KWATのblog三号二型

オレに模型を作る時間をくれぇ~っ!

無料だからってウソを書くのはいかがなものか

2007-01-26 22:58:43 | 社会
 要するにこの記事を書いた金子さんは、「夫婦別姓を実現するのに邪魔になる“戸籍制度”なんていらないよね?」という意見に読者を誘導したいんですね。

戸籍制度って日本以外にはほとんどないってホント? - R25.jp

 いやはや、こんなデムパ記事が首都圏在住の不特定多数の若者を相手にしたフリーペーパーに載ってていいんでせうかね。てことで、端から順番に突っ込んでみます。これ以外にもあったらコメント欄で指摘してくださいまし。なおリンク先は雑誌の記事を載せたブログなので全文引用はしません。

★突っ込みポイントその1
「婚姻届を出す=入籍すること」
 ブブーッ!残念。「婚姻届を出す=夫婦二人の戸籍を新たに作ること」が正解。「入籍」は養子縁組などの時にすることです。

★突っ込みポイントその2
日本以外では、日本の旧植民地だった韓国と台湾だけ
 韓国も台湾も、日本の植民地だったわけではありませんよ。日本の一部だったんですけど。この発言はコメントを取った杉浦弁護士(この人については後で言いたいことがありまつw)が言ったことですが、それをそのまま載せてるという点でライターも同罪ね。

★突っ込みポイントその3
戸籍という「家」に重点を置いた日本の戸籍制度
 戦後の日本国憲法の精神に真っ向から反してますよ。「家」に重点を置いていたのは敗戦までで、現憲法に則った今の民法や戸籍法では「夫婦」に重点が置かれています。なお戦前の「家制度」(「家族制度」ではない)は現憲法の公布と同時に廃止されてます。

★突っ込みポイントその4
ヨーロッパにおける身分登録制度は個人登録を基本とし、さらに出生・婚姻・死亡などの「事案」別に分類されるのが一般的。アメリカも個人登録で(以下略)
 欧米かよ! ぢゃなくてこういう時は具体的な国名を挙げてくれないと説得力に欠けますねぇ。一口に“ヨーロッパ”っていったって、いったい何カ国あるのかと(いま何カ国だ?(^◇^;))。ということでググったら『海外の戸籍制度』というページをハケーン。前衆議院議員で精神科医の水島広子氏のサイト内にあるページなので、信憑性は高いとして構わないでせう。で、このページによりますと、個人単位での登録を行っているのはスウェーデンとオランダだそうです。人間を単位にした登録ではなく、事件別(出生、結婚、死亡)の登録を行っている国ってのもあって、中でもカナダとアメリカは完全に事件別で、個人の身分変動を一覧できない仕組みになっているとか。イギリス、フランス、中国、旧ソ連諸国などでも事件別登録を行っているものの、附表などを用いてその後の身分変動を記録し、個人登録に近いことをしているそうです。一方、ドイツとスイスでは家族単位の登録を行っているそうですよ。

 また、『戸籍、住民票の基礎知識』というサイト内の『海外の戸籍事情(身分登録制度)』には、イギリス、アメリカ、ドイツ、スイス、フランス、オランダ、スウェーデンの7カ国の事情が紹介されています。これによると、ドイツ、スイス、オランダ、スウェーデンでは個人の身分追跡のみならず、日本の戸籍同様に家族構成まで追跡できるようですね。

 かくのごとく、一口に“ヨーロッパ”といっても国ごとに制度は様々。ドイツやスイスなんか個人登録ですらないぢゃん。この二カ国はヨーロッパに入らないですかそうですか。

 突っ込み所ということではありませんが、記事の〆部分。
戸籍制度は、相続などの手続きが行いやすい反面、本籍地や家族構成などの情報はプライバシーに関わる、という意見もある。夫婦別姓を主張する人もいる。伝統の良い面は残しつつ、現状にあった改革を望みたいところだ。

 ワタシも正直、現行の戸籍制度は住民登録と一本化できないのかね、とか思わないでもありません。本人の意思ひとつで日本国内どこでも(出身地や現住所は言わずもがな、皇居、国会議事堂、あるいは硫黄島や沖の鳥島はもちろん、北方領土や竹島でもOK)いくらでも変えられる「本籍地」に何の意味があるのかな、と思いますし。でも、それまで散々デムパ飛ばしてきて最後にもっともらしいこと書かれても、付け足しあるいは免罪符にしか思えないんですけどね(だいたいこんな一般論を並べただけの〆、誰にだって書けるぞ)。しかもその中にさらりと一番言いたいことを潜り込ませてるし(笑)。

