、自分で神さんを抜いてゴミにだしますね。
ようするにお札から御霊を抜けばいいだけですから。
まあ、最近のお札に御霊入れをしていないか、入れる力が弱いのか御霊が抜けているだけもものが多いですね。


↑相生神社

お勧めは、うれしがってお札を授与してもらわないことです。
知らないで伏見稲荷のお札と豊川稲荷のお札がいっしょだと思って並べて置いてある家がありましたね。
もし本当に御霊が入っていたらエライ目にあいますよ。


↑連理の賢木とヒモで結ばれています

それはそうと「利益(りえき)」と「ご利益(りやく)」が違うのを知っていますか?
「同じじゃないの?」といわれそうですが、違います。
会社の利益とかの「利益」じゃないの?

「利益(りやく)」は、もともと仏教用語から来ているのです。
意味は、「成仏する、救われる」という意味。
「現世利益(げんせりやく)」といういい方がありますね。
意味は、「現世に生きながら成仏する」ということです。
真言密教や天台宗では、これを「即身成仏(そくしんじょうぶつ)」といいます。
つまり、あの世ではなく、この世で生きながら仏さんになるという意味なんです。
別のいい方をすれば「悟り」を開いたことをいいます。


↑りっぱな鈴です

この利益(りやく)という言葉がいつのまにか経済用語に組み込まれた。
意味は「儲け」という意味。
その「経済」という言葉でも「経世済民(けいせいさいみん)」という言葉からきている。
「経世済民」とは、「世の中を治め人々を救う」の意味。

まとめると、会社なら利益を追求することは、お客様を救う、お客様の利益になるように努力する。お客様は「神様・仏様」ですから結果的に、その「神様・仏様」から会社へご利益(ごりやく)をくださり、企業が救われるという構造になっています。
国家という組織体でも同じ。
そうすれば国家というのも栄えることになる。
国際関係でも構造は同じということになりますね。


↑たくさんのお米が収まっています

いま政府で経済成長なんて言っていますが本当に意味を理解しているのかな・・・。
どうも頭が良すぎる人は、こういう本来の意味をバカにして考えないのかもしれませんね。
国民も「株式が上がった」「円安になった」「ものの値段が上がった」「税金があがった」と喜んでいる。
不思議な国民ですね。

和菓子
中村 肇
河出書房新社

↑これから暫くの間、京男の和菓子本のお知らせをさせてもらいます。説明は1月27日の記事をご覧ください。(色のかわっている部分をクリックすると表示されます)

Twitter→@kyo_otoko
コメント (8)
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