Firenze

旅の思い出

科学の3つの奇跡

2007-06-21 07:44:08 | Weblog
 鈴木理先生によると、科学には3つの奇跡があるそうです。(文献1)
1)1666年、アイザック・ニュートンによる万有引力の発見、その後の微積分学の構築、光学理論の構築。
2)1905年、アルバート・アインシュタインによる、相対性理論の確立。光量子仮説の発表。原子の実在の証明。
3)1953年、ジェームス・ワトソンとフランシス・クリックによる、DNAの二重ラセンモデル構造の提唱と、遺伝情報が複製される仕組みの解明。

 私が高校生のころ、学校で習う生物と物理は、同じ理科という範疇に入れるにはあまりにもかけはなれているとの気持ちをいつも持っていました。

 第二次世界大戦前に花開いた物理学の研究者が、戦後に目指したのは、生物学を物理のことばで説明することでした。

 20世紀後半の時代は、まさに生物学が分子生物学的手法を用いて、分子のことばで語られた時代であったと思います。

 私の友人 武田俊一先生が、ことあるごとにネイチャー誌、サイエンス誌、セル誌の論文を片手に持って、「感激した」と頬を紅潮させていたのが思い出されます。武田先生が、「自分たちは今 革命の時代に生きているのかもしれない」とぽろりと発言したのが忘れられません。

 まさに、その革命の時代に、生きることができたことを幸せだと感じます。

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(文献1)
鈴木理 著
分子生物学の誕生 奇跡の年1953年(上・下)
細胞工学 別冊 秀潤社 ISBN 4-87962-343-1, 4-87962-345-8