 結局のところ金子さんは、「戸籍制度(゜⊿゜)イラネ」という結論が先にあって、それに都合のいい事柄だけを寄せ集めて記事を書いたんですな。都合の悪い部分はテキトーにぼかしても、どうせ読者はろくにモノを知らない連中なんだから構わない、ということでせうかね。金子さんが「戸籍制度(゜⊿゜)イラネ」という意見を持つことは構いませんし、それを媒体を使って表明することも構わないんですけど、少なくともウソを書くのはいかんでせう。内容にはきちんと責任を持って欲しいもんですわ。いくらタダで配る雑誌だからって。(-_-;)

 このエントリー、リンク先の記事にトラバを打ったんですけど、たぶん削除されるでせうね。なにしろ『本サイトのテーマや目的に反するまたはそのおそれのある内容を含むもの』ですから。(゜∀゜)

 ところで、記事中でコメントを出している弁護士の杉浦ひとみ氏。ググってみたらなんと!7月の参議院議員選挙の東京選挙区に、社民党の公認候補として出馬するっていうぢゃないですか。なんか妙に納得できてしまうのですが。m9(^Д^)プギャー


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7 コメント

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戸籍制度 (ゆずこせう)
2007-01-26 23:28:46
まともな戸籍がないために、人口動態どころか、義務教育さえ停滞している「大国」があります。
社民党の大好きなちうごくです。
この国では原則転居の自由がなく、農村→都市の移動はご法度です。では、上海や広州、シンセンの低賃労働者(日本向けに食玩作ってたりする)はどうするかっつうと、ムラのボスが頃合の娘を選抜して仲介業者に引き渡すんです。なにせ人口だけは余ってますから、1年交替で別の子をドンドン送り込みます。当然スキル向上なんてハナから考えませんから、労賃は100年一日。ちうごく製ソシアルダンピングとはこのことを指します。
行政は買収されてたりして実は村の中に入ることが出来ず、ボス支配です。したがってトラブルが暴力抗争に発展しやすく、拾ったのか隠したのか盗んだのか、軍用銃による銃撃戦が展開されます。
ときどき報道される○○省の農村で暴動、というのは大概この類です。
たぶん社民党さんはこんな社会が日本にも出来るといいな、と思っておいでなんでしょう。
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捨民党 (みほり)
2007-01-26 23:58:54
よりにもよって捨民党候補者に話聞くって所で何か躓いてますな(爆)弁護士なんてそれこそ東京には星の数ほどいるだろうに・・・・

変な所から推薦されてたりするのかなぁ?日弁連とか日弁連とか(笑)
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つーか (F-4EJ改)
2007-01-28 02:03:05
>みほりさん

この金子氏のやり口、もろ「サヨクの行動パターン」じゃないですかw

「よりによって」と言うより、「蓋然性の高い事象」のように思えてなりませんw
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やっぱり (みほり)
2007-01-28 19:49:01
サヨクお得意の「プロパガンダ」記事でしたか。>F-4EJ改さん

絶対、日弁連がどこかに絡んでる、私はそう睨んでなす・・・・(しつこい)
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このライターさん・・・ (KWAT)
2007-01-28 23:20:22
 名前でググるといろいろ香ばしいのが出てくるんですが、その香ばしい金子さんとこの記事を書いた金子さんとを結びつけるモノが出てきません。同姓同名かも知れません(奇妙な符合ではありますがね(笑))。

 でもまぁ、コメントをした弁護士もググると香ばしいわけですし、そういう人にコメントを求めたという点は状況証拠になります罠。(゜∀゜)
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拝見しました (u1ρ)
2007-01-29 03:47:18
某所のもすけらさん日記経由で参りました。はじめまして。

何故かtrackbackできないので(goo独自の制限のせいかな、一応、ここへのリンクを追加して試してみたんですが…)、リンク置いておきますね。

http://u1p.jugem.jp/?eid=39

では。
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ようこそ!(^^)/ (KWAT)
2007-01-29 10:30:14
>>u1ρさん

 某所ではお世話になります。トラバできませんか。おかしいなぁ、jugemからのトラバ、通ってるのもあるんですけどねぇ。こちらかもトラバしておきましたので、どうぞよろしくです。

 で、なんかu1ρさんトコのコメント欄でなかなかタメになるお話をされておられる方がいらっしゃいますね。後ほどまたじっくり拝見させていただきませう。
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