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仔猫と小説

2023-12-11 08:24:00 | 日記

批判しないでください。

しばらくぶりです。
ネタ探ししてました。

今日もしょうもない小説でお楽しみください。


山村は雪に閉ざされ、ただ一軒の古びた家が残っていた。村人たちは夜になるとその家を避け、恐れていた。ある寒冷な夜、若者の秀夫が村に迷い込んだ。彼はその家に避難することを決め、暖炉で火を焚いた。しかし、夜が進むにつれ、異音が聞こえ始めた。 

古びた床がゆっくりと歩く音、廊下をさまよう影。秀夫は恐怖に怯えながらも、窓の外に広がる雪の中に人の足跡が見当たらないことに気づいた。彼の耳には、遠くで子供の笑い声が交じり合い、心を凍りつかせた。

すると、部屋の隅で白い影が現れた。その姿はかつて村で失踪した子供のものと瓜二つだった。秀夫は声を上げようとしたが、何者かに喉を掴まれたような感覚に襲われ、口からは声が出なかった。

影は静かに近づき、その手を伸ばして秀夫の肩に触れた瞬間、彼の体は凍りついた。部屋には不気味な静寂が広がり、窓の外には無数の子供たちの影が集まり、冷たい笑い声が村を満たした。

そして、次の朝、山村では一軒の古びた家が消え、跡形もなかった。秀夫の行方も知れないまま、ただ雪が降り積もるだけだった。それからというもの、その村では夜になると、誰もがその家のことを口にせず、恐怖の中で暮らしていた。


では また