![]() | 月刊 J-novel 2008年 12月号 [雑誌] 価格:¥ 550(税込) 発売日:2008-11-15 |
「アリスメトリック! 算数宇宙の冒険」の第七回目が出ました。
J-Novelの12月号に掲載。
算数宇宙杯の決勝進出もきまり、いよいよ次回で複素平面へとDive! ということになります。
それと、きょう杉並中央図書館で、自分の創作活動についての講演をしてきたのだけれど、職員の方と話をしていたら、泉麻人さんが前日にふらりと図書館に来て、うんぬん……という話になって、びっくり。
いや、びっくりするほどでもないのだけれど、たまたま泉さんの本読んでいたところだから。
ちなみに、彼は杉並にお住まいで、図書館のイベントでいろいろお願いする常連なのだそうです。
講演では、まあ、いろいろ話しましたが、最後の方で、ちょっとPTAの話にもなって、杉並のPTAがいかに「特別か」ということにも触れました。全国的にみて、杉並ほど自由な入退会をきちんとやっているところはないと断言できるし。
ところが、それでも、「入会しません」と言うと、「あなたのお子さんが一切の行事に参加できなくなりますよ」と脅されたというの実話を、聴衆で来ていたお母さんから聞いてしまい、くらーい気持ちに。一見、自主的で望ましい方法をとったがゆえに、よりきつく不寛容が横行してしまう現実を、またも思い知らされてしまっわけっす。
例の岩竹さんも(まだちゃんと紹介してなくてごめんなさい)、ほとんど似た体験をしていて、たぶん杉並区でもだいたいの人がPTAに入る「秘密」はそのあたりにあるのだろうなと推測せざるをえなかったり。
過去の栄光が後世の桎梏になるかも…という仮説を、実は私はうっすらと、全P問研にも(失礼かもしれないけれど)当て嵌めて考えてみたい誘惑に駆られています。FJN拝
いよいよ、見通しのつかない展開に入っていく感じにドキドキします。
マレビトや眷属など、最近の自分のトピックに触れるところがあったり、そして今回は銀(色)の鍵が出て、おおっ、なんて勝手に色めき立ったりしてます。
でも、年配の方好きの僕としては、じいちゃんの体調が一番ドキドキポイントだったり(笑)。
杉並の図書館で創作についての講演会、お聞きしたかった!!
職員向けのだったんですか?
すみませんでした。
子どもが行事に参加できるか否かもさることながら、親がいやいやながらでも役員とかをやって成長する機会が失われるのではないかと。
完全に任意加入にしてしまうと、比較的高学歴・高収入(といっても田舎のことゆえたかがしれてますが)の教育熱心な保護者がたまるサロンのようなことになってしまうような気がしています。
なお、脱退の自由が制度上担保されていることは必要だと僕も思います。
つまり、KY4さんが、「活動に意欲がなく、非正規雇用であるため有給休暇もとれないシングルマザー家庭」等の「親としての成長」をうながすためのツールとして、PTAを活用しようとされている。
それって、よいことなのでしょうか。
「活動の意欲がない」ことと雇用形態や家庭の形態は、決して等号で結ばれるものではないし、たとえ、そこに相関があるのだとしても、他人が「あなたのことを親として成長させてあげましょう」とするのは、おせっかいではないでしょうか。
それは、少なくとも、ぼくやKY4さんの役目ではないです。
ちなみに、教育熱心な親のサロンになって、なにか悪いことはあるのでしょうか。
ぼくはその方が望ましいとさえ思いますが。
また、役員になると親として成長すると、本当にお考えですか?
とするとどんなふうに?
たしかにそのような人もいると思いますが、必ずしも「役員経験=親としての成長」とはぼくには思えません。
本人の意志を無視して誰もが入る、ある意味自発的服従を強いるような仕組みを維持することの方が、ぼくはよほど社会にとって害があると信じて疑いません。
その執行側に立って、「いやいや」ながら、自分の身と心をその有り様に合わせることは、決して「成長」とはいえないようなゆがみをもたらす気がするのです。
脱退の自由が保障されていることの大事さは、ぼくも大いに合意します。でも、そのようなPTAは滅多にお目にかかりません。
残念なことです。
なお、
>「あくまでも任意加入であり、入退会は本来自由」ということは、原則論または理想としては正しい
とのことですが、これは原則でも理想でもなくて、事実です。
規約に書いていなくても、いかなる団体も、本人の意思なしに会員とすることができないのは、わたしたちの社会においてはあたりまえのことなので。
念のため。
追記
もしも、ぼくの本をご覧になっていたら、ぜひ、ご感想いただければと思います。
でも、最初はいやいやながら役員を受けたもののやってみたら意外と楽しかった(あえて成長とは言わないにしても)という話はよく耳にします。
僕も、執行部会などでは「できる人がやればいい。全員がやらなくてもいい」等とよく発言しますが、それは役員の話で、加入そのものを自由意志にまかせるのはやはり躊躇します。もっとも、「PTA再活用論」で例にあげられていたように、意思を確認しても100%加入する結果になるかもしれません。でも、そうなったら、逆説的ですが任意加入を謳う意味がないとも思います。
けっしてPTAが親を指導していくとかのえらそうな意味ではありませんが、放っておくと教育熱心な親とそうでない親のディバイドがどんどん拡大していって、学校(あるいは地域)全体としてはマイナスなのではないでしょうか。
そうならないために、制度上は脱退の自由を担保しつつも、加入にあたってはあえて任意であることをPRしないというのは、ギリギリ許される方便なのではないかと思います。
