京男雑記帳

洛中で生まれ育った京男が地元視点で見た日常風景や話を雑記的に掲載

重陽

2008年09月06日 06時26分51秒 | 和菓子

鶴屋吉信「御園菊」

もうすぐ9月9日「重陽の節句」。
重陽というと「菊の節句」でもそれは旧暦でのこと。
「重九の節句」ともいいます。


こなし、白あん

陰陽思想では、奇数は陽の数字。
九は、その陽の数字の頂点にある数字。
だからそれが重なるというのは、陽の気が強すぎるので逆に不吉とされ、それを払うために節句の行事が行なわれていた。


鶴屋吉信「嵯峨野」

だから1月7日(人日)、3月3日(上巳)、5月5日(端午)、7月7日(七夕)、9月9日(重陽)は行事をしていた。
人日(じんじつ)って聞きなれない節句でしょ。七種粥を食べることから七草の節句ともいいます。
古来の中国では、正月の1日を鶏の日、2日を狗(犬)の日、3日を猪(豚)の日、4日を羊の日、5日を牛の日、6日を午(馬)の日とし、それぞれの日にはその動物を殺さないようにしていたらしい。7日目を人の日とし、犯罪者に対する刑罰を行なわないことにしていたそうです。


黄身しぐれ製、黒こしあん

その陽が重なる不吉が後世では、吉祥とする考えに転じ、逆に祝い事となったのだそうです。
吉凶などというのは、自分の考え方一つなのね。
な~んやでしょ。でもこれは大切な結論かも。


鶴屋吉信「月兎」

色々書いてみても、どうも新暦でいうと重陽はピンとこない。
満月は9月15日ぐらいだし。菊も一部でしか咲いてない。
まだ残暑も厳しいしね。


上用製、黒こしあん

ちなみに旧暦の重陽は、今年は10月7日(火)です。
それならわかるでしょ。
ちなみに10月15日が満月。
お月見は、10月がいいな。

三種の鶴屋吉信の上生菓子。
色合いがかわいいでしょ。
妙に気に入ってしまいました。
コメント (6)
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする