ジニーの、今日も気まぐれな感じで・・・

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ジニレビュVol.8  『崖の上のポニョ』

2008年10月26日 22時05分17秒 | レビュー(ジニレビュ)
ぽーにょぽーにょぽにょさかなのこ~♪
一度耳にしたらこびりついてなかなか離れないこの歌。
久石さん、また名曲を作り出しましたね。


僕はジブリの作品が好きで、テレビで放送していると大体見ています。
「崖の上のポニョ」はそのジブリの最新作です。
先日この作品を見てきました。
ちなみにネタバレはないように書いているつもりですが、ひょっとしたら気づかずに書いちゃってるおそれもあるので、ご了承下さい。

この「崖の上のポニョ」はこれまでのジブリ作品の中では「となりのトトロ」に近しい立ち居地なのだろうなと様々なメディアで取り上げられている様子を見て感じていました。
いわゆる、子供に向けた作品。
「もののけ姫」のような壮大なスペクタクルと言うよりも、のほほんとした絵本のような感覚でしょうか。
そう感じさせるのは、今回の映画が全て手書きで製作されていると言うところにもよるのでしょう。
そう、今回の作品ではCGを一切使用していないそうなのです。
実はこれはハンパないことなんです!!

先日、今作品と宮崎監督を特集した番組を見ていた時にビックリする数字を知りました。
それは17万と言う数字。
つまり、今回の映画を製作するに当たり、使用した絵コンテの総数が17万枚ということなのです。
仮に一枚の絵コンテの厚さが1mmだとしても、全部重ねると170mになります。
これは世界遺産でもあるサグラダファミリアと同等の高さになるわけです。
特に本編冒頭部での12秒のアニメーション部分では約1500枚もの絵コンテを使用しているらしく、実際にそれを見たときはのっけから圧倒されました。


さて、では本編はどうだったかと言うと・・・大人だからでしょうか、不思議な映画だなぁ~という感想を持ちました。
何か詮索しながら見ていたというのではなかったのですが、本当に動く絵本を見ていたような気分でした。
でも、観終わった後はなんだかホワンとした気持ちになっていて、ポニョのまねをせずにはいられませんでした(^_^;
とにかくポニョがかわいい。
そして純粋。
わんぱくで、支離滅裂で、危なっかしくて、でも憎めない。
スーっと心の中にもぐりこんでくる魅力がありました。

先ほど動く絵本を見ているようだったという感想を持ったと書きました。
しかし、この作品を制作する上で宮崎監督は相当試行錯誤されたらしいです。
大人になってしまった僕たちにとっては当たり前なことでも、子供からすれば大きな進歩と言うものがありますよね。
劇中で、ポニョの成長を感じさせるエピソードがあります。
僕的には、その部分を映画の中のポニョの愛らしい行動のひとつと捉えていましたが、実はポニョの視点からすると劇的な変化、成長の瞬間だったのです。
後になってそれを知り、考えてみると、確かにそれは成長以外のなにものでもないと思いました。
たった2時間の映画の中でポニョは進化を続けていたのです。
そういったところに気が回らなかったのは「大人としての自分」という客観的な視点で鑑賞していたからなのでしょう。
もっとポニョのひとつひとつの行動を、ポニョの視点で、なにを考えてそうしたのかという見方をしていたらまたちょっと違った楽しみ方が出来るのかも知れないなと感じました。


出来ないことが出来るようになるのには、必ずそれなりの背景があります。
仕事とか恋愛とかそういったものも背景の一つではありますが、僕たちが生きていく中で「出来るようにならなければいけない」必要性を迫られる背景は「生きていくため」というところが一番大きいような気がします。
これはまさにポニョにも言えることで、いわば今作はポニョの成長期といっても語弊はないように感じました。
そして、それは僕たちが自分自身を鑑みるきっかけとなるものでもあるような気がします。


そこにあるのは「生きるエネルギー」だったと思います。
「生きていたい」という強い思いが僕らを成長させます。
変にクールになるよりも、熱く自分は生きていたいと体全体で表現できるような人になってもっと周りをプラスのエネルギーで包んでいきたいなと感じました。
コメント
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