僕自身も、もし完全に任意だったら加入しなかったかもしれず、そしたら学校や教育や地域についてこんなに考える機会はおそらくなかったでしょう。
※「みんなのPTAをさがして」は婦人公論連載の時から読んでました。単行本化されてからはすぐ購入したうえに執行部のみんなにもすすめました。
うちの単Pは、3年前に規約を改正して、委員会の数をぐっと減らすリストラを行いました。そのぶんボランティアサークルがたちあがり、「義務的な委員会は減らす。気楽なサークルは拡大していく。」という方向で運営していこうとしています。まだ道半ばですが、「みんなのPTAをさがして」にはおおいに勇気づけられ、また勉強になりました。
けれど、やっぱり、「嘘をついて入会させる」のはぎりぎりの方便としても、よくないとぼくは思いますよ。
といいつつ、ぼくも自分のPTAでそれができていないので、限りなくジレンマなのですが。
>けっしてPTAが親を指導していくとかのえらそうな意味ではありませんが、放っておくと教育熱心な親とそうでない親のディバイドがどんどん拡大していって、学校(あるいは地域)全体としてはマイナスなのではないでしょうか。
とのことですが、これはその可能性はあるでしょう。
しかし、義務としてのPTAが親の積極的な参画意識をスポイルして、教育を荒廃させているのが現状だ、という分析だってできます。
ぼくはどちらかとというと後者の立場に立ちますので、自由な入退会はまったく怖くありません。
そして、もう一点、いうと、その学校や地域の全体のプラスマイナスを理由に、基本的人権レベルの問題をねじまげるのはどうかと思います。
かりに、ぼくやKY4さんや役員経験者が何人か集まって、PTAの自動加入方式が学校や地域のためになっている、と合意を得たとしても、それは単に、一部の保護者、それも、わりと「熱心」とされる役員経験者のコンセンサスにすぎません。しかし、学校の保護者社会も地域も、そういう人たちだけで構成されるわけではないですよね。
結局、この考えを押し進めてしまうと、「ある特定の利害関係を共有し、似た考えを持つ人」の考えを、学校の保護者社会や、地域全体に押し付けてしまうことになり、大変まずいと思います。
そして、そのことが実際に、起ってしまっているのが現状かも知れないと常々感じています。
>意思を確認しても100%加入する結果になるかもしれません。でも、そうなったら、逆説的ですが任意加入を謳う意味がないとも思います。
はい、これは単に逆説、であると思います。
意思を確認して、100%加入するなら、それはそれで結構なことではないでしょうか。それだけのことです。
逆に、言わずに、入りたくない人が入らざるをえないのは悲劇です。
なお、退会の選択肢を準備すれば、いいのかも、というのは実はちょっと理解できます。
三鷹に「入会はとりあえず自動的にしちゃうけれど、入りたくない人は会長宛ご連絡を。非入会にする手続きをとります。もちろん後になってからの退会もできます」というふうなところがあって(今、その規約を探してみましたがみつかりません)、たしかに事務手続き上、入会届を処理するのは負担なので、こういうのもありかなあと感じたのを思い出しまた。
とはいえ、やっぱり、入会は自由なんだということは、言わないとまずいですよ。だって、それを言わないのは「嘘」なんですから。
といいつつ、やっぱり、ぼくもちゃんと言えていないんです。
ああ、ジレンマ!
>うちの単Pは、3年前に規約を改正して、委員会の数をぐっと減らすリストラを行いました。そのぶんボランティアサークルがたちあがり、「義務的な委員会は減らす。気楽なサークルは拡大していく。」という方向で運営していこうとしています。
おおっ、うらやましい!
がんばってください。
KY4さん、一連のお話は、自由な入退会をめぐっての、すごく一般的な疑問に通じていると思うので、そのうちまとまったエントリを書かせていただくかもしれません。
●第10章で「入会/脱会」に触れている規約はこれ↓です。【第4章「…なることのできる者は…とする」】
http://www.education.ne.jp/mitaka/nisho-es/pta/PTA1/pta_osasoi/osasoi_kiyaku.htm
●これ↓もまあまあの感あり。【第4条「…なることができる」】
http://sakurano-e.workarea.jp/PTAkiyaku.html
●これ↓が「うひゃぁ~!?」かも。【第3章「…とする」「…なければならない」「…とする」】
http://www.ed.city.izumisano.osaka.jp/es-kitanaka/p.kiyaku.htm
●お口直し↓。
http://www.edu.city.hachioji.tokyo.jp/school/mnmne/pta/pta.htm
PTA規約の用語のうち「単独の<…とする>には要注意!」なのだと思われます。
PTA「初心者」さん向けに、「ここが怖いぞPTA規約」ってエントリを書いてみようかしらん。
「この会の 会員は…日本PTA 全国協議会の会員となる」を含むこんなの↓(これもMs.TOMATE発見のもののパクリです)も怖い感じです(微笑)。
http://www.edu.satsumasendai.jp/mizuhiki-e/pta-F/kaisoku-F/pta-kaisoku1.html
何よりも、最もポピュラーな「民主的団体」とか 「会員には平等の義務と権利がある」というのが超極怖い!――と私は思います(微爆笑)。
ですから、規約の用語を、いかに現場でユニークかつ冷酷に解釈し運用するかという例を適宜解説した「ここが怖いぞPTA規約」は必要です、ワクチン効果があります!